放課後等デイサービス

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ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?|放課後等デイ…

「友だちとうまく遊べない」
「自分の気持ちを言葉にできず、手が出てしまう」
「空気が読めないと言われてしまう」

お子様のこうした姿に、心を痛めている保護者様は少なくありません。

帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」では、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を療育の柱のひとつとして位置づけています。といっても、教室で座学をするわけではありません。日々の遊びや活動の中に、さりげなくソーシャルスキルの練習を織り込んでいます。

この記事では、SSTとは何か、そして実際にどんな場面でどう取り組んでいるのかをお伝えします。

■ そもそもSST(ソーシャルスキルトレーニング)とは

SSTは、対人関係や社会生活に必要なスキルを練習する手法です。もともとは精神科リハビリテーションの分野で開発されましたが、現在では発達障害のある子どもの支援にも広く活用されています。

大切なのは、SSTは「性格を変える」ものではないということ。あいさつの仕方、頼み方、断り方、気持ちの伝え方——こうした具体的な「やり方」を一つずつ練習し、引き出しを増やしていくものです。

「できない」のではなく「まだ知らない・まだ慣れていないだけ」。そんな前提に立つことが、SSTの出発点です。

■ しょうとくクラブで実践している5つのSST

【1. ロールプレイ——場面を切り取って練習する】

「友だちが使っているおもちゃを借りたいとき、なんて言う?」

こうした日常の場面を取り上げ、スタッフがお手本を見せた後に、子どもたち自身に演じてもらいます。ポイントは、正解を押しつけないこと。「こう言ったらどうなると思う?」「相手はどんな気持ちになるかな?」と、子ども自身に考えてもらう時間を大切にしています。

実際にあった場面をそのまま使うと、子どもも真剣に取り組みます。架空の話より、「さっきの○○の場面、もう一回やってみない?」と声をかける方がずっと効果的です。

【2. 感情カード——気持ちに名前をつける】

自分の気持ちを言葉にするのが苦手なお子様は多いです。「むかつく」「やだ」の一言で終わってしまうこともありますが、本当は「悔しい」「悲しい」「恥ずかしい」「不安」など、さまざまな感情が混ざっています。

しょうとくクラブでは、感情を表したイラストカードを常備しています。「今の気持ちに近いのはどれ?」と選んでもらうことで、自分の感情を少しずつ言語化できるようになります。

慣れてきたら、「怒りメーター」を使って、自分の怒りの強さを10段階で表現する練習もします。数値化することで、「今は3くらいだから深呼吸で落ち着けそう」「8くらいだからちょっと離れたい」と、対処法を自分で選べるようになっていきます。

【3. 協力ゲーム——勝ち負けのないゲームで協調性を育てる】

競争が苦手なお子様や、負けると気持ちの切り替えが難しいお子様には、プレイヤー全員が協力してゴールを目指す「協力型ボードゲーム」が有効です。

「果樹園ゲーム」では、カラスが来る前にみんなで果物を収穫するという設定で、自然と「次は誰が取る?」「こっちを先にした方がいいよ」という相談が生まれます。勝ち負けのストレスなく、「相談する」「提案する」「相手の意見を聞く」という練習ができるのが大きなメリットです。

もちろん、少しずつ通常の対戦ゲームにも挑戦していきます。「負けても大丈夫」という経験を安全な環境で積み重ねることが大切です。

【4. ソーシャルストーリー——「見えないルール」を見える化する】

社会には暗黙のルールがたくさんあります。「電車の中では静かにする」「人の話は最後まで聞く」「知らない人にいきなり質問しない」——定型発達の子どもは自然に身につけていくこれらのルールも、発達に特性のあるお子様には明示的に教える必要がある場合があります。

ソーシャルストーリーとは、特定の社会的場面について、短い物語形式で説明する手法です。「○○のとき、みんなは△△します。そうすると□□になります」というシンプルな形式で、状況・行動・結果のつながりを理解しやすくします。

しょうとくクラブでは、お子様ごとにオリジナルのソーシャルストーリーをつくることもあります。本人が主人公になるので、「自分ごと」として受け取りやすくなります。

【5. 日常の場面を逃さない——「活きたSST」】

実は、もっとも効果的なSSTは、プログラムとして設定された時間ではなく、日常の中で生まれる「ちょうどいい瞬間」にあります。

おやつの時間に「ひとつ余ったクッキー、どうやって分ける?」
片づけの時間に「あのおもちゃ、二人とも使いたいみたいだけど、どうする?」

こうした場面で、すぐに大人が答えを出さず、子ども同士で考える時間を保障する。これが「活きたSST」です。

スタッフは見守りつつ、必要なときだけヒントを出します。「じゃんけんで決めるのはどう?」「順番に使うっていう方法もあるよ」。子ども自身が解決策を見つけられたとき、その経験は何十回の練習より確かな力になります。

■ SSTで大切にしていること

しょうとくクラブのSSTで、いちばん大切にしていることがあります。

それは、「できたことをその場で具体的にほめる」ことです。

「えらいね」「すごいね」という漠然としたほめ方ではなく、「今、○○ちゃんに『貸して』って言えたね」「怒りそうになったけど、深呼吸して待てたね」と、何ができたのかを具体的に伝えます。

そうすることで、子ども自身が「今のやり方でよかったんだ」と確認でき、次も同じ行動を取りやすくなります。

■ ご家庭でもできるSST的な関わり

ご家庭でも、日々の生活の中でSSTの要素を取り入れることができます。

・「ありがとう」「ごめんね」を親が率先して言う——お子様は大人の姿を見て学んでいます
・テレビや絵本を見ながら「この子、今どんな気持ちだと思う?」と聞いてみる
・兄弟げんかのとき、すぐに仲裁せず「どうしたらいいと思う?」と考えさせる
・うまくできたときは「○○できたね」と具体的な行動をほめる

完璧にやろうとしなくて大丈夫です。週に一度でも、こうした関わりを意識するだけで、少しずつお子様の中に積み重なっていきます。

■ まとめ

ソーシャルスキルは、一朝一夕では身につきません。でも、適切な環境と関わりの中で、少しずつ確実に育っていくものです。

放課後等デイサービスや児童発達支援は、学校でも家庭でもない「第三の場所」。失敗しても大丈夫な安心感の中で、人との関わり方を練習できる貴重な場です。

帯広市でお子様のコミュニケーションや人間関係のお悩みをお持ちの方は、ぜひしょうとくクラブにご相談ください。お子様一人ひとりの特性に合わせたSSTプログラムを、日々の活動の中で丁寧に実践しています。見学・体験は随時受け付けています。

【参考文献】
・厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」
・こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」
・上野一彦 監修『特別支援教育の実践情報』明治図書
・キャロル・グレイ『ソーシャルストーリー・ブック』クリエイツかもがわ
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