こんにちは。
師も走って走って、もうすぐ師走もゴール近くまで来ました。
皆さん、お元気でしょうか?
つい先日の22日(日)は冬至でしたね。
二十四節気の一つであるこの日は、
一年で最も昼間の短い日。
そして、その次の日から少しずつ昼間が長くなっていく
まさに節目の日ですね。
私たちが住む北海道は、緯度の高い北国。
これから、寒さや積雪が本格的となっていく反面、
東京などより早いスピードで日が射す時間が増えていくのは、
「春は遠くないぞ~!」
って自然が励ましてくれているような気がして、
少し前向きな気持ちになるのは私だけでしょうか?
さて、今回のテーマです。
今月15日にSB新書から
〝「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する″
が出版されました。
著者は北大名誉教授で、札幌市内でクリニックを開業されている
田中康雄先生です。
この本、お薦めです。
保護者や一般の方も読みやすくできている良書だと思います。
次の2部構成になっています。
第1部 こともの心と行動を理解したい!
第2部 医療の役割_「診断名」を超えてその子に近づく
保護者の方にとっては、第1部に書かれている
子どもの心と行動を理解する過程や
ライフステージごとに生じる様々なことが
12のストーリーと田中先生の解説などで綴られており、
参考になることも多いでしょう。
つづく第2部には、
支援者側にいる私が改めて大切だと思っていること、
そして保護者の方にも是非知っておいてほしいことが書かれています。
それは、発達障害の新しい捉え方と支援の考え方です。
2つのキーワードと田中先生の支援の視点が紹介されています。
〇ニューロダイバーシティ(神経多様性)の概念
そもそも発達障害とは何かに繋がるのですが、
すべての「脳」の違いを優劣ではなく個性として、
障害ではなく生物としてのバリエーションであると捉える発想。
〇ESSENCE(早期兆候症候群)の概念
幼い子どもたちには早期に確定診断することは難しいが、
早くからその子の状態に沿った丁寧な支援は行える。
〇田中先生の支援姿勢(ESSENCEの視点で考える支援)
発達障害を診立てるのではなく、
さまざまな背景で育ってきた「子ども」や「親」に対して、
発達促進的な環境づくりを「一緒」に行うことを心がけている。
これだけ切り取ると、
そんなことは常識だよという支援者もいるかもしれません。
しかし、全体をちゃんと読んでみると、
この視点、その深さに、
「これだよ、やろうとしている療育って!」と唸った次第です。
さて、2019年、令和元年も残り数日。
皆さまにとって、2020年、令和2年が
ますます良い年となりますように祈念して、
今年最後のブログを終わりにします。
来年も、よろしくお願いします。(まさあき先生)
「これだよ、やろうとしている療育って!」と唸った考え方
療育について
19/12/24 17:35