こんばんわ「ひとつぼし」です。
「お友達の輪になかなか入れない」「話しかけられても固まってしまう…」
そんなお子さんの姿に、もどかしさや不安を感じていませんか?
今日のブログは、人との関わりが少し苦手だった男の子が、「ひとつぼし」の安心できる環境の中で心を開き、勇気を出して「いいよ」とおもちゃを貸してあげられた話をご紹介します。
お子さんが自信を持って“はじめの一歩”を踏み出すために、私たち発達支援の現場がどのような関わりを大切にしているのか、その具体的な場面がわかります。ちょっと長い文章になりますが読んでいただけると嬉しいです。
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「こんにちは」と言う代わりに、そっと視線をそらして部屋に入ってくるBくん。
まだ通い始めて10日ほどの、少し人とのやりとりが苦手な男の子です。
最初の頃は、お母さんと離れるだけでも大きなチャレンジだったと思います。スタッフが話しかけても、うつむいたまま、かすかにうなずくだけ。でも、その小さな反応がとても大切で、「ここにいても大丈夫かも」と、少しずつ安心し始めているサインとして受けとめていました。
発達支援の現場では、こうした“反応の芽”を見逃さず、子ども一人ひとりのタイミングを大切にしています。無理に声を出させようとしたり、お友だちとの関わりを強要したりすることはありません。まずは安心できる環境と関係づくりを通して、「ここは安全な場所だ」「自分を出してもいい」と感じてもらうことが第一歩です。
そんなBくんに、ある日ちいさな変化が見えました。
この日は、自由あそびの時間。
車のおもちゃが人気で、Bくんも静かに車を並べて遊んでいました。赤い車をゆっくり走らせては戻す、その繰り返し。特別な会話はなくても、少しずつ「自分のやり方」で遊びに集中できるようになってきたな、と私たちも感じていた矢先のことです。
そこへ、同じ年ごろの男の子がやってきて、「それ、か~して?」と話しかけました。
私は一瞬、「どうするかな…びっくりしないかな」と思いながら、Bくんの表情を見守りました。
すると、Bくんは相手の顔をちらっと見て、少し間を置いてから、小さな声で「いいよ」と答えたんです。
それだけじゃなく、自分の手で車を差し出して渡していました。
たった一言かもしれません。でも、その一言がどれだけの気持ちの積み重ねのうえに出たものか、支援者としてはよくわかります。言葉でのやりとりが苦手な子にとっては、こうした応答ひとつにも、たくさんのエネルギーと勇気が必要なんです。
この「いいよ」というやりとりの中には、相手の言葉を理解し、自分の気持ちを整理して、言葉にして返すという、いくつもの認知的・社会的プロセスが含まれています。私たちの支援では、こうした“相互やりとり”が自然と引き出される場面を、あえて構造化しすぎず、でも丁寧に見守って育てていきます。
この日のBくんの姿は、そのプロセスの中でのひとつの到達点でした。
保護者の方からはよく、「お友だちとうまく関われなくて…」「外だと人と話すのがとても苦手で…」というご相談をいただきます。でも、安心できる場で自分のペースを大切にされると、子どもたちは本当に少しずつ、自分から“関わってみようかな”と思えるようになります。
この日はBくんにとって、「自分から声を返す」「おもちゃを共有する」という2つの“はじめて”が重なった日でした。
その子にとってちょうどいい距離感で、ちょうどいい関わりを。
わたしたち支援者は、日々のささいな場面からその子の「やりたい」や「できた」を丁寧に拾いながら、小さな成功体験を積み重ねています。
もし、お子さんのコミュニケーションや対人面にご不安があれば、まずは見学だけでもお気軽にお越しくださいね。施設の雰囲気や、子どもたちの自然な姿を見ていただくことで、「あ、こんな感じなんだ」と少し安心していただけるかもしれません。
お子さんの“はじめて”の瞬間に、わたしたちが一緒に立ち会えたら、それほど嬉しいことはありません。
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☘️ 見学・体験をご希望の保護者さまへ
もし、お子さんのコミュニケーションや集団生活にご不安を感じているようでしたら、ぜひ一度「ひとつぼし」に遊びにいらしてみてください。
無理に活動に入らなくても大丈夫ですし、見学だけ、少しお話するだけでも構いません。
「できる」より先に、「ここなら安心できる」と思える場所であること。
それが、子どもたちの“はじめて”を引き出す一番の鍵だと、私たちは考えています。
お子さんの「ちょっとやってみようかな」が生まれるきっかけに、なれたらうれしいです。
📍児童発達支援・放課後等デイサービス ひとつぼし
📞 045-325-8082
「はじめてお友だちと話せた日」〜発達支援の現場から〜
教室の毎日
25/07/15 20:59
