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発音が不明瞭・・・

年長さんの男の子。「発音が赤ちゃんぽくって・・・。言い間違いも多いんです」とお母さんに連れられてきました。確かに全体に聞き取りにくく、「テレビ」が「テビレ」になったり、「パソコン」が「パソトン」や「パコソン」になったり言い間違いも気になります。「とうもろこし」のことは、「とんぼろし」と言うそうです。

発音が不明瞭という訴えの原因として考えられることの1つに、構音障害があります。細かく分類すると、口唇口蓋裂や舌小帯短縮など口の中の作りに原因がある器質性構音障害、麻痺や神経の障害による運動障害性構音障害、また耳の聞こえの問題からくる発話不明瞭があります。そのため、発音の問題で来所される保護者には、必ず耳の検査をしているかどうか伺います。難聴には、軽度のものや特定の高さの音が聞きにくいなどわかりづらいものがあるからです。

また、耳の聞こえや発音に必要な器官(唇や舌)に異常がないにもかかわらず、発音が不明瞭な場合は、機能性(=原因が見当たらないという意味)構音障害といいます。唇や舌の動かし方が定着しておらず、独特の癖が習慣化してしまった状態です。発音の器官の運動機能の未熟さや、音を弁別(聞き分け)する力の不十分さがあります。また、例えば大人が赤ちゃん言葉を使っているなどの言語環境で、真似していることもあります。大人は赤ちゃん言葉ではなく、正しいお手本を聞かせてあげる必要があります。

さて、構音障害の練習を始めるにあたっては、以下のような条件があります。
① 指示に従って模倣動作などができるようになる=言語発達の年齢が4歳以上である
② 自然な改善が見込めない(発達途上によくある誤りではない)
③ その音を獲得すべき年齢をすぎている(獲得の目安は、母音3歳ごろ カ行タ行4歳ごろ サ行ラ行5歳ごろ。個人差も大きく6歳後半でも1割の子どもは言えない)
④ 困っていて、直したいという気持ちがある(口腔器官を動かすことが苦手な子どもにとって、練習は難しく根気がいる作業であるため本人のモチベーションが大切です)

また日常生活での注意点として、発音の誤りを指摘したり、訂正させたりせず、大人が「わかった。〇〇だね」と正しい発音を聞かせてあげることが大切です。

最初に紹介した年長の男の子。構音検査をすると、単音(1つの音)では発音の誤りはありません。単語や文章で、特定の音を間違えるという様子もありません。それでも、長い言葉になると言い間違えが多くなり、全体として不明瞭さが目立ちます。この男の子の場合は、音の作り方(=構音)より、音の数を間違えたり、音の並べ替えが難しいようです。

さて次回は、このお子様が苦手としていた音韻(音を頭の中で正しく聞き分ける力や音を並び替える力)についてお話しします。(言語聴覚士N)
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