話したいのに話せない。息子の場面緘黙を知って私がしたこと

ライター:多原美加
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長男は、幼児期からとてもおとなしい子どもでした。家庭では喋っていましたが、家庭外では言葉が少なく質問にも答えられなくなり、先生を困らせる事が多くありました。小4で場面緘黙と診断を受けてから、私は子どもとの関わり方を変えました。

話したいのに話せない、場面緘黙を知っていますか?

「話したいのに話せない」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?

強い気持ちがこみ上げて言葉にならない、というドラマのようなシーンをイメージする人もいるかもしれません。

でも、ふとした挨拶や質問への受け答えですら、言葉が出ずに全く話せない人がいると言われたたら、どうでしょう?

実は、私の息子はまさにその状態になったことがあるのです。

今回は、話したいのに話せない、「場面緘黙」になった息子と私がどう関わったかの経験談をお話します。

家の外に出た途端、様子がまるで違う息子

長男は、もともと幼少期から大人しい子どもではありましたが、家のなかではマイペースで遊んで過ごしています。

ですが、家から一歩外へ出ると様子が激変。急に無表情となり、笑うことさえしなくなるのです。

外出先でどうしても話す必要があるときには、私に極端に顔を近づけてささやいていました。

ちょっと極端かな?とは思いましたが、家の中で兄弟で遊ぶ時には大きな声を出しながら遊んでいたため、特に不思議に思うこともなかったのです。

しかし、小学校に入学するとその変化はさらに顕著になり、学校で喋ることはほとんど無く、周りからも「もっと大きい声だせよ」とからかわれるように

先生から、「学校でお友達とトラブルがあった時など、お友達に謝ることができない」と指摘されたこともありました。

話さないのではなく「話せなかった」

これでは安心して学校で過ごすことは難しい、と考えた私は、息子を連れて小児精神科を受診することにしました。

息子の外での様子を見るたびに「何でこの子は喋らないの?」と疑問だった私は、先生からの説明を聞いてハッとしました。息子は話さないのではなくて、話すことができなかったのだと。

先生からの診断は、「場面緘黙」(ばめんかんもく)でした。

場面緘黙とは、話す能力はあり親しい間柄の人とは問題なく話せるものの、学校などの外の世界に出た途端に話すことができなくなるという障害でした。

これまで、挨拶ができない息子に対して「挨拶は?ちゃんとしなさい」と注意していた私は、気付かないうちに「話せない」息子を傷つけていたのでした。

いかに子どもの気持ちに寄り添うことができていなかったのかを痛感し、私は反省しました。

今後は息子に、無理に話をさせるのはやめようと決意しました。
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