こんにちは!
本日は行動経済学用語の『ナッジ』についてのご案内になります。
こちらは療育(障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助すること)の現場でも常に活用されています。
その一つは『構造化』と言い、構造化とは、
1. 目で見てわかるように伝える
2. 手順を明確にして習慣化する
3. 刺激を整理して、注意が散乱しないようにする
4. 見通しを持たせる
等を指しています。
もう一つは、同じ意味でも「どうして○○ないのか」ではなく「○○するようにするために、これからどのようにやってみようか」と『未来志向肯定型』で伝えることです。
結果的に、『レジリエンス』(「強靭さ・復元力」「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」を意味します)の獲得にもつながります。
最後に、『「I」メッセージ、「You」メッセージ、「We」メッセージを使い分ける』です。
Youメッセージとは「あなた」が主体となる表現やメッセージで、Iメッセージとは「私」が主体となる表現やメッセージで、Weメッセージとは「私たち」が主体となる表現やメッセージです。
【Youメッセージの特徴】
非常に強い想いが発せられる反面、受信者は断定的に感じたり、責められているように感じやすい傾向があります。
【Iメッセージの特徴】
主語を発信者にすることによって、受信者本人ではなく受信者の行動に対する感情を伝えることができます。
そのため、受信者はそのメッセージを受け入れ易く、行動の変化を促すことができます。
【Weメッセージの特徴】
主語の範囲が広くなるため、Iメッセージよりも、より受信者の行動の変化を促しやすくなります。
1.Youメッセージ:
「あなたはすばらしい」「あなたはよく頑張った」などのようにメッセージの主体が「あなた」となるメッセージのことです。
2.Iメッセージ:
「私はうれしい」「私は悲しい」など、メッセージの主体が「私」となるメッセージのことです。
3.We メッセージ:
「家族みんながよろこんでいたよ」「クラスみんながとても助かったよ」などのように、メッセージの主体が「組織」となるメッセージのことです。
使い分けることによって、感じ方が異なるように、メッセージ性が強くなります。
元々は行動経済学用語の『ナッジ』ですが、コロナウイルスによる世界で生きる人々が今後求められるであろう行動変容で注目されていますが、中身は療育の現場(に限りませんが)で活用されていたことばかりなのです。
療育に役立つことは、みんなの生活デザインの一部だということが、ここでも証明された形となります。
行動経済学用語の『ナッジ』について
研修会・講演会
24/05/20 12:29