脳性麻痺とは?どんな症状なの?いつ分かるの?治療方法はあるの?など徹底解説します!

ライター:発達障害のキホン

脳性麻痺とは、脳の損傷のために生じる運動と姿勢の障害です。どうして脳が損傷してしまうと運動や姿勢に影響が出るのでしょうか。脳性麻痺の原因や診断方法、具体的な治療法などを詳しく説明します。また、脳性麻痺のある人が受けられる支援サービスなどもご紹介します。

目次

脳性麻痺とは

脳性麻痺(のうせいまひ)は、妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内のあいだに、なんらかの原因で生じた脳の損傷が原因でおこる運動と姿勢の障害のことを指します。たとえば、脳性麻痺の赤ちゃんは、おすわりなどの姿勢、ハイハイ、もしくは立って歩くといった運動の発達への遅れや、これらのスキルを獲得できないことが起きてしまうことがあります。

それではなぜ、脳が損傷すると姿勢や運動に問題が起きてしまうのでしょうか。

人が体を動かすときには「筋肉をこんな風に使って、腕をあげなさい」など、脳の神経が筋肉に向かって常に信号を出しています。

ところが、脳の損傷によって神経システムが損傷してしまうと、送るべき信号がうまく筋肉に伝わらず、考えたとおりに動けなかったり正しい姿勢をしたりすることが難しくなってしまうのです。

脳の損傷部分や範囲は、一人ひとりまったく違います。したがって、子どもの発達過程にどの程度の影響があるのか、もしくはどんな症状が現れるのかも子どもによって異なります。
参考書籍: 公益社団法人日本リハビリテーション医学会 診療ガイドライン委員会、公益社団法人日本リハビリテーション医学会 脳性麻痺リハビリテーションガイドライン策定委員会/編、公益社団法人日本リハビリテーション医学会/監修『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン第2版』 (金原出版株式会社、2014年)
https://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_publication_isbn9784307750387.pdf

脳性麻痺の原因

沖縄小児発達センター小児科の當山医師が、2008年に沖縄県での脳性麻痺の発生率を調査したところ、1,000人に約2人の割合で脳性麻痺が発生することが明らかとなりました。発生原因はさまざまであるものの、現在では3つの症状が脳性麻痺の大きな原因であると分かってきました。

1. 核黄疸・ビリルビン脳症・・・新生児にみられる黄疸が原因で起きる症状です。黄疸の原因となる物質「ビリルビン」が脳に損傷をもたらします。

2. 低酸素性虚血性脳症・・・出産時に仮死状態でうまれてきた場合など、脳へ酸素が行き渡らないことで脳が傷いてしまうものです。

3. 脳室内出血・脳室周囲白質軟化症・・・どちらも未熟児や早産が原因で起こることがあります。脳室内出血では新生児の脳内に出血がみられます。また、脳室周囲白質軟化症では脳の部屋の周りを囲む白質(はくしつ)とよばれる部分に血液が行き届かずに損傷してしまいます。
参考文献:當山 真弓、當山 潤/著『沖縄県における脳性麻痺の発生率について』(脳と発達 (40巻5号)、2008年)387-392ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn1969/40/5/40_5_387/_pdf
参考書籍:梶浦一郎、鈴木恒彦/編集『脳性麻痺のリハビリテーション実践ハンドブック』(市村出版、2014年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4902109352
上記3つ以外にも脳性麻痺を引き起こす原因があるので、その原因をみてみましょう。

妊娠中の脳性麻痺になる原因には、脳の中枢神経系の奇形、遺伝子や染色体の異常、そして感染症です。感染症には風疹、サイトメガロウィルス、トキソプラズマなどが考えられています。

遺伝子や染色体異常などは、妊娠中の女性がいくら頑張っても防げるものではありません。しかし、ワクチンなどで予防できる感染症もあるので、できる範囲で感染症などに気をつけることが大切です。ただし、これらの感染症にかかってしまったからといって、子どもが必ず脳性麻痺になってしまうということではありません

次に、出産時の脳性麻痺の原因としては、新生児の呼吸障害やけいれんでも引き起こされることが分かっています

また出産後にも、中枢神経感染症・頭蓋内出血・頭部外傷・呼吸障害・心停止・てんかんなどが原因で脳が損傷され、脳性麻痺を発症することがあります

おもに周産期と妊娠期間中に脳性麻痺が起きやすいことも分かっており、周産期に発生する場合が40~66%、出生前の妊娠中に起きてしまう割合が13~35%です。

ただ、原因を特定することが難しい場合も多いため、脳性麻痺を完全に予防することは今のところできません
参考書籍: 穐山富太郎、川口幸義、大城昌平/編著『脳性麻痺ハンドブック 療育にたずさわる人のために 第2版』(医歯薬出版、2015年)
https://www.amazon.co.jp/dp/426321529X

脳性麻痺が起こる場所による分類

先ほどご紹介したとおり、脳性麻痺の症状は脳の損傷部位や範囲によってさまざまではあるものの、麻痺の起きる場所で5つに分類されています。

1. 片麻痺:片側半身にだけ麻痺がみられます
2. 四肢麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられます
3. 両麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられます。上肢より下肢の麻痺が重度です
4. 対麻痺:左右の下肢に麻痺がみられます
5. 重複片麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられますが、下肢より上肢の麻痺が重度です


バナー画像


年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。