人のルール違反が許せない!発達障害児の過剰反応を抑えるためには

ライター:kaoru
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子どもがほかの人のちょっとしたルール違反に対して柔軟な対応ができないなんてことはありませんか。そんなルールに過敏な子どもに対してわが家の対応をご紹介します。

ルールを破る人にパニック

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自閉症スペクトラムの子どもは、周囲のちょっとしたルール違反に対して柔軟な対応ができないなんてことはありませんか。

現在中学2年生になる息子もそうでした。息子はアスペルガー症候群であるだけでなくADHDを伴うので、自分のウッカリもある中で人に厳しい一面がありました。

一度、集団下校の時、ルールを破って学校に横付けされた車を何台も見て、ものすごいパニックを起こしてしまったことがあります。
(集団下校が苦手な息子は、普段の下校よりもストレスがかかっていたこともあったと思います。)

「本当はいけないけど守れない人もいる。事情があるのかもしれない。」などという、私の言葉は届くわけもなく・・・。

それが特性といえばそれまでですが、この特性をコントロールできたら!ストレスの軽減や集団への適応ができるかもしれない。

私は「ルールへのこだわり緩和する対策!」を真剣に考えはじめました。

「ルールが持つグレーな部分」を理解してもらうために

何万回と説明しても、「ルールが持つグレーな部分」の理解には至らない事は私もわかっていました。言ってもわからないなら、何をすればいいのだろう?

人のルール違反を見逃すことが無理だから悩んでいるので、簡単に「見逃す」経験は無理!
言い聞かせてできたとしてもストレスが溜まってしまい、二次障害を誘引しかねないと思いました。

それに「本人の我慢や行動制限は解決を招かない」というのが私の子育てマイルール。

なんとか、本人が我慢することなく、ストレスを溜めることなく、納得して「ルールの中にあるグレーな部分」を理解できないかな~と思い、ルールのグレーな部分を経験してもらうことにしました。

「ささやかなルール違反」を経験させる

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それは、息子自身が「ささやかなルール違反」を経験する・・・というもの。
しかもそのルール違反は「ちょっとしたメリット」をもたらすものとしました。

次回の集団下校では、パニック気味の息子にこっそりアメを渡して、
「本当はいけないけど、●●くん頑張っているから。」と、ルールを破ってちょっとだけいい思いをする経験をさせてみました。

また、登校を渋り気味だった日は車で迎えに行って、「頑張ったからお迎えに来たよ」・・・とあえてルール違反でいい思いをさせてみることにしました。

私のルール違反のポイントは、あくまで誰にも迷惑をかけず、尚且つささやかなものであること。
だらだらとルールを破らず、あらかじめ親が計画したルール違反以外は基本的にルールは守ること。

そして、人のルール違反に厳しいことを言い出したら、
「そうね、ルール違反はいけないよね。でも君も、この間アメを食べちゃったよね?」とか、
「この間車で帰っちゃったね。あの日は疲れたからね。」と・・・伝える。

この際に大事にしたのは、ルール違反を許せない気持ちを認めてから、自分のルール違反を思い出させる・・・という手順。

もちろん、1回や2回で「グレーな部分」は理解できません。
本人から言い返しても来るでしょう。これはもやもやから来る反論です。正論で返すよりも丸ごと認めてあげたほうが良いと思います。

でも、繰り返すうちに「人はルールを破ってしまうこともある」「人によってルールを守ったり守らなかったりする」という現実を、最初は漠然と、でも次第に理解するに至ったのです。

息子は、あんまりひどいルール違反をする子には今も文句も言います。
ですが、それは特性として受け入れられる範囲であり、集団への適応を完全に阻むほどのものではなくなっています。
次ページ「生きやすくなるための発想」

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