説明しにくい「暗黙のルール」、お家で正しく楽しく教えるために

ライター:にのの
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自閉症スペクトラム症と診断されている長女は、きつい言葉使いをする、はっきり物を言いすぎる、年相応の一般常識が身についていない等、ソーシャルスキル・ライフスキルが低め。そんな長女が日常生活・学校生活で困らないよう家でも気軽にできるトレーニングをと考え購入した本をご紹介します。

当たり前のことが自然と身につかない…そんな時には

・「ありがとう」を言う
・ゴミを捨てる
・静かに話を聞く

他人と関わり、社会生活を営むうえで大切なソーシャルスキル・ライフスキル。

長女はこのようなスキルが自然と身につかない、定着しない特性なのだな…と感じていました。

けれど、特性とは言いつつも、「もっとどうにかならないだろうか」と願う気持ちがあるのも事実。

「ソーシャルスキルがもう少し身につけば、お友達ともっと楽しく遊べるのに…

「ライフスキルがもう少し身につけば、褒められることも多いだろうに…

小学校入学まで残すところあと1年となった頃には、そんな風に思い悩むことが増えてきました。

そんな、長女のために家庭で簡単にできることはないだろうかと悩んでいた頃の私が出会ったのがこの本です。
横山 浩之 (著), 明野 みる (著)、小学館『マンガでわかる よのなかのルール』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4098401223

『マンガでわかる よのなかのルール』という本を知っていますか?

これは、特別支援教育を研究されている小児科医、横山浩之先生の著書で、世の中の65のルールを学ぶことができます。

右ページに説明文、左ページに4コマ漫画が2つ載っているという構成になっています。
長女は視覚優位で短期記憶に弱いため、言葉で長く説明しても内容の理解ができません。

その点、漫画があると説明文のみの場合よりも内容が理解しやすく、また視覚優位のため記憶に残りやすいようです。

楽しく、わかりやすい工夫のある本を親子で学ぶ

本に書かれてあるルールはどれも当たり前のことばかり。定型発達のお子さんであれば自然に身につけることもあるでしょう。

ですが、発達障害のある子どもだと、当たり前と言われることを自然に身につけることが難しかったり、こだわりの強さなどゆえに「当たり前のこと」が何かに、そもそも気づかないことがあります。

そんな時に、子どもが楽しめる方法、興味を持てる方法で少しずつ教えるためのツールとして、この本が役立つと思います。

この本の良いところは

・4コマ漫画が面白く、気軽に読むことができる
・良い例と悪い例の漫画をそれぞれ比較することで、理解が深まりやすい

ことだと思います。

ですが、長女は「こういうことがあったら人はこう感じる」と想像する力が弱いという特性があり、起承転結がはっきりして展開の早い4コマ漫画では、登場人物の感情の移り変わりを理解できない時もあります。

そんな時は、「こういうことを感じたから、この人はこういう気持ちになったんだよ」と私から補足説明をしています。

少し遠回りでも、長女には「コミュニケーションの取り方」の勉強にもなっているかもしれません。
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11030018663
次ページ「漫画で身に付いた学校のルール」

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