こんにちは。放課後等デイサービスFORTUNAです。
突然ですが、「目と手の協応」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
人は情報の80%を視覚的な情報から得ていると言います。
そのうえで周囲の状況を把握し、自分の行動を決め、適切に環境に働きかけることで生きています。
この、見て、その情報ともとに正しく手を動かす、という2つの動作の協応を、「目と手の協応」と言います。
例えば、水道で手を洗おうとするとき、まず目で見て、水道の蛇口との距離を測り、正しい位置に手を伸ばして、蛇口をひねって水を出します。水が出すぎていることに気づけば、目で見て水の量を把握しながら、ゆっくり手首をつかって蛇口を閉めていきます。
見る→状況を理解する→その状況に変化を加えるために手を動かす、ということを日常の中で私たちは、何度も何度も必要としています。
一方、こういったことが苦手なお子さんがいます。目で見る、手を動かすという2つの情報処理を、脳の中でスムーズにできず、ひとつひとつ確認しながらゆっくりになったり、2つの処理がスムーズにいかずにぎこちなくなったり、といったことで困っていることがあります。日常の中では、人より行動が遅い、字がうまく書けない、板書がスムーズにできない、運動(特に球技など)が極端に苦手、よく転ぶ、人にぶつかる、身の回りのことがうまくできない、などの困りごととして現れ、こういったことが続くと自信や意欲を失うことにつながります。
こういったことのいくつかは、トレーニングで改善することが報告されています!
そして、とても大切なコツは微細運動の前に粗大運動を安定させることです。
微細運動というのは、主に腕や手先を使った細かい動作のこと。字を書く、ハサミで切る、お箸を使う、などの行動はこの微細運動にあたります。こういった困りごとには、ついつい直接その運動の練習をしがちです(お箸が苦手→お箸の練習、字を書くのが苦手→字の練習、など)。もちろんそれはそれで大切なのですが、一方で、微細運動の発達は、安定した粗大運動の発達の上に成り立っています。子どもの運動発達は、一般的に粗大運動から微細運動へという順序で進んでいくからです。
微細運動の苦手さの陰に、粗大運動の苦手さが隠れていることが少なくありません。
なのでフォルトゥナでは、身体を大いに動かす運動プログラムを大切にしているのです。
本日は、そんな「目と手の協応」の練習になるプログラムを複数行いました。
最初はコロコロ色分けキャッチ。
転がってきたボールをコーンでキャッチし、ボールの色ごとに、別々のカゴに仕分けていきます。時々、どちらの色でもないボールが転がってきたときには、外に弾きます。
転がるボールの色を見て、素早く判断し、その判断に基づいて手を動かす、という練習です。
次に行ったのは、ビニールテープ風船です。
球技の苦手なお子さんにおすすめのプログラムで、例えばキャッチボールの苦手なお子さんなど、ボールの速さではうまく対応できない場合、風船だとゆっくりした動きの中で練習ができます。一方、ただの風船のままでは動きがゆっくり過ぎて、今度は簡単になりすぎてしまいます。そこで、風船にビニールテープを巻くと、風船よりも少し動きが速く、ボールよりもゆっくり、という練習にピッタリな状態になります!
この風船で10回トスをし、成功したらもう一枚テープを巻いていく、という形で難易度を上げていき、楽しみました。
あきらめずに挑戦し、全員成功できました。
最後は、風船タッチ。
職員が5色の風船を一気に投げると同時に色を3つ指示します。子どもは指示された順番通りに風船にタッチします。(他の風船には触れてはいけません…!)
視界に広がった5つの風船の中から、指示のあった風船を見分け、そこに向けてどう身体と手を動かしてタッチしていくか、という判断の早さが求められます。
投げる直前に色を3つ言います。(例えば「あか、ピンク、青!」など。)
指示された色を覚えて、視界の中からその色の風船を探し出し、素早くタッチ!!
これも、程よい難易度で、ぎりぎり全員成功!!
楽しみながら、「目と手の協応」の練習をしました。
次回のブログもぜひご覧ください。
都筑区放課後等デイサービスFORTUNA「療育の様子」
教室の毎日
24/08/23 17:00