リフライズ代表の山口です。
最近お米の価格が高く気を揉んでいるご家庭も多いと思います。
少しでも買いやすい価格になればありがたいのですが…
今日はそのお米を例にお話ししようと思います。
(お米が安く買える話ではありません。すいません。)
これは私がリフライズを始めた頃、ある講師の方から聞いた言葉です。
とてもシンプルだけど、今も支援を考えるときの大事な軸になっています。
🍚 おひつにこびりついたお米
毎日の暮らしの中で、おひつやお茶碗にお米がこびりついてしまうことがありますよね。
時間が経つと、固く乾いてなかなか取れません。
子どもたちも同じです。
・失敗した経験
・「できないかも」と感じた気持ち
・人との関わりでつらかった思い
こうしたことが心に積もり、だんだん固くなってしまうことがあります。
私はこの固くなったお米を「子どもたちが抱えている難しさや不安」に例えています。
💧 まずは水をたっぷり注ぐ
そんなお米を落とすには、いきなりゴシゴシこすってもうまくいきません。
まずはたっぷりの水に浸して、ゆっくりやわらかくなるのを待つことが必要です。
すぐに「できるようにする」「変える」ことを目指す前に、
・安心できること
・楽しい気持ちを増やすこと
・「ここにいていいんだ」と思えること
そういう時間をたくさん持つことが大切です。
この「水」が、リフライズのスタッフや支援だと思っています。
私たちは、まず十分な安心感と関わりの量を注ぐことを一番に考えています。
♨️ お湯があればいいけれど
「もっと早く成長させてあげたい」
「できることを増やしてあげたい」
そう思うお気持ちは、親として当たり前のことだと思います。
できることなら、最初から温かいお湯で一気にふやかせたらいい。
この「お湯」は、たとえば専門性の高い支援や、より深い学びの機会のことを指しています。
でも現実は、
・心を開くまで時間がかかる
・安心できるまで時間がかかる
・自信が育つまで時間がかかる
そんなことがほとんどです。
だから、焦らなくて大丈夫です。
🧼 ときには洗剤が必要なときも
それでもなかなか落ちない汚れもあります。
長い間のつらい体験や、深い自己否定感、何度も繰り返してきた苦しい経験。
そういうものは、ただ安心や楽しいだけでは溶けないこともあります。
このときに必要なのが「洗剤」です。
洗剤は、専門的な支援や医療、カウンセリングなど、より専門性の高い手立てのことを指しています。
「洗剤が必要になるのは特別なこと」と思う必要はありません。
長い時間をかけて固くなった汚れには、誰でも一人では落とせないことがあります。
だから、「もっとがんばらないと」「うちの子だけ…」とご家族が思い詰める必要は全くありません。
どの洗剤を使うか、一緒に相談しながら決めていけば大丈夫です。
🌱 保護者の皆さんへ
「うちの子は時間がかかっているかもしれない」
「このままでいいのかな」
「もっと支援が必要なのかな」
いろんな不安を感じることがあると思います。
でも、まずはたっぷりの水を注ぐ時間が必要です。
その水は、安心や「楽しいね」という気持ち、好きなことに夢中になる体験です。
それが少しずつお湯に変わっていき、こびりついたものをやわらかくしていきます。
リフライズは、そうやって
「少しずつ心がふやけて、動き出すお手伝いをする場所」
でありたいと思っています。
たっぷりの水を注ぐことも、そっとお湯を足すこともできる場所です。
時には冷たくなる日があっても、また一緒に温めていける。
そんなふうに、子どもたちが安心して浸かっていられる居場所を、これからも作っていきたいと思います。
焦らず、一緒にゆっくり進んでいけたら嬉しいです。
こびりついたお米をふやかす支援のお話
代表のひとりごと
25/07/04 18:08
