「(縁石の上を)バランスをとりながら(・・・)独り歩きする」「三輪車をこぎながら(・・・)ハンドル操作する」など、幼児期の中期では、2つの単位動作を一つにまとめる行為が上手になります。「~しながら~する」身体技です。こうした「身体のながら技」をあそびの中で自由闊達に展開させるこどもの様子を発見するのは楽しいものです。
この日は、その「ながら技」に、ターゲットを加えて「道から落ちずに宝物を取る・跳びながら景品に当てる」チャレンジあそびをしました。「ながら」技に、ターゲットを取り入れてゲームを楽しみます。前月号のコラムで、乳児期から幼児期への移行時期に、モノにサインやことば(概念)を重ね合わせる「2つ重ねの世界」に「伝える相手」が加わると、三項関係という「3つ目の世界」が始まることを紹介しました。幼児期中期というひとまわり高いステージでも、「~しながら」という「2つの動作」をこなす世界に、もう一つ、「相手を意識したり」「他者を参照する」という他者意識が入ると、ゲームやルールの世界が開けます。そういう風に見ると、「乳児期」・「幼児期」というステージの違いに関わらず、自分の中に育つ「2つがさね」や「ながら技」という2つをこなす世界に、他者の存在が加わることで、もう一つ進んだ世界が開けるように思えます。
こどもたちが、他者と楽しく関係を結べる日常を支えていきたいと思います。
「ながら技」と他者意識
教室の毎日
20/11/06 12:41