怒りの感情と向き合うこと
教室の毎日
22/01/17 13:51
いつも年下の子どもたちの面倒をよく見てくれて、
どんなにからかわれたって、
どんな口をきかれたって、
度が過ぎるようなイタズラをされたって、
絶対に怒らないGくん。
その日はGくんが過ごしている部屋から、壁を殴る激しい音が聞こえてきました。
「なにかあったの?」と落ち着いたトーンで尋ねると、どうやらケータイのゲームに負け続けて、怒りをあらわにしているようです。なんだ、ゲームの話か・・・と、たいていの大人なら片付けるかも知れませんが、彼にとってのゲームは学校や家庭と同様に「生活の一部」のように人生に関わっているものでした。
彼を外へ連れ出し、サンドバック打ちに誘って、打たれながら、消化できない思いを彼なりの言葉で伝えてくれて、徐々に落ち着きを取りもどしました。
怒りの感情といかに向き合うか?ということについて、私たち大人でも冷静に対応できないことがあるでしょう。なかなか消化できず、尾を引くことだってあるかもしれません。ましてや怒りの感情と向き合ってきた絶対数が少ない「子ども」にとっては、そういった感情の揺らぎ一つ一つが貴重な経験になりうると考えています。
シャインでは、子どもの「内なる声」に対して、十二分に傾聴して、できる限り本人の感覚を想像しつつ、共感して寄り添い、その子自身をまるごと受け止められるような環境作りを目指しています。そうして本人が十分に受け止められた経験が積み重なることで、同種の怒りに対する向き合い方や解決へのアプローチが自ずと開けてくるものと考えています。