ガスコンロも変えちゃダメ!変化に敏感な息子と私が噛みしめる幸せ

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「自閉症スペクトラムの子は変化に弱いっていうけど、それってどういうこと?」―そう感じられた事はありませんか?慣れないことが嫌なのは、誰にだってある話。それも事実です。ですが。程度に差こそあれ、その「変化への敏感さ」は予想以上かもしれません……。

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新しいガスコンロでは困ります?!凄まじいほど変化が苦手。

ずいぶん前の話。
わたしの実家を訪れたら、台所にあったガステーブルが新調されていました。それを見て息子・ハルがパニック状態に。

ハル:「前のは?じいちゃんばあちゃん、前のは?!」
祖父:「古いやつはお疲れさましたんだよ」
ハル:「やだ!これやだ!前のがいい!前のがいいよー!!!!

涙目になって絶叫、じたばたする5歳児を、両親とわたしの3人がかりでなだめました。

安定を好み、変化を嫌う特性の子と暮らしていれば、こんなことはほぼ日常茶飯事。

最近はパニックを起こすことは減りましたが、
家電の新調や部屋の模様替えなど、事前に伝えておかなければ身心のバランスを崩しかねません。

正直、骨が折れるときもあります。
しかし、息子同様わたしも自閉症スペクトラムであるため、彼の気持ちが痛いほどわかる…。

いつも複雑な心境になりつつ対応しています。

「ハルくんも本当は〇〇かもよ?」察する力が高いのは、わたしより息子の同級生。

さて、そんな変化が苦手な息子。
一つ紹介したいエピソードがあります。

息子通う保育園では、昼寝のとき枕の代わりにフェイスタオルを使っています。毎日持ち帰って洗うので、当然複数枚常備。

ちなみに息子が使っているのは、無地やボーダーなど。
身のまわりの物を本人に選ばせると、シンプルなものを手にする傾向があるため、それでいいかとわたしは勝手に判断していたのです。

ある日同じクラスKちゃんが言いました。

Kちゃん:「ハルくんの枕タオル、なんにも可愛い絵が描いてないやつだよね。どうして?」

わたし:「えーと、ふわふわなやつ選んだら絵がないやつだったから」

Kちゃん:「Kのやつは大好きなアニメのやつだし、Yちゃんのはプリンセスの絵。Jくんは映画のやつだよ」

少し前にあった保育参観の日、お昼寝準備を見ていたら、確かにみんな楽しげなプリントがなされたタオルを持参していました。

Kちゃん:「ハルくん、本当は可愛いタオルがいいのかもしれないよ?ゲームや漫画のキャラクター、ハルくん、大好きでしょ?」

そうか、そうなのか。そうだよな。
察することが苦手なわたしが気づかなかっただけで、ハルはねだることができなかったのかも……。

わたし:「考えたことなかったよ。ありがとう!」

細やかなところに気付いてくれた優しいKちゃんに、わたしはお礼を伝えました。

本当の気持ちはどうなんだろう?聞いてみたが答えはなんと。

その夜、わたしは息子に質問。

わたし:「ハルさあ、いつも使ってる枕タオル、どう思う?」

ハル:「え?ふわふわで気持ちいいけど……」

息子は「いきなりどうした?」と言わんばかりの表情。

わたし:「あのー……楽しい絵が描いてあるようなタオル、全然ないじゃん。好きなゲームのキャラクターのやつとかあったらハルも嬉しいかと思って……そういうのも買っておこうか?」

ハル:「え?タオルはいっぱいあるし、ふわふわなうちは考えなくていいよ。ガサガサしてきたら、そのときいっしょに選ぼうか

わ、恐ろしくしっかりした返答。

ハル:「それにさあ、寝ちゃったらタオルの絵なんて見えないじゃん

わ、尻拭く紙に素敵な柄なんていらねえよ的発言。

察してみても、全くと言っていいほどの空振り。

実はこれ、ガステーブルの件と根っこは同じ。きっと変化を好まない特性も、理由に含まれているのでしょう。

ハルは、着るもの履くものに関しても以前身に付けていた物と似た色合いやデザインを好みます。

そうでないもの買ってきたを場合、まず目を慣れさせる事からはじまります。
何日も部屋に吊るしておく、たんすの見える位置にしまっておく。
(それでも拒絶する場合も多々あります。。。)

全身新品を身に着けているはずなのに…ああ、なんということでしょう。
この既視感……!!

あー、わたしと一緒。まるっきり一緒。

「つまらない」「地味」と扱われがち、ともすれば「頑固」「偏狭」と眉をひそめられる場合もあるハルの特性。わたしは嫌いじゃないんです。

それはやっぱり、わたしも似た特性の持ち主だからかもしれませんね。

アンテナが敏感。それゆえ味わえる幸せも、あるんです。

変化に敏感だからこそ、感じられる幸せがあります。

変化を好まないわたしたち親子。
一昨年の秋、わたしが飲食店へ勤務することが決まった時の息子との忘れられない会話があります。


わたし:「ねえハル、わたしのお仕事が始まったら、過ごし方を変えていかなくちゃならない。どうしても変わってしまうと思うの。ハルはこれからどんなおうちにしていきたいかな?」

ハル:「あ、そうか。お出かけする時間も変わるからねえ……

考え込む表情で黙り込み、ややあってから「あ!」と目を輝かせました。

ハル:「お花を飾るおうちにしようよ!前にお花を飾ったとき、お部屋がとっても素敵になったでしょ。のん、とっても楽しそうだった。ハルもとっても楽しくなったよ!わくわくするんだけどね、ゆっくりできるの。だからお花を飾るおうちにしたい!」

そんな些細な変化さえ、敏感。
これまで部屋に飾ったことがある花は、道端で摘んだ花やご近所の方に頂いたもの。いずれも素朴なものばかり。
小さな変化も敏感にキャッチできるからこそ、息子は覚えていて、そしてその変化を味わえていたのです。

ハル:「どうかな?」

わたし:「うん、とってもいい考え。わたしもそうしたい。そうしよう!」

ハル:「うん!」

わかるよ。わたしも同じだもん。

変化や刺激に弱い親子だからこそ、小さな変化に気づけて、そして噛み締められる幸せが、あるんですよね。

小さな花の色や季節の香りに、いちいちはしゃいだり笑ったり。
そんな感覚も大切に、これからもハルと二人、暮らしていきたいと思っています。
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Upload By 鈴木希望
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