シラスが美味しい季節になりました。たまごかけご飯にのせたり、パスタにのせたり、大根おろし醤油をかけたり、ショウガ醤油をかけたり、冷ややっこに添えたり、刻んだネギとごま油で和えたり、熱々のご飯にのせて醤油と海苔でかっこんだり、それぞれの家庭にはいろんなバリエーションがあるのでは。
シラスとは魚の名称ではなく、イワシ類の稚魚の総称です。この時期のシラスは「カタクチイワシ」が大半です。イワシ類には他には体に対して目が大きく潤んだように見えることから「ウルメイワシ」と呼ばれるものと、成魚になれば30センチほどにもなる「マイワシ」があります。イワシ類の中でも最大になり、梅雨のころ、冬にかけての季節に肥えて太り最も美味しくなり、「入梅イワシ」、「金太郎イワシ」と称されます。
春になり雪解け水ともに陸の養分が海に流れ込み、その養分を捕食するプランクトンがわきます。そのプランクトンを捕食して成長するのがイワシ類で海の生き物の中で食物連鎖の一番下に位置するのですが、イワシなくしてはアジやサバ、カンパチ、ブリ、マグロなど食物連鎖の上位の魚は生存できません。イワシなくして人が大型魚を食することもできなくなるのです。
塩ゆでにすれば「釜揚げ」、干したら「チリメン」、さらに固くなるまで干せば「上乾チリメン」とシラスの名称がかわります。
大阪では「チリメンジャコ」とも呼ばれますが、「チリメン」とはセイロに平たく並べ干している様が、しわしわっとした見た目の感じが「縮緬(チリメン)」に似ているからそのように呼ばれるようになりました。
カルシウムやビタミンDなど栄養価の高い「チリメンジャコ」、少しお値段ははりますが今が旬です。今晩のおかずの一品にいかがでしょう。
余談ですが「チリメンジャコ」の中には「チリメンモンスター」と呼ばれることもあるタコやイカ、エビやカニの幼生が混じっていることがあり、見つけたらなんだか得をした気分に私はなります。
シラスとチリメンモンスター
教室の毎日
21/05/31 18:57