こんにちは。理学療法士の伊藤です。
スタッフから質問があったので書いてみます。
目の前の物が取れないのは何故ですか?
筋肉が弱いから手を伸ばせないんですか?
そうですね。筋肉が弱いことが原因の可能性もあり得ます。
”物を取る”という一見単純な動作に見えますが、分解するとたくさんの段階があったりします。
例えば「ボールを取って」と声をかけられたとします。
まず認識の面。
耳で言葉が聞こえたのか。聞こえていたら「ボール」という名詞を理解できたか。
はたまた「取って」という言葉や行動が理解できたか。
目でボールが見えていますか?色や形の認識はできていますか?
次は動作の面。
手を伸ばせる筋力はありますか?
肩や肘、手首や指は伸ばせますか?
座って取れる位置にあるのか立って取るのか歩いて取るのかによっても変わります。
前かがみになれるのか前かがみから戻れるかによっても変わってきます。
書くとまだまだ出てくるのでこの辺で。
「ボールを取る」という1つの動作に感じますが、分解するとたくさんのことを人は行っています。
人間ってすごいですよね。
同じ動作を反復して練習することも大切ですが、何か1つのことができないのか複数のことができないのかを見つけてあげることがより重要になります。
”ボールは丸い”は共通認識かと思いますが、ラグビーボールなんかは丸くないですよね。ボールといってもたくさん種類があります。その子にとって目の前のボールがボールじゃないかもしれない。一見当たり前のようで当たり前じゃない。そんな世界が広がっているのかもしれませんね。
ボールを取って。
教室の毎日
24/07/18 10:01