「2つ」を使いこなす成長過程の中で、「もの」と「ことばやサイン」を重ね合わせる「2つ重ね・2つごなし」があることを5月号のコラムで紹介したところですが、今年のDちゃんは、4月頃から欲しいものを指さして(「取って💛」)のしぐさが増え、直接要求の世界である「1つの世界」もそろそろ卒業かなと思われました。最近は、お帰りの会が終わると、バッグの写真を持ってきて(「バック頂戴💛」)とか、今日は、お人形の写真をもってきて、(「これ」)とばかりに指さして手渡し…に、「ん?」本意はお人形ではなく他にあったようで…うまく対応できずにゴメンナサイ(-_-;)。そして昨日は、昼食に付き添うスタッフに、手をサッサッと上下に振って、ふりかけ(「ください💛」)と…。もとより、生活や活動の中で、マッチングやままごと道具(切るものと切られるものの2つごなし)を駆使してきたDちゃんですが、その力をコミュニケーションに取り入れ始めた姿に頼もしさを感じます。
こどもは、生活やあそびの中で「2つ」を使いこなす色んな所作や動作を先行させながら、コミュニケーション手段へとその力を飛躍させていきます。次に待ち受ける「3つ目の世界」は、「2つ」を使いこなす世界に、もう一つのファクターとして、意思を通わせ合うスキル(コミュニケーションの面では、3項関係による意思の共有と双方向性)を加えた世界です。その片りんをかいま見せてくれるDちゃんや同じ時期のこどもたちには、「2つごなし」の活動を充実させるとともに「3つ目の世界」を獲得できるよう応援しています。
「2つの世界」から「3つ目の世界」へ
教室の毎日
20/09/29 12:18