発達障害の息子が迎えた卒園式。そこで話した「夢」に、思わず涙

ライター:林真紀
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3月は別れの季節。3年間お世話になった幼稚園を息子は卒園することになりました。さまざまな困難に、親子ともどもめげそうになりながらも、多くの助けと励ましの中で成長することができた3年間だったと感じています。そして最後に息子が言ってくれた言葉に、私は涙することになるのでした。

幼稚園が決まった直後、発達障害の診断が下りた、3年前のあの日。

3月、ついに別れの季節です。3年間お世話になった幼稚園を、息子は卒園します。

思い返せば、息子の発達障害の診断が下りたのも3年前。地元でもかなり人気のある幼稚園に入園が決まって家族全員胸をなでおろしていたときに、息子に発達障害の診断が下りたことを、私は鮮明に覚えています。

それは、入園3ヶ月前の1月のこと。既に1日入園などで酷いパニックを起こすなどしていた状況でした。「とにかく診断が下った以上は黙って入園させるわけにはいかない…。」

私と夫は診断が出た後にそのまま入園予定の幼稚園に向かい、状況を説明することにしたのです。

不安に押しつぶされそうになりながら幼稚園へ…すると…

幼稚園に向かう道すがら、私の頭にいくつものも不安がよぎります。私は夫に何度も問いかけました。

「入園を断られるかもしれないね」
「黙ってたほうが良かったんじゃないかな」
「せっかく、入園できることになったのに」
「入園が断られたら、またイチから探さなきゃだね」

私の問いかけに対して、夫は何度も「大丈夫だって…」と返事をしてくれました。でも、私と同じ不安な思いを抱いていたのだと思います。
不安に押しつぶされそうな中、幼稚園に到着。

幼稚園の先生方に息子の発達障害についてお話したところ、入園を断られるどころか、先生方は一生懸命メモを取って息子のへの対応を検討してくださいました。息子の特性に配慮した保育ができるように、知恵を尽くしてくださっていたのです。

入園してから知ったことですが、他の園が断るような重度自閉症児やアレルギーのある子も差別なく受け入れ、先生方は他の子と変わらず全力を尽くして保育をしてくださる幼稚園でした。

泥まみれになりながら思いっきり遊べる環境で、少しずつ成長!

制服と靴を前にする母
Upload By 林真紀
幼稚園では、毎日泥まみれになるまで遊ばせてくれます。裏山には園長先生手作りのアスレチック、園庭は掘り返し放題、水流し放題、どの子どもも帰る頃にはぐちゃぐちゃのヌットンヌットン状態です。

感覚過敏で泥を触れず、ぬかるみに足が入ってしまうだけで大泣きしていた息子も、あっという間に泥まみれになって帰ってくるようになりました。

この幼稚園では、年長の後半になるまで「お勉強」や「早期教育」のようなものは一切しないのも特徴で、息子にとっては良い環境だったのかもしれません。

幼稚園に入ってから、靴は3ヵ月に1回は買い替えなければならないほどドロドロになって帰ってきました。ちょっと疲れた日は、砂に埋もれて空を眺めるのだそうです。紺色の制服が真っ白になって帰ってくる日は、大抵空を眺めていた日です。

真っ白になってしまった制服も、泥まみれで穴があいてしまった靴も、見るたびに私は幸せでした。
砂の上に寝そべる息子
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次ページ「適度な負荷の大切さ。発表会が息子を成長させてくれた。」

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