公立中学校の特別支援級の担任をしていた時のこと、私の担当は中1女子2人で知的障がいのあるお子さんだった。ホームルームはもうひとクラスと合同で行っていた。もうひとクラスの担任は特別支援級を長年担当されているベテラン教師だった。生徒は中3女子と中2女子でふたりとも知的障がいのあるお子さんだった。
理由は忘れてしまったが清掃中に中2女子のお子さんの付き添いで廊下に出たことがあった。付き添っていた途中でトイレに間に合わず人が行きかう廊下で中2の生徒は失禁してしまった。私のクラスの子たちは身辺自立していたのでトイレ介助はしたことがなかった。このお子さんはトイレに間に合わないことも多くオムツを使用していたお子さんだった。
その日はオムツではないときでトイレが間に合わず廊下で失禁してしまった。その生徒はぼーっと立ち尽くしていた。
私はその時までトイレ介助などしたことがなかったが、人が大勢いる廊下だったので他の生徒に見られてはいじめの対象になると思い、雑巾をすぐに持ってきてグローブもつけずに夢中で後始末をした。幸い他の生徒には気づかれることなく事なきを得たが、近くにいた中1担任の若手の男性教師は見て見ぬふりをして生徒に声をかけることもなく、私のサポートをするわけでもなくその場を去っていった。
中2女子の保護者は教育ママでとにかく勉強をさせるよう学校に要求していた。「優先すべきは身辺自立ですよね」と私はベテラン教師に問いかけた。「教育に対する考えは私たちの考えだけでは進められない」と私に答えた。たしかにそうだ。こちらを優先して支援しましょうとこちらが一方的に言ったところで保護者の方や本人が望んでいることとは限らない。身勝手な正義に突っ走ってはいけないことを思い知らされた。
本人が望むことを軸に保護者の方の思いをしっかり汲んで支援ができているか。私はいつも自問自答しています。対面でお話できる方は様子を伺って、お会いできない方は何かの時にお話しを伺うようにしているのはそのためです。自分の思い上がりではないか、保護者の方が我慢していたり不安に思われていることはないか、支援者は敏感なセンサーを張り巡らせておかなければ良質な支援ができないと考えます。
私の人の気持ちを察知しすぎる、今まで生きづらい辛いと思っていた感性がいまお役立て頂けると感じています。
そんな私も理解頂いて支援内容に共感頂いている方々に随所にお伝えしているのは、「当事業所の運営にご理解ご協力頂いてありがとうございます」です。ご理解ご協力なくして運営は成り立ちません。
当時の中2のお子さんのおかげで私の大切な気づきとなりました。今は26歳になるけれど元気かな。
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2024年2月オープン
児童発達支援・放課後等デイサービス
アンフィニ
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アンフィニでは1週間を通した活動になります。
工作や運動、学習などを活動に取り入れています。
教師による「オーダーメイドの療育」
日々変化する利用者様のコンディションを見極め、「個性をのばす」「個性を活かす」活動を行って参ります。
就学に向けて自分でできることをひとつひとつ増やして参りませんか。
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「優先すべきは」児発・放デイ アンフィニ
教室の毎日
24/05/28 07:05