不安に涙した日々…1番欲しかったのは、先輩ママの言葉でした

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同年齢の子どもたちに較べて出来ないことが多い息子。疲れて追い詰められていた私は、このまま一生出来ないままなのではないか、と思ってよく涙を流していました。あの頃私が欲しかったのは、「大丈夫、必ず成長して出来るようになります」という先輩たちの言葉だった気がします。

林真紀
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小学校の授業参観でなぜか涙が…

発達障害であることはわかった、対応の仕方や声かけの仕方もなんとなくわかってきた、でも「どう成長していくのか未来が見えない」、こんな親御さん、意外といらっしゃるのではないでしょうか?

私もそうでした。

3歳後半で発達検査を受けた息子は、実年齢よりも1歳半近い遅れがありました。

特に遅れが目立ったのは運動能力。

重力不安が強かった息子は、3歳後半でもまだ両足ジャンプや片足立ちができず、階段の上り下りも手すりを握りしめながら這いずるようにしてやっと出来るレベルでした。

運動能力は実年齢よりも2歳近い遅れがありました。

この子なりのペースで育てよう…そう思ってはいたものの、困ったことに私には発達障害児がどのような成長過程を踏むのか、その「先のお手本」が全くない状態でした。

あと1年後にどうなるのか、学童期にどうなるのか、思春期にどうなるのか、大人になったらどうなるのか…周囲には見本となる情報がありません。

ただ見えるのは、現在の息子が他の子どもよりも遅れているということだけ。

そして私はある日、1年生の息子の授業参観のときに突然涙が出てきてしまったのです。

息子の同級生たちは普段の学校生活の成果を披露していました。

縄跳びをする子、元気に音読をする子、折り紙を披露する子、それを見ながら「息子がこれをできるようになるんだろうか…」と突然不安になり、泣き叫びそうになってしまったのです。

両足ジャンプもできず、手が不器用で折り紙など全く出来なかった息子。

私にとって、それを当たり前のようにこなす1年生たちが、遠いどこかの人たちのように思えてしまったのです。

あのとき1番傷ついた言葉

そんな未来の見えない不安でいっぱいのときに言われて1番辛かった言葉、私は忘れることができません。

息子は人との距離感が掴みづらいという特性があり、知らない人にもすぐに人なつっこく話しかけ、平気で手を繋いだりします。

幼稚園でも好きなお友達には相手の気持ちを考えずにベタベタしてしまうようで、それが原因でトラブルに発展することもありました。

そんな息子に対して、親戚の人が言ったのです。

「今は可愛いからいいよ。でも、このまま大人になったら、変な人だよ。警察に捕まるよ。」

この言葉は当時の私が1番傷つくものでした。

未来が見えない、周りにお手本もいない、今の息子の特性しか見えない私にとって「このまま大人になったらまずい」というのはとても残酷な言葉でした。
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道しるべとなった主治医の言葉

不安のピークにいた当時の私は、何から手をつけて良いのかわからず、結果的に息子に辛い思いをさせました。

しかし、迷走して追いつめられていた私を救ったのは、発達外来の主治医の先生がおっしゃった言葉でした。

「お母さん、まずはこの子が幼稚園生活を問題なく過ごせるように集中しよう。今お母さんが目指すのはそれだけだよ」

この言葉で、私はそれまで見えない先のことばかり考えて右往左往していた気持ちが、スッと楽になったのです。

それからでした。

息子の成長を実感できるようになったのは。

行事のたびに荒れたり動揺したりする息子を、幼稚園の先生方の協力も頂きながら、みんなで全力で支えていきました。

その甲斐あってか、息子は作品展で楽しそうな潮干狩りの絵を描いて、幼稚園の中で賞を頂きました。

運動会では練習の間、疲れて荒れて大変でしたが、毎日先生がカレンダーを見せながら「あと○日だよ」と見通しを立ててくださいました。

そして、苦手で大嫌いだったサッカーボール蹴りの競争も最後まで頑張れたのでした。
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幼稚園の作品展で息子の描いた潮干狩りの絵
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運動会での一コマ 苦手なサッカーボール蹴り
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とにかく幼稚園生活を1つひとつこなしていくことに集中しているうちに、気付いたら息子は「こんなこと一生できるようにならないんじゃないか」と私が泣いていたことも、全部こなせるようになっていたのでした。

1番ほしかった先輩ママパパたちの言葉

こうして、私が思っていたことは全て杞憂に終わりました。

切り替えが苦手だったり、こだわりが強かったり、感覚過敏があったりと、発達障害の特性の難しさはもちろんまだあります。

人との距離感の取り方もまだ下手です。

お友達にしつこくしてしまったりもします。

けれども、適切な支援をすれば、それらの難しさは折り合っていくことはできるのだと実感しました。

今では両足ジャンプもできます。

階段の上り下りもできます。

人の話を聞いてしっかり会話もできます。

折り紙もできるようになりました。

そんなこと息子にはできないと泣いていた私。

あの頃の私が1番欲しかったのは、発達障害児を育てた先輩ママパパたちの言葉でした。

息子より年の大きいお子さんがいる人に「大丈夫、ちゃんと成長します」と言ってもらえたらどんなに心強かったでしょう。

ですから、私も後に続く親御さんに声を大にして伝え続けたいのです。

「大丈夫、ちゃんと成長します!」と。
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