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私の常識が変わったとき

教室の毎日
こんにちは!バンブーハット折之口です!





今回は、このブログを担当いたします私が、6/1をもちまして入社3年となりましたので、この3年間を振り返ってみようと思います☺️





まずは軽く自己紹介(笑)
私は新卒で障害児の入所施設に勤めて4年、
結婚出産を機に退職し、こちらに引っ越して参りました。
社会復帰後は障害者の就労施設で2年働きました。
その後の転職先として選んだのがバンブーハットです。

障がい者福祉の分野で見ますと、10年目です。





バンブーハットで働き始めてから、
上野台、上柴東、かごはら(ほんの少しですが)でもお世話になり、折之口教室に行き着いた形となります。

折之口教室には2年半くらいいます!(思ったよりいた!!!笑)







バンブーハットに勤め始めて最初の三ヶ月くらいの印象は………
「意味わからん!!!!!」でした。(笑)




だって、今まで私がやってきたこととは180度違うから………

良かれと思って過去にやってきたことが全然子どもたちのためになっていなかったと知ったから………。










例として、だいぶ過去に遡りますが、私が児童の入所施設に勤めていたころ

「みんなと同じスペースで過ごしていると、急に走り出してお友だちを突き飛ばしたり、髪を掴んで引っ張ったりする」

というお子さんがいました。




過去の私(というより職員全体)は

そのような行動が出るたびに

「そんなことしちゃダメでしょ。部屋に戻って一人で反省しててね。」

なんて居室に連れて行ったりしていました。

いわゆるタイムアウトですね。「罰」的な意味合いもあったと思います。







この一連の出来事をABA(応用行動分析学)で考察するとこうなります。









行動前(A)

同じ部屋にたくさんの人が居る。

泣き声や笑い声などたくさんの声や音がしている。

先生は5メートル以上離れたところで他の児童と遊んでいる。



行動(B)

そばにいる女の子を突き飛ばす。



行動後の結果(C)

女の子が泣きだす。

先生が近付いてきて声を掛けられる。

普段施錠されている自室に戻ることが出来、布団に横になれる。













いつもこのような対応を繰り返していましたが、一向にお子さんの行動は改善されず、(B)で記された行動が繰り返されるばかりでした。繰り返されると言うことは、強化されていると言うこと。

強化されていると言うことは、行動後の結果(C)がこのお子さんにとって良い結果であったと考えられます。




【強化の原理】 「行動することで、何か良いことが起こったり、悪いことがなくなったりすると、その行動は繰り返される」ことを「強化の原理」といいます。




ABA(応用行動分析学)では行動の前と後で何が変わったのか・・・??

を考察していきます。




---------------------




まずは、他の子と遊んでいた先生が急いで駆けつけます。

行動前にはなかった先生からの注目が得られたということになります。




次に、たくさんの音や声が響いていた部屋から、一人きりの静かな部屋に移動します。

騒がしい部屋から脱出できた!静かな空間を獲得した!




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という感じでしょうか。




つまり、罰を与えるつもりで行なっていたことが、そのお子さんにとってはご褒美になっていた可能性があるということ。

それじゃあ行動が減るわけないですよね(汗)




このように一定のデータを基にしてですが、考察をしていくと言うことを入社して学ぶことができました。










さて、あの時の自分になにか助言が出来るなら、なんて伝えるだろう・・・




基本的に、そのお子さんのスキルに応じた「代わりとなる行動」を教えていきます。

発語があるならば「先生、むこうの部屋に行きたい」と言うことで

先生との関わりも静かな空間も同時に得られるかと思います。




その子は発語のないお子さんでした。

カードの理解、模倣のスキル、果たしてあったのかな・・・

今となってはわかりません。試したことすらないのですから。







発語が無い場合は・・・・

カードを渡す、ジェスチャーで伝える、部屋の前に置かれたベルを鳴らすなどでしょうか。

中でも「カードを渡す」ことによる要求のスキルは展開しやすく、

コミュニケーションをとる相手がだれであっても同じような結果が得られるため有効です。






行動前(A)

同じ部屋にたくさんの人が居る。

泣き声や笑い声などたくさんの声や音がしている。

先生は5メートル以上離れたところで他の児童と遊んでいる。



行動(B)

カードを持ち、先生に渡す。



行動後の結果(C)

先生がカードを受け取り、声を掛けてくれる。

普段施錠されている自室に戻ることが出来、布団に横になれる。







①と②では
行動前(A)と行動後(C)はおなじですが 
行動(B)は違いますね。




このように同じ結果が得られる「社会的に許容される行動」を教えてあげること。
そのためにはその行動が「なにが目的で生起しているのか」を分析すること。

つまり記録がとーーーーっても大切ということ。







*ちなみに、カードを渡すことについては、例として↓↓このようにして習得を目指します。







過去の私は、上記のようなことが起こるたびに、

行動の理由そのものを、その子の性格や特性だと決めつけ個人攻撃していました。

「この子は乱暴な子」「この子はすぐ泣く子」「意地悪ばっかりする子」などと、行動の意味も背景も見ようとせず、決めつけていました。







ですが、バンブーハットで行動分析学を学び始め

私たち職員が作り出す環境や支援こそが、

「お友達を突き飛ばす=静かな部屋に行ける」と誤学習をさせていた、ということに気づき大変なショックを受けました。
















なんて、分かりきったように述べておりますが、

入社したての私は、この学問が唱えていることのほとんどを半信半疑でした。(すみません・・・)




にわかに信じがたいというより
信じたくない、が正しいでしょうか。




しかし、折之口教室に配属され、
当時の新一年生Aくんの担当を任せていただき、
「信じざるを得ない」結果となりました。

毎日起こる困った行動、減らしたい行動が
日を追うごとに、仕掛けるたびに、目に見えて減っていくんです。




もう本当に毎日毎日楽しくて。


記録して、考察して、支援を改善して、また仕掛ける。
この繰り返しがとても楽しく、夢中で仕事をしていました。




半端じゃないですよ(笑)

問題行動が起きるたびに記録するんですから(笑)

しかし、問題行動の頻度が低くなり、記録が1枚減り、また1枚減り・・・・

「あれ??今日は記録これだけ?」となったときは感動しました。











その後もKくんを担当し、Kくんご卒業後の現在はRくんを担当しております。どのお子さんも(もちろん担当以外のお子さんも)非常に愛おしく、彼らの人生のほんの一部とはいえ関わることができているという事実が嬉しいです☺️




もちろん、担当してきたかわいいかわいい彼らにもたくさんの行動レパートリーがありましたよ!(笑)

泣き、寝転び、座り込み、他害、失禁、走り出し、などなど・・。




今では「こんなことあったね。なつかしいね(笑)」なんて彼らの成長をしみじみ感じるほどです。







そのすべてが100%消えたかというと100%ではありません。

しかし、代わりの行動となるスキルを獲得した彼らはわざわざするまでもないのです。

ただ、再びその行動が起きたとしたら、「絶対増やさないぞ!!」とスタッフ一同で緊急会議を必ず開きます。

なぜなら、望ましくない行動を増やすことの怖さをスタッフ全員が知っているからです。

言葉巧みに自分の気持ちを表現することが難しいお子さん達だからこそ、私たち支援者が正しい知識と技能を持ち、彼らの心の叫びを「その行動」を見てしっかり考察していく必要があると言うことを学びました。








子どもたちの未来を良い方に変えていけていると思うと「なんて尊い学問………」と常に感じています。





「行動の後にいいことがあればその行動は増える」
言葉にするととてもシンプルで簡単で楽勝!!!
なのですが、知れば知るほど奥が深くて面白いです。
まだまだたった3年ですし、
この学問のほんの一部しか知らないことを承知の上ですが(笑)


バンブーハットは
「支援に迷えば教え導いてくださる上司」
「困りごと解決のため一緒に悩める仲間」
のいる環境ですので、
発展途上の私、これからも勉学に励みまーす!!!


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