「学校に行かせなきゃ…」そんなお母さんに知ってほしい義務教育の本当の意味

ライター:GR
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「不登校」そう聞いてどんなイメージを持たれますか?わがまま、身体が弱い、友達がいない…。せめて義務教育の間は行かせなくては…焦るお母さんもいるかもしれません。そんなお母さんにぜひ、知ってほしい内容です。

「自分で考えて行動したい」

現在中学1年生の我が子。

小学校の時に3ヶ月ずつ2度の不登校を経験しました。

小さい頃から自分の意見を強く持ち、「自分で納得したことをやりたい」「自分で考えて行動したい」と訴える事が多くありました。
一見良いことに思えますが、学校という場ではなかなか難しくみんなと同じ事を同じやり方でしないことを指摘される事が、彼とってストレスになった様子。

「学校に行きたくない」と言われたとき、始めのうちは何とか励まして遅刻しながらも登校。
しかし段々と様子もおかしくなり、ある時期から完全にお休みするようになりました。

不登校の子がクラスにいることも珍しくありません。
それでも実際に自分の子が不登校になった時には想像以上に不安なもの。
「この先どうするの?」と自分の不安を子どもにぶつけてしまうこともありました。

私たちが、一緒に学んだこと

そんな私ですが、
義務教育の意味と児童憲章の内容を学んだとき、「学校に行かせなくては」という焦りや不安がゆっくりと消えていきました。
第1項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
第2項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。  義務教育は、これを無償とする。
出典:http://law.main.jp/kenpou/k0026.html
「義務教育」の義務とは
子ども自身が学校に行くことではなく、大人が学びの環境を用意することの義務でした。

学校に行くことは権利であり、義務ではなかったのです。

そして児童憲章がこちら。少し長いですが、紹介させてください。
児童は、人として尊ばれる。

児童は、社会の一員として重んぜられる。

児童は、よい環境の中で育てられる。

一 すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。
二 すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもつて育てられ、家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。
三 すべての児童は、適当な栄養と住居と被服が与えられ、また、疾病と災害からまもられる。
四 すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる。
五 すべての児童は、自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように、みちびかれ、また、道徳的心情がつちかわれる。
六 すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整つた教育の施設を用意される。
七 すべての児童は、職業指導を受ける機会が与えられる。
八 すべての児童は、その労働において、心身の発育が阻害されず、教育を受ける機会が失われず、また、児童としての生活がさまたげられないように、十分に保護される。
九 すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる。
十 すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不当な取扱からまもられる。あやまちをおかした児童は、適切に保護指導される。
十一 すべての児童は、身体が不自由な場合、または精神の機能が不充分な場合に、適切な治療と教育と保護が与えられる。
十二 すべての児童は、愛とまことによつて結ばれ、よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、みちびかれる。
出典:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1298...
これを読んで、
「あなたには、教育を受ける機会を得る権利はある。だけど、学校にいかなくてはいけない、とはどこにも書いていない。」、そう息子に伝えました。

最初は「学校と同じ様に勉強をしなければ」と、フリースクールなども調べてみましたが、
本人は全く興味がない様子だったので、せっかくだからこの時にしか出来ないことをしてみようと考え始め、二人でたっぷりある時間を楽しむことにしました。

いつまで不登校が続くかわからない状況では、私自身も楽しめる方法がいいかなと思ったのです。

お互いに好きなことは「何かを作ること」。
木工をしたり、お昼ご飯作りにそばうちをしたり、のんびりと過ごしました。

そしてモノ作りの場やワークショップへ連れて行くようになりました。
学校の外で出会った面白い大人の方たちとの出会いが、彼にとって刺激的で、学ぶ楽しさも知るきっかけとなっていったのです。
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見えない重圧、罪悪感も。

多くの子は、学校に行かない間に罪悪感に苦しんでいると知りました。

わが子も「何故かわからないけど、本当は行かなきゃいけないのに…って感じはずっとあった」と。
それは私の中にも「なんとかして行かせなければ」という考えがあったからなのかもしれません。

親や家族が「学校に行かないのも、権利の使い方の一つ」と思えたら、そして「義務ではなく権利」と子ども自身が知れたら、気持ちは少し、軽くなるかもしれません。
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