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発達でこぼこのお子様の『マイルール』と付き合い方

TOTOFULLからのおはなし
発達でこぼこのお子様は、強いこだわりを持っている子が多いです。

〇〇しなきゃいけない、やらないと気が済まないとお子様なりの変えられないこだわりを持っていたり、こだわりが目立たないお子様の場合でもマイルールが障害となって困っている事もあります。

☆なぜ発達障害の子はこだわりが強くなるの?

なぜ発達でこぼこのお子様は強いこだわりをもっているのでしょうか?

発達障害ASDの子は先の見通しが立たないことが苦手です。 この先何が起こるかが分からないことで不安になってしまうのです。

逆に返すと毎日繰り返される当たり前のこと、ルーティンだと安心できるということになります。なので、普段の自分の当たり前をくずさないようにすることにこだわりを持ってしまうのです。

また、失敗することも発達障害の子にとっては大きな不安の1つです。

○○して失敗したらどうしよう、うまくいかなかったらどうしようと先に心配するあまり、挑戦しない方法をとるのです。ルーティンをこなす事には安心して行動することはできますが、ちょっとした変化に違和感をもってしまうのです。

これをやらなきゃいけない!という思いが強すぎてしまうと、そのことにとらわれてしまい日常生活に障害となることも心配です。

「こだわり」「マイルール」にどのように対応していけばよいのでしょうか?

☆青色が好き

2歳児、自閉症スペクトラムのYくん。入園するまで家で過ごし、「〇〇はYちゃん嫌がるから」「Yちゃんお母さんじゃないとダメで・・・」と聞いている限り、こだわりも強く、園での生活も心配でした。

いざ、おやつの時間。椅子には座れないと聞いていましたが、食べ物があるとわかった瞬間、椅子に座る事が出来ました。おやつを家で口にしたことがない為、まったく食べず走り出しましたが・・・

経験不足もあるだろうと思い、園での生活の中でいろいろな事を身につけて行ってくれました。

ふとYくんの遊ぶ姿を観察していると・・・「青色」のブロックばかり集めて、青色の表紙の絵本を眺めているのです!これは、いろんな事を試すときに好きな色があると取り掛かりやすいかもしれない!と思い保護者の方にも伝えました。

次の日から、Yくんのコーディネートは青一色・・・。お母さんは好きだからと取り入れてくれたのでしょう。しかし、私たちやお母さんが思っている程Y君は「青色」にこだわりを持っているわけではなく、ただ好きな色だったのかもしれません・・・

その他、行動一つ一つもよく考えると絶対にしないといけないわけではなく、以外とちょっとの変更なら少しぐずる程度で難なく過ごせていたのです。

こわだりを受け入れすぎて、Yくんの強いこだわりやマイルールにしてしまっていたのは、周りの大人だったのかもしれません。

その後、Yくん。「これは嫌」とこだわる部分もありますが、ある程度の事は経験を経て出来るようになりました。もちろん青へのこだわりはありません。

☆10秒ルール

3歳児、Tくん。Tくんは水が大好きで、触り始めると時間を忘れてしまいます。

3時のおやつの後のうがいの時間があります。部屋から廊下を挟んで目の前にある水道なので、目は届くのですが、声をかけずにおいておくと帰ってきません。もちろん声をかけたからと言っても「Tちゃん帰るから」「後でいくから」と簡単には帰ってきません。

おやつ後は帰りの用意をして、歌を歌って自由遊びの時間になります。起きるのも遅かった為、すべてがずれ込んでいたTくん。自由遊びが始まる頃にやっと帰ってきました。(あえて一度そのまま声をかけずにいました)

「Tちゃんが使いたかったのに~!!!!!」

遅くなった事で、自由遊びで遊びたかったブロックをお友だちが先に使っている姿を見て怒り出しました。

「だってTちゃん今、何してたん?」

「あのね・・・あのね・・・お水してた・・・」

「おもちゃで遊べなくて嫌やったん?」

「うん」

「じゃあ、先生が10よ!っていったらその間に帰って来れる?」

その次の日からTくんは10数え始めるとぱっと切り替えられるようになりました。そしていつの間にか数ではなく、声かけで帰れるようになっていきました。(自分の中の10秒になったのかもしれません)

しかし、その様子を知らない別の先生が5秒で部屋の扉を閉めてしまったのです。そこでTくんの中のルールが壊されてしまい、怒って体中を叩いていました。

私とTくんの中で成立しているTくんのルーティンも、他の人にはわからないので、今後困る事も増えてしまうなと感じました。

お話は上手なTくんだったので、「10数えたら帰る」等相手に伝える事を知らせました。うがい以外の事も言葉で伝える事をしっかり知らせていくことで、こういった場面も少し減らせるようになりました。

☆こだわりやマイルールとの付き合い方

私が経験したお子様たちのこだわりはそこまで強いものではありませんでしたが、このような経験から「こだわり」「マイルール」があるからとそこに周りの大人がこだわりすぎる事がよくないのかもしれません。出来る日もあれば、出来ない日もある・・・それぐらいでいいのかもしれません。

いつも通りじゃなくて、怒ってひっくり帰って癇癪を起こす・・・そんな事もあると思いますが、お子様が大きくなっていくにつれて、こだわりも薄れ、別のものへと変化もしていくので、少しずつ変化をつけてあげることが大切だと思います。

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