【大人の自閉症】仕事での困りごと・対処法まとめ【専門家監修】
ライター:発達障害のキホン
ASD(自閉スペクトラム症)の人が大人になって仕事をしていると、「みんなはできるのに自分には難しく感じる」「どうしても仕事の流れがつかめない」など仕事がしづらいと感じることがあると思います。ASD(自閉スペクトラム症)のある人には仕事において得意不得意がはっきりと分かれている場合もあります。自身の得意分野をきちんと理解して自分に合った職や対処法を探すことで、困りごとを解消することもできるでしょう。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ASD(自閉スペクトラム症)で働いている大人はどのくらいいる?
ASD(自閉スペクトラム症)は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達段階で現れると言われています。
以前は「自閉症」という診断名が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。この記事では以下、ASD(自閉スペクトラム症)と記載しています。
ASD(自閉スペクトラム症)で働いている大人が日本にどれくらいいるか、はっきりとしたデータはありません。ASD(自閉スペクトラム症)の発生頻度については以下のようなデータがあります。
以前は「自閉症」という診断名が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。この記事では以下、ASD(自閉スペクトラム症)と記載しています。
ASD(自閉スペクトラム症)で働いている大人が日本にどれくらいいるか、はっきりとしたデータはありません。ASD(自閉スペクトラム症)の発生頻度については以下のようなデータがあります。
自閉スペクトラム症の発生頻度
近年、自閉スペクトラム症の人は約100人に1人いると報告されています。性別では男性に多く、女性の約4倍の発生頻度です。
ですが、一口にASD(自閉スペクトラム症)といっても、その症状の程度や、知的発達の遅れがあるかどうかなどは個々人で異なります。症状が軽い人から重い人まで、様々なASD(自閉スペクトラム症)の方がいるのです。
よって、ASD(自閉スペクトラム症)の人の中でも、民間の企業に就職する人、就労支援施設で就労する人など、その働き方は様々です。
症状の重い方は、国・民間の就労支援事業などを利用し、無理なく仕事ができるところに就職することも選択肢の一つとなります。時間も短い方で1時間ぐらいから働くことができるので、個人のペースに合わせて仕事ができるためストレスが軽減されます。
症状の重い方は、国・民間の就労支援事業などを利用し、無理なく仕事ができるところに就職することも選択肢の一つとなります。時間も短い方で1時間ぐらいから働くことができるので、個人のペースに合わせて仕事ができるためストレスが軽減されます。
大人のASD(自閉スペクトラム症)、いつ診断された?きっかけは?
ASD(自閉スペクトラム症)は大人になってから発症することはありません。ですがASD(自閉スペクトラム症)の症状は十人十色なので、症状の軽い方の中には大人になるまで見過ごされている場合もあります。何らかのストレスや問題に直面し、生活をうまく送れないと思った時、はじめて気づくこともあるのです。
社会に出て仕事でのミスや人間関係がうまくいかないなどで心療内科に通い、ASD(自閉スペクトラム症)と診断される方もいます。子どもの時から対人関係に悩んでいる方が多く、大人になって診断を受け「やっぱり」と納得する方も多いのです。子どもの頃は自分自身で受診するのは難しいですが、大人になると自分の意思で受診することができるので、病院へ行くのも容易になります。
社会に出て仕事でのミスや人間関係がうまくいかないなどで心療内科に通い、ASD(自閉スペクトラム症)と診断される方もいます。子どもの時から対人関係に悩んでいる方が多く、大人になって診断を受け「やっぱり」と納得する方も多いのです。子どもの頃は自分自身で受診するのは難しいですが、大人になると自分の意思で受診することができるので、病院へ行くのも容易になります。
大人のASD(自閉スペクトラム症)、向いている仕事と向いていない仕事は?
障害あるなしにかかわらず、向いていない仕事に就くと失敗が多くなり、本人も辛い思いをしてしまいます。自分の特性を知り、得意なことや好きなことを生かせる仕事だと、うまくいく可能性も高くなるでしょう。
ASD(自閉スペクトラム症)の人の場合、苦手な作業、得意な作業にある程度の傾向があります。全てのASD(自閉スペクトラム症)の方のに当てはまるわけではなく、あくまで傾向にしか過ぎませんが、ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事と向いていない仕事を紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症)の人の場合、苦手な作業、得意な作業にある程度の傾向があります。全てのASD(自閉スペクトラム症)の方のに当てはまるわけではなく、あくまで傾向にしか過ぎませんが、ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事と向いていない仕事を紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症)の人が向いている仕事
•プログラマー
•マーケティングリサーチ
•在庫管理
•経理
•点検・調整作業
•工場での流れ作業
•機械の部品の組み立て
•システムエンジニア
•学者
•芸術家
パターン化された作業に強い、一つの作業に集中できる、数字に強い、専門性の高い知識が必要など、自分の特性や能力を活かせる仕事を探していきましょう。
•マーケティングリサーチ
•在庫管理
•経理
•点検・調整作業
•工場での流れ作業
•機械の部品の組み立て
•システムエンジニア
•学者
•芸術家
パターン化された作業に強い、一つの作業に集中できる、数字に強い、専門性の高い知識が必要など、自分の特性や能力を活かせる仕事を探していきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)の人が苦労しやすい仕事
人とのコミュニケーション力の高さが必須とされている職業や、急な予定変更などが頻繁にあるなど、苦手なことや特性に合っていない職業だと、ストレスも大きくなってしまうこともあります。