こんにちは。都筑区放課後等デイサービスFORTUNAの公認心理師のK・Kです。4回目となる今回は、6歳児の定型発達の「認知の発達」についてお話したいと思います。また、定型発達はあくまで目安であり、全ての6歳児が定型発達の特徴を持つとは限らないことはご了承下さい。
【認知の発達】
子どもの認知発達理論を確立したピアジェによれば、6歳は前操作期から具体的操作期への移行期にあります。前操作期では、他者視点の理解が難しく世界は自分を中心に回っているように感じており、無生物にも命があるように感じたり、物の量や数は見た目が変わると変化したと誤解したりします。具体的操作期では、世界は自分中心ではないと気づき初め、見た目が変わっても量や数が同じであることが理解でき、頭の中でイメージを操作する能力を獲得し、実際に積み木を別々の山に分類しなくても、心の中で分けることができるようになります。言葉を読み解くことができるようになるのも、この具体的操作期です。6歳児はお礼を言うなどのルールを学び、それに従って行動する能力も身につけます。これは単に覚えるだけでなく、推論能力によって、特定のルールに従うべき状況を判断できるようになってくるのです。この移行期には、子どもは盛んに言語を獲得しますが、象徴遊びを用いて日常での体験を表現することが多いです。6歳児は自分の右手と左手の区別がつくようになりますが、他人の右手と左手を区別することはまだ難しいかもしれません(Wood, 2007)。また、自分達でゲームやルールを思いつくこともできるようになっていきます。
6歳は知的にも大きな変化が生じ、質問することが好きで「なぜ?」と延々と尋ねてくることがあります。発見から学んでいくため、新しい冒険や体験を求めています。一方、時間割や日課に安心を感じるため、予定がずれたりすると不安に感じることもあります。集中力は20~30分間維持することができ、構造化された活動を好みます。創造性が豊かで、本を読んだり見たり、お絵描きや工作など芸術的な活動を楽しみます。彼らは出来上がったものの良し悪しよりも、それを作るプロセスに興味を持ちます。一般的に6歳児は時計を読むことはできませんが、以前よりも優れた時間間隔を持っています。
知的な発達に伴い、難しい課題を好むようにもなります。周囲の環境により気づくようになり、物事の仕組みに興味を持つようになります。仲間の中で1番になることに強い関心を見せることもあります。自分のスキルや能力が、他者からどのように評価されるかをより意識するようになっていきます(Davies, 2011)。
次回は、6歳児の「自我の発達」についてお伝えいたします。
都筑区放デイFORTUNA 「6歳児の発達心理学」④
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25/06/25 13:13