皆さんいかがお過ごしでしょうか。
フォレストキッズ八事教室代表の森です。
台風7号が日本列島を直撃し、せっかくのお盆の予定が台無しになってしまいました。
さて、今日は先日、障害のある子供を持つ保護者が集まるアイステップ名古屋が主催する、腸内フローラと自閉症との関係に関するセミナーに参加してきましたので、そのご報告をさせていただきます。
名古屋市名東区の木村病院にて、腸内フローラ移植研究会評議員の田中様から、自閉症に特にみられる共通した腸内フローラの特徴や、健常児の腸内フローラとの違いを分かりやすく教えて頂きました。
自閉傾向のある方は、偏食が強く特に小麦のような精製された糖質をたくさん摂取しているケースがあり、余計に腸内フローラの環境が悪くなりやすいとのことです。
最新の腸内フローラに関する論文の多くは、もともと自閉傾向がある為腸内環境が悪くなるのではなく、何らかの原因で腸内細菌の環境が悪いことで自閉傾向になると指摘しているそうです。
言い換えれば、腸内細菌の環境を整えれば、自閉傾向の特性が抑えられるとのことです。腸内細菌の環境を整える為には、「まごわやさしい」(ま=豆類・ご=ごま・わ=わかめ・や=やさい・さ=魚・し=しいたけ・い=いも)とよく言われるように、昔の日本人の食文化に倣うことが大切だとのことです。
しかし、ここで大きな問題があります。自閉症の子供をもつ親として、すんなりとこれらの食材を用意して食べてくれるかということです。おそらく偏食のお子様の立場として、これらの食事を食べさせられることはとても大きな苦痛でしかありません。親としても、せっかく用意しても食べてくれなければ心が折れてしまいます。周囲からは料理の仕方が悪いだの言われてダブルパンチでやる気を無くしてしまいます。親の努力だけでは解決できないことがあります。
そこで、腸内フローラを改善するため、食事ではなく最新の医療技術により健常な腸内細菌を自閉症のある方へ移植してしまおうということです。
アメリカでは2017年からアリゾナ大学で臨床研究が始まり、多くの研究の成果が出始めているとのことです。従来のこのような腸内細菌の移植においては、抗菌薬をたくさん使うことが必要で体にも負担が大きかったそうですが、最新の医療技術では抗菌薬を使わず負担なく安全に行えるようになったそうです。
実際に今年の4月に移植を行った保護者の方の声によると、もともとひどい便秘に悩んでいたそうですが、移植後には便秘が改善され、便秘が原因で起こっていたであろう癇癪がなくなったそうです。このことだけでも受けてよかったとのことですが、移植後の腸内フローラの改善により、自閉傾向の特性が今後改善してくれるのではと、これからの変化に期待しているとのことでした。
しかし、デメリットもあり、最新の医療技術であるため、保険診療の適用がなく自由診療のため、医療費がかなり高額になってしまうことと、個人的な意見ですが、安全とは言われていますが、始まったばかりの医療技術であり、多くの臨床経験がないため未知の副作用へのリスクがあるかもしれないと思っています。
このようなデメリットを踏まえてご興味のある方は、リンクを貼っておきますので、お問い合わせ頂き、専門家によりさらに詳しいご説明を受けられるとよいと思います。
自閉症の子供をもつ親として感じるのは、僅かな可能性があるのならば藁にも縋る思いでいらっしゃる保護者の方がみえるのではと思います。私自身もそうです。その保護者の気持ちを踏まえて、少しでもお役立ちできる情報があれば積極的に行動し、自分自身も勉強して情報提供をさせていただければと思います。
腸内フローラ移植臨床研究会
https://fmt-japan.org/
また、フォレストキッズ八事教室では、グループ内に栄養指導を行える専門家が在籍しており、食事からの改善指導を行っております。もし、偏食や便秘などでお困りごとを抱える保護者様がお見えでしたら、お気軽にお問合せ下さいませ。
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「自閉スペクトラム症と腸内細菌の深い関係」について
研修会・講演会
23/08/15 15:33
