最新研究にみる自閉症スペクトラムの新薬としての期待
いままで世界中の研究チームによって、自閉症スペクトラム児・者へのオキシトシン点鼻薬の投与を通した研究が行われてきましたが、いずれも社会性やコミュニケーションの障害という自閉症スペクトラムの代表的な症状に有効であるということをデータで実証することはできていませんでした。
しかし、2015年に東京大学医学部付属病院の研究チームが行った、男性自閉症スペクトラム者18名へのオキシトシン投与では、一部の協力者において社会性やコミュニケーションの障害への顕著な改善が見られました。さらにはその改善が脳機能の改善にも関連しているということを世界で初めて報告し、オキシトシン点鼻薬の臨床試験を進める根拠になりうると言及しました。
このように、一部の人には効果があることが分かり、新薬の実用化に向けた臨床試験が進められています。過剰な期待は禁物ですが、この研究成果が実現すれば、自閉症の症状に対する治療法の一つになる可能性があるのではないでしょうか。
しかし、2015年に東京大学医学部付属病院の研究チームが行った、男性自閉症スペクトラム者18名へのオキシトシン投与では、一部の協力者において社会性やコミュニケーションの障害への顕著な改善が見られました。さらにはその改善が脳機能の改善にも関連しているということを世界で初めて報告し、オキシトシン点鼻薬の臨床試験を進める根拠になりうると言及しました。
このように、一部の人には効果があることが分かり、新薬の実用化に向けた臨床試験が進められています。過剰な期待は禁物ですが、この研究成果が実現すれば、自閉症の症状に対する治療法の一つになる可能性があるのではないでしょうか。
オキシトシンの副作用
オキシトシン点鼻薬の場合、薬成分の血中濃度が半減する時間が10分未満で、すぐに体内から排泄されます。そのため、ほかの薬剤との併用による副作用がほとんどないと言われています。
しかしながら、まれに、錯乱、けいれん、呼吸困難、めまいなどの副作用があります。また妊娠中であったり、高血圧、心臓疾患、腎臓病、甲状腺異常、精神不安症、鬱病、喘息、またはこれらに疑いがあったりする場合は使用ができません。
注射液・点滴においても多くの副作用があります。例えば、過強陣痛(子宮の収縮が非常に強く、長く続く)、血圧低下、蕁麻疹(じんましん)といったものです。2016年には、アナフィラキシーショック(血圧が低下して意識がもうろうとし、脱力するようなショック状態)が副作用として追加されています。
注射液・点滴においても多くの副作用があります。例えば、過強陣痛(子宮の収縮が非常に強く、長く続く)、血圧低下、蕁麻疹(じんましん)といったものです。2016年には、アナフィラキシーショック(血圧が低下して意識がもうろうとし、脱力するようなショック状態)が副作用として追加されています。
自閉症スペクトラムのある人にオキシトシンを投与した場合の副作用は、まだ詳しく分かっていません。ですが、オキシトシンの投与によって接近行動を起こす効果がある場合、人によっては接近行動が起こることで、かえって新たな問題につながる可能性もありうると指摘をする臨床医もいます。
オキシトシンの入手について
現在、ヨーロッパでは授乳促進の目的で成人にオキシトシン点鼻薬の販売が認可されていますが、日本国内では認可されておらず、もちろん自閉症の治療薬として購入することはできません。
個人輸入で入手した医薬品で健康被害が起こった場合、自己責任となります。輸入代行業者なども存在してはいますが、自己判断で購入したり使用したりすることは控え、まずは主治医とよく相談しましょう。
個人輸入で入手した医薬品で健康被害が起こった場合、自己責任となります。輸入代行業者なども存在してはいますが、自己判断で購入したり使用したりすることは控え、まずは主治医とよく相談しましょう。