以前、質問になかなか答えられないお子様のお話をさせていただきました。そこで少し専門的な視点から、質問―応答を含む子どもの会話能力の発達について解説したいと思います。
2歳から就学前の子どもの会話能力をみるのに「質問―応答関係検査」という検査があります。次の10個の課題からできています。
① 日常的質問 ②なぞなぞ ③仮定 ④類概念 ⑤語義説明 ⑥理由
⑦ 説明 ⑧系列絵 ⑨物語の説明 ➉文章の聴理解
「質問応答関係検査」では、幼児期の質問―応答関係を含む会話能力の発達を4つの段階でとらえています。子どもの回答から発達段階のどこでつまずいているかを評価できます。それぞれの特徴を説明します。
① 2歳前半の無反応・現前事象の段階
→2歳前半では、質問に対し無反応、いわゆるスルー状態の子供が約半数います。また回答は、その場にいる人や物についての話題(現前事象)に限られます。例えば「おともだちはだあれ?」と聞かれたときに、たまたま隣にいた子を答える、などの行動が見られます。
② 2歳後半~3歳前半の自己経験・連想の段階
→2歳後半から3歳ではおしゃべりは増え、分からない事には「わからない」と伝
えることができます。一方、出来事の一部を不必要に詳しく話すなど話が長くな
り、話題が逸れやすい特徴があります。また「ジュースをこぼしたらどうする?」
と聞かれたら「ママに怒られる」など、自分に引き寄せ、経験の範囲内で答える様子があります。
③ 3歳後半~4歳台の意味ネットワークの段階
→2,3歳台の会話の誤りは減ってきて、ことばに対しことばで答えることができ
るようになります。今ここにない人や物、出来事(非現前事象)についての説明が可能になります。3歳後半になると50%の子どもが「ジュースをこぼしたらどうする?」に「拭く」と答えられるようです。
4歳台の大きな特徴は、話題が逸れなくなることです。一方、物語の説明では、必要な要素をすべて伝えることはまだ難しく、説明不足になることが多いようです。
④ 5~6歳 のメタコミュニケーションの段階
→5歳では、必要な要素を盛り込み詳細に説明できるようになってきます。
6歳台では、聞き手の状態にあわせて、話を要約したり、逆に詳しく説明できるようになります。相手がつまらなそうにしていたら、話題を変えるなどの行動が少しずつできるようになってきます。
言語発達というと、2語文、3語文、名詞、動詞、形容詞など、どれだけ知っているかということばの「量」に注目しがちです。しかし、どのように使っているかことばの「質」を考えることもとても大切です。
一方、言語発達には個人差があり、解説した発達年齢はあくまで目安です。お家では、お子様が今どんな段階にいるのかなと考え、お子様に合わせたやりとりが楽しめると良いと思います。それでも「なかなか質問に答えられないな」「会話がかみあわないな」など不安に思っている保護者の方がいれば、是非一度ご相談ください。
次回は、会話のルールについて解説していきます。(言語聴覚士N)
2歳から就学前の子どもの会話能力をみるのに「質問―応答関係検査」という検査があります。次の10個の課題からできています。
① 日常的質問 ②なぞなぞ ③仮定 ④類概念 ⑤語義説明 ⑥理由
⑦ 説明 ⑧系列絵 ⑨物語の説明 ➉文章の聴理解
「質問応答関係検査」では、幼児期の質問―応答関係を含む会話能力の発達を4つの段階でとらえています。子どもの回答から発達段階のどこでつまずいているかを評価できます。それぞれの特徴を説明します。
① 2歳前半の無反応・現前事象の段階
→2歳前半では、質問に対し無反応、いわゆるスルー状態の子供が約半数います。また回答は、その場にいる人や物についての話題(現前事象)に限られます。例えば「おともだちはだあれ?」と聞かれたときに、たまたま隣にいた子を答える、などの行動が見られます。
② 2歳後半~3歳前半の自己経験・連想の段階
→2歳後半から3歳ではおしゃべりは増え、分からない事には「わからない」と伝
えることができます。一方、出来事の一部を不必要に詳しく話すなど話が長くな
り、話題が逸れやすい特徴があります。また「ジュースをこぼしたらどうする?」
と聞かれたら「ママに怒られる」など、自分に引き寄せ、経験の範囲内で答える様子があります。
③ 3歳後半~4歳台の意味ネットワークの段階
→2,3歳台の会話の誤りは減ってきて、ことばに対しことばで答えることができ
るようになります。今ここにない人や物、出来事(非現前事象)についての説明が可能になります。3歳後半になると50%の子どもが「ジュースをこぼしたらどうする?」に「拭く」と答えられるようです。
4歳台の大きな特徴は、話題が逸れなくなることです。一方、物語の説明では、必要な要素をすべて伝えることはまだ難しく、説明不足になることが多いようです。
④ 5~6歳 のメタコミュニケーションの段階
→5歳では、必要な要素を盛り込み詳細に説明できるようになってきます。
6歳台では、聞き手の状態にあわせて、話を要約したり、逆に詳しく説明できるようになります。相手がつまらなそうにしていたら、話題を変えるなどの行動が少しずつできるようになってきます。
言語発達というと、2語文、3語文、名詞、動詞、形容詞など、どれだけ知っているかということばの「量」に注目しがちです。しかし、どのように使っているかことばの「質」を考えることもとても大切です。
一方、言語発達には個人差があり、解説した発達年齢はあくまで目安です。お家では、お子様が今どんな段階にいるのかなと考え、お子様に合わせたやりとりが楽しめると良いと思います。それでも「なかなか質問に答えられないな」「会話がかみあわないな」など不安に思っている保護者の方がいれば、是非一度ご相談ください。
次回は、会話のルールについて解説していきます。(言語聴覚士N)