完璧主義な子どもとどう関わればいいの?曖昧さを許せない娘は…

ライター:GreenDays
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全てにおいて曖昧さのない、極端な思考で挑むアスペルガーの娘。他人や自分をも傷つける、このこだわりに、対応する方も一苦労です。どうすればこの思考を和らげることができるのでしょうか・・・

何もかも白黒つける娘に、あれこれ試してはみたものの…

アスペルガーの特性を調べていると、「白黒つけたがる」というキーワードを目にすることが、よくあります。

小学3年生の娘の場合、「勝敗にこだわる」「ジャッジしないと気が済まない」という部分がこれに当てはまります。

できるだけ娘が混乱したり、パニックになったりしないよう、これまで「勝つことも負けることもある」「あなたが全てを決めつける必要はない」などの言葉を、言い聞かせてきました。

しかし、なかなか改善には結びつきません

完璧さを求めてしまう娘、たった1つの失敗でみるみる変わっていく表情

ある日のことです。

「ママ、今日図書館で借りてきた本ね、破れていたから修理しておいたよ!」とキラキラした目で、娘が報告しに来てくれました。

普段、私が本を修繕しているのを見ていた娘が「私にもできたよ!」と軽い興奮と誇りを持って私の元へと走ってきたのです。

普段私は、子どもの「嬉しい!楽しい!」気持ちの風船を、割らないように気を付けているのですが、言うべきことは言わなければなりません。

私「すごくキレイに直してくれたんだね!すごいね!」

娘「そうでしょ!すっごく時間がかかったけど、一生懸命やったらできたよ!」

私「そっか~!ありがとう!でもね、図書館の本にセロテープは貼ったらダメなのよ。なんでかって言うとね…」

と、私が言いかけた瞬間、娘の顔はみるみるうちに紅潮し、目に涙を浮かべて自分を否定し始めました

「どうせ、どうせ!ママは私のことをダメなやつだと思ってるんだ!」

「そんなことも知らないなんて、私はなんてバカだったの!!!」

「一生懸命やったけど、こんなもの全部全部無駄だったんだ!」

思い入れが強い分、「これは絶対に善だ」と判断して行動したので、完璧な結果を生まなければ、全てを否定し、自分を責め続けてしまうのです。

気持ちは分かる、でも世の中は白黒つけられるものばかりでもなく

私は、時間をかけてゆっくりと娘に説明しました。

お家の本は修繕しているけど、図書館の本は数10年も保管する必要があるため、劣化するセロテープは使用してはいけないこと。本を大事にできること、それは素晴らしいと思っていることも合わせて伝えました。

それでも、娘の否定的な言葉の嵐を止めるには、とても時間がかかりました

もし、私の説得でその場は立ち直れたとしても、娘の頭の中では何度もこのシーンが蘇り、そのたびに顔が赤くなるほど恥ずかしく、自分を責める行為が続くのです。

私もそうだったから、娘の気持ちは手に取るようにわかるのですが、このパニックを回避できる手立てはないものでしょうか
次ページ「2択でこんなに苦しむならと、増やした選択肢の数は…」

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