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[第2回]

人生の転機。ずっと「クラスで浮いてるヤツ」だった僕も理系の大学では「普通」だった。

アメリカ合衆国シリコンバレー在住の若手プログラマー上杉周作さん。教育関係のITベンチャー企業で働く傍ら高校生に向けた講演や、NHK「ニッポンのジレンマ2016元日SP」に出演するなど活躍の幅を広げています。そんな上杉さんも幼少期の頃は学力の凸凹や友人関係に苦労した経験があるとか…。現在の活躍までのライフストーリーをお伺いします。

数字とゲームにとにかくハマった小学生時代

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幼少期の上杉さんと弟さん
編集部:前回は小学生のころのお話をお聞きしました。「ゲームよりもゲームの仕組みを知るのが好きだった」と。

上杉:そうですね。

親にはすごく自由に育ててもらいました。ゲーム禁止や時間制限もありませんでした。
習い事も特に無く…あ、水泳はやっていましたけど、週1回くらいですね。

ほんとに制限なく、自由に(笑)
 
編集部:ゲームの他に興味のあった事は?

上杉:ミニ四駆も好きでしたが、でもやっぱりゲームですね(笑)

ゲームに関する数字をひたすら覚えていました。

例えば、ポケモン1つ1つの能力値を全部覚えて、どうすれば強くなるのかを計算したりミニ四駆もレースより、ミニ四駆を題材にしたゲームにハマりました。「ミニ四駆GB Let's&Go」というゲームをとにかくやり込んだのですが、能力値の計算がけっこう複雑で、知的興奮を覚えたのが懐かしいです。

編集部:数字を使って考えるのが得意だったんですね。

上杉:はい、そうですね。
夏休みの自由研究でサイコロをつかったRPGを作ったときは、学校に持って行ってみんなが「これどうやるの?」「すごいな!」と言ってくれるのが嬉しかったです。

その後、アメリカに引っ越すことが決まった時も、「向こうに行ったら英訳しよう!」ぐらいに気に入っていたんですよ。

まぁ、行ってみたらそんな余裕はありませんでしたけどね(笑)

編集部:(笑)

「普通」の基準なんて変わる。人生の転機になった大学時代

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大学時代、自分の講義を持っていた頃
上杉:アメリカに渡ってから自分を大きく変えてくれたのは、やっぱり大学ですかね。

僕は中学校から高校までアメリカにいっても変わらず少数派だったのに、大学に入ったら一気に変わりました。

それまでは真面目に勉強するとクラスから浮くし、友達とも上手に関われない

どの科目も得意な優等生だったら良かったんだろうけど、僕は科目別の学力の凸凹が激しかったから、馬鹿にされることも多かった。

でも理系の大学に入ったら、僕は「普通」でした。
勉強するのは普通、もっと凸凹が激しい人も普通にいる、一生懸命勉強するのは別にダサくない。

それまで「僕の人生ってダメだなぁ」と思ってましたが、「環境でこんなに違うものか」と驚きましたね。

編集部: 環境によって「普通」の基準なんて変わるんですよね。

「得意なだけ」だった数学を「好き」になった、ある先生との出会い

上杉:あとは「数学そのものの面白さ」を知りました。これは大きい。

昔から算数も数学も得意でしたが、正直好きかと言われると「別に」という感じで。ものすごく数学にハマっていた、とか、数学が面白いから一生懸命解いていた、とかでは無かったんです。授業もつまらなかったので。

ですが、大学の教授がとても面白い数学の授業をしてくれたんです。そこで「楽しい!もっと出来るようになりたい!」と思いました。はじめてゲーム以外に「もっともっと」と、のめり込めることを見つけた。

編集部:どんな先生だったんですか?

上杉:数学の教授ってどこか世間離れしている仙人みたいな人が多いイメージじゃないですか?

でも、筋肉モリモリで日焼けした白人で…見た目が完全にサーファー。

数学の難しい科目なのに最前列は女子ばっかり(笑)アルゴリズムの授業で、なぜか爆笑が起こる。それくらい教え方が上手くて、複雑な内容も勉強するのがものすごく楽しかったです。

彼の授業を受けるまで、数学のテストで平均点以下をとったことが無かったのですが、はじめて平均点をとったんです。
もっと早いうちに、自分が得意だと思っていたことで、頭をガツンとやられたかったですね。

次回は

上杉さんのお仕事について、そして子どもたちへのメッセージを語っていただきます。
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