7年の不登校の末、娘が言った「勉強したい。」その言葉の真相は

ライター:ヨーコ
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娘は小2の2学期から学校に行けなくなりました。それから全く勉強することもなく過ごしていましたが、中2になる前に「勉強したい」というように。学習支援に結びつきまずは九九を覚えることになったのですが、約10ヵ月かけてついに9の段まで暗唱できるようになりました。だけど、特に喜びも見せない娘の心の内を聞いてみると...。

小2から不登校になった娘。「信じて待つ」と決めたけれど…

娘が学校に通えなくなったのは小2のとき。それから全く勉強もすることなく、時間は流れていきました。

引きこもってパソコン、ゲーム三昧、昼夜回転生活する姿を見て心配でしたが、不登校の親の会、教育相談、児童精神科などに足を運んで相談し、「本人に生活は任せ、信じて待つ」ことに決めて待ち続けました。

だけど、「信じて待つ」というのは、親にとってとてもしんどいことです。「いつ立ち上がるのか」という見通しが全くつかない中、待ち続けるのですから。

でも、娘の変化は突然やってきました。

中2になる年のお正月のこと。突然娘が「今年は勉強を始める」と宣言したのです。

しかしここで前のめりになって、「じゃあ学校行く?ドリル買う?」と親ばかりが意気込んでは、子どもを追い詰めてしまいます。恐る恐る立ち上がった小動物を見守るように、「そうか」と微笑んで黙って娘の様子を見ていました。

すると予想通り、娘はそれから3カ月全く動きを見せませんでした。

学力テストを受け、中2の娘に与えられた目標は

中2になる直前に、幸運にも学習を支援してくれる方とつながることができ、まず現在の学力を計るテストを受けました。様子を見ていた先生によると、娘は九九や繰上りができないのに決してあきらめず、指を駆使して掛け算は足し算を繰り返し、3時間半かけてテストを終えたそうです。

漢字はほとんど書けていませんでしたが、へんやつくりの一部を書いてあったりと、必死で思い出そうと努力したあとがありました。

結果は読解力、文法力は高校1年相当。だけど算数と文字の書き取りは小2レベル以下と極端なものでした。学習障害(LD)ではなく、学習機会がなかったためと判定されました。

そこで、まずは

文字を書く機会を増やすために交換日記をする
・基本的な計算ができるように九九を覚える

という目標がたてられたのです。

娘なりのペースで始まった勉強。ついに九九を制覇!!

とはいえ、娘はこれまでほとんど勉強をしたことがありません。

日記を書くのも最初は筆圧が弱すぎるのを矯正するため筆ペンを使っていました。漢字がほとんど書けない娘は、スマホで漢字辞典のサイトを見ながら「3の段の『段』って漢字は何でこんなに難しいの!」とキーッとなったりもしつつ、自分の出来るペースで(1ヶ月に2日程度のこともありましたが)日記を書きました。

そして九九は、本人の希望で、「ママがいないところ(風呂)で声に出して読んで覚える」ことになりました。

小2のときに通信教材の付録でついていた、お風呂の壁に貼る九九のポスターを、娘はずっと「はがさないで」と言っていました。この言葉が生きるときが来たのです。

娘がお風呂に入っているとき、「にさんがろく、にしがはち…」という声を聞くとかわいくってたまらない気持ちになりました。

自信がついたら「ママ聞いてくれる?」とその段を暗唱します。

勉強を始めて10カ月たった先日、ついに九の段を暗唱。中2にして九九を制覇したのでした。
次ページ「それでも浮かない顔の娘。どうして勉強しようと思ったのか聞いてみた」

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