こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「緑を基調とした暗室について」です。
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちの中には、感覚過敏や感覚鈍麻といった特徴を持つことが多く、環境からの視覚や聴覚などの刺激に対して敏感な子どもたちがいます。また、この特性により、日常生活の中で過剰な刺激を受け、不安やストレスが増大し、集中力が低下することがあります。こうした感覚特性に対して、ランプでは、緑を基調とした暗室を設けることで、子どもたちが安心して過ごせる環境を提供しています。
2016年に京都大学で行われた研究では、ASDの子どもたちが緑色や茶色を好む傾向があることが明らかにされています。この研究によると、ASDの子どもたちは、黄色のような明るい色よりも、緑色や茶色といった自然に近い色を好むとされています。これは、ASDの子どもたちが感覚過敏によって特定の色を過剰な刺激として感じるためであり、逆に穏やかな緑色が安心感をもたらすと考えられています。
ランプでは、こうした研究結果を踏まえ、緑を基調とした暗室を用意することで、子どもたちが外部からの過剰な刺激を受けることなく、安心して自己調整ができる環境を提供しています。この暗室は、視覚的な刺激を統制することで、子どもたちがリラックスしやすくなり、集中力や情緒の安定を図ることができます。また、緑色は自然を連想させ、心を落ち着かせる効果があるため、ASDの子どもたちにとって特に適した色となっています。
このように、ランプでは、個々の子どもたちの感覚特性に合わせた療育環境の整備を進めています。緑を基調とした暗室は、その一環として、ASD傾向の子どもたちが安心して過ごせる場所として重要な役割を果たし得ると考えられ、実際に好んで暗室にアクセスする子どもたちも複数人いらっしゃいます。今後も、子どもたち一人ひとりのニーズに合わせた支援を大切にし、最適な環境を提供してまいります。
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第35回「緑を基調とした暗室について」
支援の背景
24/08/30 21:04