全般性不安障害とは?不安が制御できない症状と年齢ごとの特徴、本人・周囲の対処法は?

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全般性不安障害とは多数の出来事や活動に対して過剰な不安と心配をしてしまい、様々な体調不良となって現れる疾患です。ストレッサーが多い先進国に頻発する疾患といわれていますが、その不安の対象はライフステージによっても変わっていきます。そこで、年齢ごとの具体的な症状や特徴、本人・周囲の人の対処法などを紹介します。

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目次 全般性不安障害とは? 全般性不安障害の主な症状 全般性不安障害を発症しやすい人の特性 全般性不安障害は年齢とともに発展していくの?その経過は? 全般性不安障害の原因 全般性不安障害と併存しやすい症状 全般性不安障害の診断基準 全般性不安障害かも?と気になったときは専門機関に相談を 全般性不安障害の治療法 全般性不安障害に対して、日常生活でできること 家族や周りの人が全般性不安障害だったとき、どう対応すべき? まとめ

全般性不安障害とは?

全般性不安障害とは、時間や予定のずれ、仕事、学校、家族、健康などに対して、自分自身で不安の感情をコントロールできないほど過剰に心配をし、普段の活動に支障をきたす状態が続いている状態を指す疾患です。

身の回りに起こるかもしれない出来事の発生可能性、発生した際にどういう影響が起こるかという本人の予測は、感じる不安や心配の強度、持続期間、発生頻度と必ずしも一致するものではありません。通常の場合、人はいま行っていることに対しての集中を妨げないために、一旦、不安や心配は抑制されている状態を保ちながら活動に集中できるようコントロールすることができています。

全般性不安障害は、こうした不安や心配のコントロールにトラブルが生じ、日常生活に支障が出るほどの症状となって現れた状態であり、一般的な「心配性」とは区別されています。

・自分の身の回りに起こる様々な出来事に対して大きい苦痛を感じ、それが長続きする傾向がある。
・不安や心配の感情が前触れなくいきなり生じる。
・不安や心配の感情がからだの不調になって現れる。


以上の症状を顕著に感じ、長期化しているとき、全般性不安障害を発症している恐れがあります。

全般性不安障害の主な症状

共通して現れる症状....すべての人に共通して現れる症状は以下の2つです。
・過剰な不安と心配をする日が、しない日よりも多い状態が少なくとも6ヶ月以上続く。
・自分自身で心配を抑制することを、むずかしいと感じる。

個人差がある症状....不安と心配の感情と共に、以下のうち3つ以上(子どもの場合は1つ以上)の症状が現れます。
・落ち着きのなさ、緊張感、神経の高ぶり
・疲労しやすい
・集中困難、心がからっぽに感じる
・挑発されたと感じると、すぐに頭に血がのぼってしまう
・筋肉が震えたり、筋肉痛になったり、収縮感を感じたりするなどして緊張する
・寝付きの悪さ、途中で起きてしまうなどの睡眠障害
・発汗、吐き気、下痢などの身体症状
・突発的に起こった出来事に対して、顔面蒼白、冷や汗、動機、不眠、脱力感などの精神的、身体的反応を生じる極度の驚愕症状

全般性不安障害を発症しやすい人の特性

全般性不安障害は、生活の全ての要素に対して不安を感じ、その不安が慢性化していくことによって発症します。そのため、時間の経過によって不安の出現がクセになっていく可能性が増え、30歳くらいで発症する人が多いです。そして、年齢を重ねるごとに症状は比較的小さくなると言われています。

また、女性の方が男性より2倍経験しやすいとされています。

加えて、以下の性格をもつ人は全般性不安障害を発症しやすいといわれています。

・周囲の環境を敏感に感じ取ってしまう人
・コンプレックスを抱えており、自信がない人
・完璧主義者、完璧以外に極端な不満を持つ人
・過度の保障を必要とする人


しかし、これらの特徴がある人が必ず発症するとは限りません。

全般性不安障害は年齢とともに発展していくの?その経過は?

全般性不安障害による症状は、生涯を通じて慢性化し、よくなったり、悪くなったりを繰り返します。また、心配したり、不安になったりする対象は、年代や自身の置かれているライフステージなどによってその都度変化していきます。

子どもは特に、学校の成績や友人関係、スポーツなどにおいて、自分は優秀なのか、できる子なのかと、過剰に心配する傾向があります。自身ができる子なのかという判断は、他人と比べる相対評価からくる判断ではありません。

大人は、仕事への責任の重さ、自身・家族の健康、家計、身の周りの人たちに起こりうる災難、日常的におこるささいな時間・予定のずれなどにおいて、毎日定期的に心配します。
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全般性不安障害の原因

原因として、性格からくる要因、環境からくる要因、生物学的要因の3つがあります。

性格からくる要因として、我慢強い性格、ネガティヴ思考、リスクをとらない性格などが挙げられます。

我慢強い性格が全般性不安障害の原因になってしまうのは、我慢という行動は、他人に嫌われるのが怖いなどといった不安や心配する感情が伴っているからです。また、ネガティヴ思考が原因になってしまうのは、常にネガティヴな気持ちに伴って不安や心配の感情がおこっている場合が多いからです。そして、リスクを取らない性格が原因になってしまうのは、常にリスクに伴う不安や心配が念頭にあり、行動することによって危険にあう可能性をネガティヴに捉えてしまう傾向があるからです。

環境的要因として、子どもの頃の逆境や親の過保護を受けた経験が当てはまります。しかし、これらは完全に証明されたわけではなく、必ずしも十分な要因ではありません。

生物学的要因として、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが関与している場合があるという説があります。セロトニンの分泌量を調節するセロトニントランスポーター(日本では不安遺伝子と呼ばれている)が作用し、これらは遺伝性が認められています。

そのため全般性不安障害は遺伝的要因により発症する場合もあると考えられているのです。

しかし、全般性不安障害の原因のすべてについては、まだはっきりとはわかっていない部分も多いため、更なる研究が必要な段階です。

全般性不安障害と併存しやすい症状

全般性不安障害と併存しやすい症状として、不安分離障害、広場恐怖症、パニック障害などの他の不安症や、単極性抑うつ障害(うつ病)が挙げられます。

これらが併存症と診断されていない場合であっても、過去~現在にかけて、診断基準を満たしている場合が多く見られます。

また、感じている不安や心配を打ち消すためにアルコールを継続して摂取し、アルコール依存症になってしまうケースも多いと言われています。

全般性不安障害の診断基準

2014年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)によると、全般不安症/全般性不安障害として以下の診断基準があります。

A.(仕事や学業などの)多数の出来事または活動について過剰な不安と心配(予期憂慮)が起こる日のほうが起こらない日より多い状態が少なくとも6ヶ月間にわたる。

B.その人は、その心配を抑制することが難しいと感じている。

C.その不安および心配は、以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている(過去6ヶ月間、少なくとも数個の症状が、起こる日のほうが起こらない日より多い)。注:子どもの場合は1項目だけが必要。
ⅰ落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
ⅱ疲労しやすいこと
ⅲ集中困難、または心が空白になること
ⅳ易怒性
Ⅴ筋肉の緊張
Ⅵ睡眠障害(入眠または睡眠維持の困難、または落ち着かず、熟眠感のない睡眠)

D.その不安、心配、または身体症状が、臨床的に意味のある苦痛、または、社会的、職業 的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

E.その障害は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進 症)の生理学的作用によるものではない。

F.その障害は、他の精神疾患ではうまく説明できない(例:パニック障害におけるパニック発作が起こることの不安又は心配、社交不安症における否定的評価、強迫症における汚染、または他の強迫観念、分離不安症における愛着の対象からの分離、心的外傷後ストレス障害における身体的訴え、醜形恐怖症における想像上の外見上の欠点の知覚、病気不安症における深刻な病気をもつこと、または、統合失調症または妄想性障害における妄想的信念の内容、に関する不安または心配)。

日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院,2014年刊)p.220より引用

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4260019074/

全般性不安障害かも?と気になったときは専門機関に相談を

全般性不安障害は通常、身体の不調の症状を強く感じて内科に診察を受けに行く人が多いです。しかし、検査をした際に異常なし、と診断されることがあり、精神疾患について言及するお医者さんは必ずしも多いとは言えません。

他の科で異常がないと診断されたが、身体的、精神的不調が半年以上続いており常に不安なことがある。もしくは、周囲の人に相談したり、打ち明けたりすることに抵抗感を感じたりする場合は、以下の相談先に相談するか受診をおすすめします。

全国精神保健福祉センター....都道府県・政令市には、ほぼ一か所ずつ設置されている、保健・精神保健に関する公的な窓口です。精神保健福祉に関する相談をすることができます。

精神科医、臨床心理技術者、作業療法士、保健師、看護師などの専門職が配置されています。相談については、予約制、健康保険の適応があるところがあります。詳細は、それぞれのセンターにお問い合わせください。
精神科....心の症状、心の病気を扱う科です。心の症状とは具体的に不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。心の症状に対して治療を行います。

心療内科....心と身体、それだけでなく、その人をとりまく環境等も考慮して扱う科です。精神科で扱う心の症状だけでなく、ほてり、動悸などの身体的症状とその人の社会的背景、家庭環境なども考慮して治療を行います。

精神科、心療内科どちらに行ったらいいか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、全般性不安障害の場合、身体にも心にも症状がでるため、精神科を受診しても心療内科を受診してもどちらでも大丈夫です。

全般性不安障害の治療法

全般性不安障害の治療法として主に薬物療法と精神療法があります。

■薬物療法
即効性があるといわれている抗不安薬を用いる場合があります。代表例はベンゾジアゼピン誘導体、タンドスピロンなどです。ベンゾジアゼピンは不安や緊張を和らげる効果がありますが、連用すると依存症になりやすいといわれており、アルコールとの併用は厳禁です。

また、連鎖的に表れる不安には抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、5-HT1A受容体部分作動薬などが用いられます。全般性不安障害は精神を安定させる働きのある脳内伝達物質、セロトニンの調節安定性も大きく関わっています。そのため、セロトニンに直接作用する抗不安薬が即効性があるといわれているのです。

しかし、薬には副作用もありますし、人によって合う合わないがあります。低年齢の子どもの場合はより慎重に進めるべきという専門家もいます。主治医の先生と信頼関係を築き、よく相談した上で納得して治療を進めるとよいでしょう。

精神療法は、即効性はありませんが薬物療法に比べて副作用が少なく、再発率も低くなっています。全般性不安障害に有効な精神療法の2つの代表例は以下の通りです。

認知行動療法(CBT)
認知療法・認知行動療法は、何か困ったことにぶつかったときに、本来持っていた心の力を取り戻し、さらに強くすることで困難を乗り越えていけるような心の力を育てる方法として、いまもっとも注目を集めている精神療法です。

具体的には、自身がどのタイミングで不安や心配を感じるのかを客観的に観察し、“自動思考”という考えのクセを把握します。そして、そういった状況に直面した際に、どのように考え、対処していけばいいかを考え、考え方をコントロールしていく治療法です。
■森田療法
森田正馬が1910年代に自身の体験から考案した精神療法です。森田療法は全般性不安障害の治療として有効であると言われています。

不安や恐怖という感情を、自然な感情と受け入れ、不安や恐怖はダメな感情であるという、とらわれた考えから脱出することを主な目的としています。

また、不安や恐怖という感情は、よりよく生きたいという考えと表裏一体という認識をとっています。そこで、自身のあるがままの不安や恐怖を受け入れることにより、自身の中の健康な力や豊かな感情に気づくことができるとされています。
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全般性不安障害に対して、日常生活でできること

全般性不安障害に対して、日常生活で行えること。それは生活習慣を整えていくことです。なぜなら、生活習慣が乱れた日々が続くと、いつもよりネガティブになったり、イライラしたりし、精神状態が不安定になってしまうからです。

そのため、以下の基本的なことから意識して行っていきましょう。

・十分な睡眠をとる
・栄養バランスのとれた食事を摂取する 
・適度な運動をする
・アルコール摂取量を控える


また、生活習慣を整える以外にも有効な対処法があります。

・環境を整えるための対人関係の整理
・筋肉の弛緩、深呼吸などの個人でできるリラックス法の確立

家族や周りの人が全般性不安障害だったとき、どう対応すべき?

全般性不安障害がある人は、自身の抱えている不安や心配を、周囲の人に相談したり、訴えたりすることが多いです。その際に、不安や心配に伴って、こころだけではなくからだにも不調が長く続いていることを理解してあげることが重要です。

では、具体的にどう接することが適切なのでしょうか?

・気持ちの問題や、性格だと決めつけない。
・否定的なことを言わない、できないことがあっても責めない。
・不安を訴えているときは、その対象に対してアドバイスをするより、まずはどんな時も側にいてあげるという意思表示をする。
・辛い時は休める環境を整え、安心感を与える。
・本人が意識を変えようと努力しているときは積極的に褒める、賛同する。

これらを意識して温かい気持ちで支えてあげることをおすすめします。

まとめ

全般性不安障害は、多数の出来事や活動に対して過剰な不安と心配をする症状を発症し、それと同時にからだの不調も現れる疾患です。しかし、 不安という感情は全ての人がもつ感情であり、疾患かどうかを自己判断するのは難しいです。

また、慢性化することで治りにくくなるため、早期から治療することが重要です。そこで、周囲の人もただの「心配しすぎ」だと思わず、優しく見守り、場合によっては専門家に相談するよう促すことをおすすめします。
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