ハンチントン病とは?どういった症状と対応策があるの?

2016/07/25 更新
ハンチントン病とは?どういった症状と対応策があるの?のタイトル画像

国の指定難病にされているハンチントン病。若年で発症する場合もありますが、
大抵は大人になってから発症します。十数年かけてゆっくり進行していく遺伝性の病気です。主に運動症状と精神症状があります。運動症状では不随意運動によって手足が自分の意思とは関係なく動く特徴的な舞踏運動が見られます。精神症状ではうつやいらだち等の症状が発症する病気です。

発達障害のキホン
64966 View
目次 ハンチントン病とは? ハンチントン病の症状 ハンチントン病の原因 ハンチントン病の診断基準は? ハンチントン病の治療法 ハンチントン病と診断されたら… まとめ

ハンチントン病とは?

ハンチントン病とは、運動症状・精神症状などの症状がみられる遺伝性の神経変性疾患で、国の指定難病にされています。

平均30歳~40歳頃に発症する方が多く、症状は本人が気づかないうちにいつの間にか始まっていることが大半で、約15年をかけてゆっくり進行していきます。アジアでの発症確率は10万人に0.4人と、比較的稀な疾患です。

運動症状としては、不随意運動(舞踏運動)によって手足が自分の意思とは関係なく動く、精神症状としては苛立ちやうつ状態が続くことなどがあります。これらの症状は時間に伴って進行していきます。

ハンチントン病の症状

ハンチントン病の症状には運動症状と精神症状があり、初期・中期・後期と症状が進行していきます。しかし、人によって症状の程度には個人差があり、またすべての症状が発症するわけではありません。

運動症状

不随意運動(舞踏運動):

自分の意思とは関係なく体が運動することを不随意運動と言います。ハンチントン病では、手足を勢いよく曲げたり伸ばしたりする動き、頭部を回したり伸ばしたりする動きや、舌を出したり、しかめ面をしたりなどの表情の動きなどがみられます。進行するにつれて、歩行・食事・着脱・排泄等も難しくなり、介護が必要になることがあります。

精神症状

短気・いらだち・うつ状態・不安・無気力状態等の症状がみられます。進行するにつれて症状は悪化していきます。認知能力が低下し無目的な言動が増えてきます。また、抑うつ状態が続くせいで、自殺を図ろうとすることもあります。精神症状も進行すれば介護が必要となることがあります。
ハンチントン病とは?どういった症状と対応策があるの?の画像
Upload By 発達障害のキホン
症状の発症や程度には個人差があり、運動症状は初期症状でも、精神症状は中期症状等というように、症状のパターンは様々です。また上記の症状以外の症状も発症する場合があります。

ハンチントン病の原因

ハンチントン病の原因とは?

ハンチントン病は、第4染色体に局在する遺伝子(IT15 またはハンチンチンと呼ばれます)の繰り返し配列の異常によって引き起こされます。

第4染色体の遺伝子の通常の繰り返し配列の長さは26回以下ですが、ハンチントン病の方は36回以上と染色体が伸長しています。この反復配列の数の長さによって発症年齢が決まり、伸長するほど若い時期に発症するといわれています。

また、ハンチントン病の主な症状である不随意運動(舞踏運動)は、脳の一部で随意運動を司っている大脳基底核と大脳皮質が萎縮することで発症します。

ハンチントン病は親から子に遺伝するの?

ハンチントン病は常染色体優位性遺伝といって、発病の原因となっている遺伝子が親から子に伝わる病気です。

両親のうちのどちらか一方がハンチントン病の原因遺伝子を持っている場合、子どもには50%の確率で遺伝します。ただし、祖父母から孫に世代をまたいで原因遺伝子が遺伝することはありません。

ハンチントン病の診断基準は?

ハンチントン病の診断基準は問診や画像検査によって分かることがあります。また、受診機関もその時々の症状に合わせて横断的に受診し、専門医にも診てもらうことをおすすめします。

診断基準

ハンチントン病の診断は主に問診によって行われ、家族歴、臨床所見により臨床判断が可能です。しかし、確定診断は遺伝子検査により診断されます。

■家族歴:
近親にハンチントン病を患った方がいるか、または神経疾患や精神疾患がある方がいるかどうか。

ハンチントン病の原因は親から子への遺伝によるものです。したがって、近親でハンチントン病になったことがある方がいるかどうかを問うことがあります。

■特徴的な臨床所見:
上記で述べたようなハンチントン病特有の運動症状(不随意運動)や精神症状を自覚または他覚できるかどうか。

初期症状では日常生活中のふとした瞬間に手が震える等の軽い不随意運動が起こります。初期症状を他覚するのは難しいですが、自覚があるならば問診時に話してみることをおすすめします。

受診する機関

神経内科や精神科を受診して、専門医に診てもらうことをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいらっしゃる場合には、その旨を医師にお伝えください。

検査方法

■CT検査・MRI検査
ハンチントン病の不随意運動(舞踏運動)は脳の一部の大脳基底核と大脳皮質の異常により生じるため、CT検査やMRI検査を行います。さらにこれらの検査は他の病気である可能性を否定するために行うものとされています。また、うつ病の方は共通して大脳基底核と大脳皮質の萎縮が見られますが、これらの特徴がうつ症状にどのように影響しているかはまだ分かっていません。

■遺伝子検査
確定診断のために遺伝子検査を行います。近親にハンチントン病の方がいて、ご自身にも自覚症状がある場合には遺伝子検査を受けることをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいるが、ご自身に自覚症状がない場合は、遺伝カウンセリング等を受けることが一般的にすすめられています。

ハンチントン病の治療法

ハンチントン病の原因治療はなく、対症治療がメインになります。主に薬物療法を用いて運動症状・精神症状を和らげています。不随意運動(舞踏運動)の治療薬には2013年から使用が許可されたテトラベナジンがあり、精神症状には抗精神病薬を使用しています。

ハンチントン病と診断されたら…

ハンチントン病が進行するにつれて、自分の意思を伝えることが困難になってきます。そのため、本人が自分の意思・希望を伝達するための方法を確保することが重要です。

また、難病指定がされている疾患のため、医療費の助成支援を受けることもできます。以下では、診断を受けたらしておくと良い手続きなどをご紹介します。

事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)

事前指示書とは本人が医療についての決断を下すことができなくなった場合に、医療についてのその人の希望を伝達するための文書です。以下の文書を作成し、手続きを行っておくと自分の意思や尊厳を優先することができます。
■リビングウィル
医療に関する患者の指示や希望をあからじめ表明した文書

■医療判断代理委任状
本人が決断を下すことができない状態に陥った場合に本人の代わりに決断を下す(代理人)を指定するための文書

難病医療費助成制度の申請

ハンチントン病は国の指定難病にされているため、医療費の助成を受けることができます。指定難病の医療費の自己負担割合は2割です。

また、その他の制度による医療費がすでに1割負担となっている患者さんの場合、負担割合は1割のまま変わりません。難病医療費は世帯の所得に応じた医療費の自己負担上限額(月額)が設定されます。自己負担上限額は、受診した複数の医療機関などの自己負担をすべて合算したうえで適応されます。

まとめ

ハンチントン病は、10万人に0.4人が発症するという極めてまれな病気です。人から人へ感染する病気ではなく、親から子へ遺伝によって原因遺伝子を引き継ぎ発症するため、生活習慣の悪化によって発症したり進行したりする病気ではありません。

根本的な治療方法はまだ見つかっていませんが、不随意運動を和らげる薬や、精神症状を和らげる抗うつ薬や抗てんかん薬等があり症状を和らげることができます。症状を緩和するためにも早めに医療機関の受診をおすすめします。
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
放課後等デイサービス・児童発達支援の求人一覧です。待遇・給与、勤務時間、研修・教育制度、職員のインタビューからあなたにぴったりの職場を探せます。
会員登録後のエントリーで1,000円のAmazonギフトカードがもらえるキャンペーンを実施中!
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

発達障害のキホンを知る

発達障害のキホンを知る

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人

発達障害のキホン さんが書いた記事

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説のタイトル画像

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説

PTSDは、つらいできごとがトラウマとなり、さまざまな症状を発症する疾患です。発症すると、そのできごとに関わる人・場所を過度に避けたり、考...
発達障害のこと
255357 view
2018/12/09 更新
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?原因、発達障害との関連、癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめのタイトル画像

子どもの癇癪(かんしゃく)とは?原因、発達障害との関連、癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめ

大声で泣き叫んだり、暴れたりする子どもに困っている…。一旦気持ちが爆発するとなかなか収まらない癇癪ですが、子どもが癇癪を起こす背景には必ず...
発達障害のこと
660306 view
2018/12/07 更新
難病の軽症高額該当で、医療費助成の対象外でも支援が受けられる?制度該当条件などを詳しく解説します!のタイトル画像

難病の軽症高額該当で、医療費助成の対象外でも支援が受けられる?制度該当条件などを詳しく解説します!

難病法には重症度基準が設けられ、病状の程度が一定以上の人は、医療費助成の対象となります。しかし、指定難病の診断を受けていても、治療により症...
身のまわりのこと
4138 view
2018/12/04 更新
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。