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お子様の絵の発達

教室の毎日
神戸元町教室では、プログラムの一環として『おえかき』に取り組むことがよくあります。
絵を描くという行為はとても奥深く、たくさんのスキルを育てる効果があります。
微細運動、形や色の概念理解、手と目の協応、想像力、表現力、記憶力、再現力などなど。
上げだすとキリがないほどです。

お子様の描く絵については、心配して相談される保護者の方が結構いらっしゃいます。
「いつまでも殴り書きをしています」
「こちらから描いて欲しいものを言わないと、なにを描いていいか分からないみたいで・・・」
「うちの子似顔絵が描けないんです」
「なにを描いているか分かるぐらいになってほしい」
「園で同じクラスの子たちはもっと上手に描けるんです」
下手より上手がいい・・・。
他の子と比べてしまう・・・。
それは、親として当たり前の願望だと思います。
しかし、必要以上に求めてしまうと、親も子も疲れてしまいますよね。
一旦深呼吸をして、まず、お子様の絵の発達段階を知るところから始めましょう。

幼児期の描く絵の段階は以下の通りです。
①擦画期(1~2歳)
・・・こすりつけて描く、手の動き・感触自体が楽しい時期。この行為は子どもにとってとても大切な、意味のあることです。
②錯画期(2~3歳)
・・・『なぐりがき』と言われる時期で、目と手の協応を確立させていきます。一見、無秩序に見えて、子どもたちはしっかりした意思をもって色んな線を描いています。ここから次第に色んな形を描くことが出来るようになります。
③象徴期(3~4歳)
・・・描いたものに自分の知っているものの名前を付けだします。描こうと思って描いているのではなく、描いた線からものの形を見立てているのです。
④カタログ期(4~5歳)
・・・自分の知っている形を描けるようになってきます。関係性なく描きたいものをカタログのように描き並べていきます。
⑤図式前後(5~6歳)
・・・描く絵に色・形・空間、それぞれの概念が形成されていきます。ものとものとの関連付けも出来てきます。この時期は自分を中心にしてものの関係を理解し描いているのです。
⑥図式後期(7歳以上)
・・・この時期は遠近や物と物との重なり、より立体的な表現が可能になってきます。
★描く形の概念
 〇(丸:2歳)➡ 十(十字:3歳)➡ ▢(四角:4歳)➡ △(三角:5歳)

このような順で、幼児期の子どものおえかきは発達します。
絵は、この発達順を飛ばして描くことは出来ません。
そのため年齢ではなく、お子様の描く絵の発達段階を考慮して見てあげてください。

教室では、発達による絵の変化に関する知識も参考にしながら、描いた絵を肯定し、描くことに自信をつけていけるような関わりを行っています。
例えば、まだ概念が備わっていないお子様に白紙の紙を渡して
「自由に描いてみて」「好きに描いていいよ」
という言葉はとても難しい指示となります。
なにを描いていいか分からず困ってしまうのです。
まずは、大人が描くきっかけやテーマを与えてあげることが必要です。
その時、描きかたや描くものを指定しすぎないように注意します。
子どもが思うままに描かせてあげ、その絵にこちらが興味を持って共感してあげることが大切なのです。

プログラムでは模倣で線や形、職員が描くのを見せてから真似して描いてもらう模写をしてみたり、
点繋ぎや欠所補充といった足りない部分の書き足しをしてみたりして、
形や線と物のイメージを関連付けることからやってみます。
そこから、お題を与えてみたり、自分の好きなものを描いてもらったりして、イメージしながら描くことにつなげていきます。
上手に描けなくても、楽しく描くという行為自体を必ず強化してあげます。

お子様1人ひとり、それぞれ描くものもレベルも違います。
でも、それでいいのです。
教室では、これからも描く(表現する)楽しさを感じ、自分から「これが描きたい!」と欲求があふれてくるような取り組みをしていきます。





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