中2の娘が語った「働きたくない」きもち。不登校児が見つめる将来とは

ライター:ヨーコ
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学校に行けなくなった小3頃から、娘は「お仕事したい」と言っていました。しかし成長するにつれ、仕事に対する不安を口にするように。中2の現在は「働きたくない」と言っています。娘の心の中で何が起こったのでしょうか?

不登校のまま中学生になった娘は、この先将来どうなるのだろう…

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娘が全く学校に行かなくなったのは小学校3年生の9月からです。

家では勉強を一切せず、パソコンとゲーム三昧の日々。長い間、鉛筆を握ることすら嫌がり、2ケタの計算やお金の概念もよくわかっていない、字はひらがなもおぼつかない…という状態が小学校時代は続きました。

お金の概念は、お小遣いのやり取りや、ネットショッピングの代金引き換えを娘に払ってもらうことで、中学生になる頃には次第についてきました。

その後、中2になって支援を受けられるようになり、日記を書くこと、九九を覚えることを始め、字もしっかりして進歩は見られるようになりました。

だけど言語能力は高いものの、書くこと、計算することが極端に苦手な娘を見ていると、「この状態で本当に高校に進学できるのだろうか?」「進学したとしても仕事をすることができるのだろうか?」と正直不安でした。

娘は、「高校へ行きたい」「できれば大学へも行きたい」「あまり無理しない程度に働きたい」と言っています。

ただ、それは私を気遣って言っているのか、本心から望んでいるかはよくわからないな…と感じるのです。

本当のところ、娘は将来についてどう思っているの?

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パソコンを持っていた娘は、パソコンで様々なニュースを見ていました。そして小6くらいから「働くこと」について、ネットでいろいろな情報を得るようになりました。

そして不安から、こんなことをふとつぶやくようになりました。

「コンビニの店長が借金苦に自殺したって。コンビニってブラックやんなぁ。バイトしようと思ってもブラックなとこばっかりやなぁ。

でも私も考えてるんやで。高校入学の時までには計算できるように勉強しようと思ってるねん。バイトするには計算できなあかんもんな。

プログラマーだけにはなりたくないけど、私にはこんな仕事しか無理かもしれない。」
ブラック企業のことを知って、「学校に行っていない自分にはブラック企業しか行くところがない」と言っていたこともあります。
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そして今年、中2になって働いている人と話す機会を持つようになった娘は、ますます「働く」ということについて、自分の考えをしっかり持ちながら考察するようになっていきました。

先日のことです。

娘「来年、中3になるの?嫌やなぁ。もう1回中学生やりたいな。」

私「え、6年間中学生やりたいわけ?」

娘「そう。だって働きたくないねん。」

私「小学校のときは働きたいって言っていたのにね」

娘「何も知らなかったあの頃と、ブラック企業のことや、『どうやら自分はこの社会で楽しく働けそうにない』ってわかってしまった今と一緒にせんといて」

この頃は、「自分には9時5時という働き方ができるとは思えない」「もっと短い時間で働きたい」と自分を分析したうえで、仕事のことを考えていた娘。「働きたくない」と言うのも無理はないなぁと思いました。

振り返ってみて、娘はとても現実を正確にとらえているな、と感じました。そして、今の社会の生きにくさをしっかりと感じ取っています。それは思考停止状態でとりあえず前へ進むよりも、辛いけれど素晴らしいことだと私は思っています。

母娘2人きりの家庭。不安を抱く娘を前に、親としてできることとは

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娘が働くことやブラック企業のことを意識し始めてからは、「勉強はいくつになってからも挽回できる」、「いったん就職したからすべてが決まるわけじゃない。ダメだと思ったら何度でもやり直せばいい」と伝えていました。

ただ、不登校の娘は、母である私の姿から社会を見ているところがあります。

私はアスペルガー症候群の診断を受け、それは娘にも伝えています。

どの職場でもイジメに遭い、だんだんと追い込まれてうつ状態になった末に退職する私の姿を、娘は側で見ているのです。

それでは働くことに希望を持つことも難しいでしょう。だけど、発達障害者にとっての現実を見るのも大切なことだと思っています。
社会が変わらない限り、同じような困難が待っているのは本当なのですから。

そのかわり、失敗して終わりではなく、障害者職業センターに行って学んだことを娘に話したり、障害者雇用について「普通の働き方が辛い人には、こんな働き方があるよ」とさりげなく伝えています。

娘自身にも障害があることはまだ本人に告知していませんが、同じ障害を持つ娘が抵抗なくそういう生き方もあると肯定的にとらえられるように気を配っています。
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