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会話のルール

前回お話した会話の能力の続きです。会話をするときのルールとそれらの獲得年齢の目安について説明していきます。

会話のルールとして、イギリスの哲学者・言語学者のグライスは、「協調の原理」をあげました。「協調の原理」とは、会話は当たり前のことですが、お互いの協力があって初めて成り立つということです。さらにグライスは、「協調の原理」には、
「嘘をつかない(質の公準)」
「話題に沿った話をする(関連性の公準)」
「長すぎず短すぎず話す(量の公準)」
「簡潔に順序立てて話す(様態の公準)」 の4つの下位原則があるとしています。

会話には、大前提として「会話の継続性」があります。たとえば2歳前半では、質問されて答えがわからなくても無反応が多く(「わからない」と伝えられず)、会話が成立しません。これは、話しかけられたら何か答えなければならないという、「会話の継続性」のルールがまだ習得できていないことを意味します。

子どもは、2歳後半ぐらいになると、わからないことに対しては「わからない」と言うことができるようになります。「わからない」という本当のことを言い、嘘はつけないという(質の公準)を獲得します。また、3歳台になると内容に自信がないことは「~かもしれない」など断定しない表現ができるようになります。その一方、3歳台前半には、話題がすぐに逸れる傾向が見られます。しかし、4歳台には、こうした傾向はなくなってきます。その場の話題や文脈に関係することだけを話すこと(関連性の公準)を習得できるためです。

5歳台では、必要な構成要素について触れながら全体的に詳細に話すことができるようになります。しかし相手に必要な情報を過不足なくまとめて伝えることはまだ不十分です。6歳台には、要約して話すことが出来始め、適切な量を話すという(量の公準)を獲得します。また、「わからない」というだけでなく、「〇〇ってどういう意味?」など質問ができるようになり、会話が深まってきます。この時期は、相手とのやりとりをモニタリングできるようになり、例えば相手がつまらなそうな様子であれば話題を変えるなどの行動がとれるようになってきます。

質問されて答えが「わからない」という同じ状況でも、年齢によって反応は大きく変わってきます。説明した年齢は個人差がありあくまで目安ですが、お子様と会話をしていて何か気になることがあれば、CoreMoreに一度相談にいらしてみてください。お子様が今どのような発達段階にあるのか、また、大人はどう対応したら良いか、一緒に考えていきましょう。
(言語聴覚士N)
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