ある子がいます。
リフライズに通い始めたのは、小学1年生の頃。
その子は最初からスタッフのことを「先生!」と呼んでいました。
それも元気に、大きな声で。
学校や保育園でもそうだったのでしょうか。
「親じゃない大人=先生」という認識が、その子の中にしっかり根づいていたのだと思います。
そんな彼に対して、私たちスタッフは特別なことはしませんでした。
でも、根気強く、毎回、丁寧にこう返していました。
「●●さんだよ〜 それで、なあに?」
毎回です。呼ばれるたびに。
するとその子は
「あっ、●●さん…えっとね!」
と自然と訂正し、話し始める。
そんなやりとりが、毎日のように繰り返されていきました。
強制はしない。怒らない。
でも、「名前で呼ばれること」を少しずつ伝えていく。
そして月日が流れ、小学4年生になった今は
その子はスタッフのことを当たり前のように名前で呼んでくれます。(たまに先生も出ますけどね)
私たちリフライズでは、子どもたちに「先生」と呼ばせることを基本にはしていません(※未就学児には便宜上使うこともあります)
それは、私たちが教える人ではなく、“ともに過ごす人”でありたいからです。
時間をかけて、関係の中で、ゆっくり育つものなんだということを、この子が教えてくれました。
たかが呼び方。されど呼び方。
「●●さん」と名前で呼ぶことには、
・相手を一人の人として認識すること
・自分から関係性をつくる意思表示
・「この人は自分にとって安心できる人なんだ」という確信
など大きな意味があります。
ただ大事なのは、呼び方が変わることだけがゴールではありません。
でも、そのプロセスの中に、子どもが誰かと関わり、信じ、安心していく姿があるなら、
それは何より大切な育ちのひとつだと私たちは思っています。
kids spaceリフライズ
代表 山口
「先生」から「〇〇さん」へ 呼び方の大切さ。
代表のひとりごと
25/07/13 11:04
