子どもの就学先、悩んで当然!支援級と普通級の狭間でわかったこと

ライター:OKASURFER
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障害のある子どもを持つ親にとって、子どもの就学はひとつの大きなターニングポイント。いよいよ進路が見えた私が経験してきたこの1年と、私を変えた言葉を紹介させてください。

「支援級一択」だった息子の就学相談

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障害のある子どもを持つ親にとって、小学校への就学は1つの大きなターニングポイントではないでしょうか。
そして就学に向けての「就学相談」は、親にも子どもにも大きな存在感を持って就学前の1年間にのしかかってきます。

私は就学相談について、周りの先輩ママたちに「とにかく苦しむよ~」と脅されていました。
実際、就学相談の結果通達された答申と希望の進路とがかけ離れていたことに悩み、鬱を発症してしまったママ友もいます。

それほどに、保護者にとって「就学相談」は大きな負担となる場合もあるのです。
とはいえ、私は大して悩むことは無かろう、穏便に1年を過ごすことができるであろう、と気楽に考えていました。

なぜなら、我が家の最初の希望は周囲の見立て通り「支援級一択」だったからです。

しいて挙げれば、「支援級は学区の学校に設置されていないから家から遠くなるな~」くらいの悩み。
普通級に無理して入る必要もないし、まして「普通級を勝ち取る」ほどに、普通級への熱意もありませんでした。

そんな私の価値観を揺るがした、ある出会い

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そんな風にのんびりと構えていたある日、私に大きな影響を与える人物Aさんに出会うこととなりました。
Aさんは「障害児も普通級で」ということを長年訴えている方であり、共生社会について見識のある方でした。

このため、私が息子の就学先に支援級を選んだ理由をAさんには、「いや~、うちの子は支援級にしようと思ってるんですよね!なんかテキトーに過ごせそうだし、それが息子にも合っていそうなので!」と適当なコメントで返していました。

Aさんは私のコメントに対し、以下のように仰いました。

Aさん「でも、テキトーに過ごすということは、テキトーに流れに乗って普通級に行くことではないの?わざわざ遠くの学校に行くことはテキトー?支援級という選択は、普通級の子がやっていることを、できるかできないかに関わらず『その場で味わう』権利すら奪ってしまうのでは?

二次障害などはそれが『二次的なものである』なんて周囲が決めること。本人が悩み苦しむ権利も奪っているのでは?

そう問いかけられ、私は何も言うことができずにいました。

その日をきっかけに「支援級という選択は子どもの悩み、苦しみ、戦う権利さえ奪ってしまうのでは…」「私たちが味わってきた青春を、息子から奪ってしまうのでは?」と考えるように。

そしてとうとう、「やっぱり、普通級がいいんじゃ…」と、それまでの考えがガラリと変わってしまったのです。

「普通級へのこだわり」。淡い期待はいつしか譲れない目標へと変わり…

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私に突如訪れた「普通級へのこだわり」の犠牲者はもちろん息子です。私はとにかく

●45分椅子に座っていられる
●先生の指示を聞ける

これを息子の人生の目標と言わんばかりに、療育先には「療育の内容を普通級を見据えた内容に」とお願いしました。
この頃にはもはや、「障害特性が許せない」という心理状態だった私。

今なら、「特性が許せないということは、子どもの存在が許せないということ」だとわかるのですが、当時は特性だからと理解できていた行動も許せなくなっていました。

私の期待をよそに、他の子と比べ群を抜いて「できない」息子。そんな姿を目にしては、毎日泣く日々が続きました。
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その後訪れた発達検査の日、私のイライラはついに爆発します。

「どうしていつもこうなの!小学校にすらまともに入れてもらえないんだよお前は!!

息子を怒鳴りつけ、帰りの車で息子と2人で泣きました。
これまで大きな声をあげたことはあったけれど、息子を傷つける言葉を言うために怒鳴ったのは初めてでした。

このままじゃいけない、それはわかっているけれど今この「普通級の選択」から逃げたらどうなってしまうのか…。

「ある日突然開眼して、勉強ができるようになるんじゃ」「すごい芸術家になるんじゃ」そんなことにすがっては、いつの日か「普通」の子たちと交わる人生を勝手に期待して勝手に傷ついて、その矛先を息子に向けていました。
次ページ「そんなとき訪れた講演会。周囲との違いを認めなかった私に届いた、ある言葉」

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