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具体的な声掛けを

以前CoreMoreに通ってくれていた男の子。毎回、質問に答えてもらう時間を設けていました。「今日はどうやって来たの?」と尋ねたときのことです。「う~ん」と考え込んでしまい、黙ったままです。そこで、車、電車、歩き、自転車の4枚の絵カードを提示し、再度尋ねてみました。すると「おうちからママと自転車に乗って・・・自転車を駅に置いて・・・電車に乗って・・・・ここまで歩いてきた」と伝えてくれました。また、お母さんは、子どもが質問にきちんと答えてくれないことに困っていました。幼稚園の様子を尋ねると、毎回「ブロックやった」と答えるそうです。

このお子様以外にも、質問に答えることが苦手なお子様はたくさんいらっしゃいます。理由としては、
① 質問が抽象的で何を答えて良いかわからない:「う~ん、どの場面を言えばいいのかな?」 
② 回答に自信が持てない:「間違えちゃうといやだな」
③ どう答えたらよいか考えがまとまらない:なかなか言語化できない
④ 言葉の意味がわからない(疑問詞がわからない)
   :「だれ」「どこ」「なにを」「いつ」など
⑤ 質問に答えることに興味が持てない:「どうしてそんなこと聞くんだろう~」
などが考えられます。

この男の子の場合は、交通手段や保育園の出来事を聞かれて、どの場面を答えたらよいか悩んでしまったのかもしれません。そのため、黙ってしまったり、最初から最後まですべてを事細かく答えたり、いつも決まった回答をしていたようです。さらに質問に答えること自体に興味があまりない様子も見られました。
支援では、Yes/Noで回答できるものから始め、選択肢を設けたり、なぜ知りたいかを説明するなど、質問に何らかの形で応じる練習をしました。卒業するころには、色々な質問に答えることができるようになりました。しかし、相手の意図をくみ取るのが苦手な様子は継続しています。周囲の人は、質問はできるだけ具体的に回答しやすいように伝える必要があります。

また、園で机に上ってしまう行動を繰り返すお子様がいました。周囲は「危ないから机に上らないよ」と繰り返し伝えていたそうです。本人に「机に上るとどうなるの?」と聞くと「危ない」と答えます。しかし危ないから下に降りるという行動まで繋がりません。この子は、今までの経験の中で机は上ってもよいもの、と誤学習もしているようでした。
そこで、絵カードも使用しながら「危ないから下りる」、「机は勉強したり食事をしたりするもの」としっかりと伝えることで、こうした行動は見られなくなっています。

大人は、子どもに伝えていると考えています。しかし、意外に伝わってないこともあります。何回言ってもわからない、と思う場合は、子どもの理解度を確認し具体的に何をすればよいか伝える必要があります。
(言語聴覚士N)
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