こどものあそびは、成長とともに単純なのもから複雑なものへと発展していきます。こどもが最初に出会う複雑さは「2つ」のことがらに対面する時です。
ことばの獲得前に、心が、2つのことに気持ちをはたらかせはじめる時期は、視聴触覚や手の協力が大きな役割を果たします。(手や五感に不自由さがある場合は、それらに代わるサポートが必要です)。「2つ」を使いこなす心と手のはたらきは、まず、両手を使って1つのおもちゃを持ち替えることから始まります。2つの手が、「放す⇔握る」という2つの動きを心の指示でこなします。次に、両手が2つのおもちゃをそれぞれ持てることを経て、2つのものを合わせたり、入れたり、ついには並べたりと、心が手にはたらきかけて「2つごなし」の活動を作っていきます。
おもちゃに対して、外観だけで終わらず、その内にある用途という「2つ目」の意味を理解して使いこなすことも、あるいは、ものにことばやサインを重ね合わせるのも「2つごなし」の心の活動ですが、目的のために2つの方法を思いついて「こっちではなくこっち」と選択できるのも1歳半の頃の「2つごなし」です。この頃にはもう、心は手と協力しながらも、一方でそれを超えて思考という独自の道を歩み始めます。
このように両手を使う「2つごなし」は、その後の複雑な操作を可能にしてく出発点となります。それだけに、あそびや生活の中で、こどもの興味やステージに合った「2つごなし」の経験を積み重ねながら、心があたらしい発見をしていけるような活動をとりくんでいければと思います。
「2つ」 の役割
教室の毎日
20/09/12 14:36