筋緊張とは。制御メカニズムや筋緊張が保てないことでの困りごと、固有感覚の鍛え方を解説
ライター:発達障害のキホン
発達障害のある子どもには姿勢保持の困難、疲れやすさ、多動などがみられることがあり、その原因のひとつに筋緊張における課題があります。筋緊張とは、体の筋肉が持続して適度な収縮をし張力を備えている状態のことです。そしてこの自分自身の筋緊張を認識する感覚を固有感覚といいます。固有感覚につまづきがあると筋緊張を適切に制御できず、姿勢や運動につまづきがおこるのです。
筋緊張とは
筋緊張とは、体の筋肉が持続して適度な収縮をし、張力を備えている状態のことです。
筋肉は本来わずかな張りを備えています。この張りは、
1: 筋肉の組成組織そのものの粘りけと弾力によるもの
2: 筋組織を支配している末梢神経系によるもの
3: 脳や脊髄といった中枢神経系による姿勢制御によるもの
この3つのそれぞれが統合された結果として発生しています。
筋肉は本来わずかな張りを備えています。この張りは、
1: 筋肉の組成組織そのものの粘りけと弾力によるもの
2: 筋組織を支配している末梢神経系によるもの
3: 脳や脊髄といった中枢神経系による姿勢制御によるもの
この3つのそれぞれが統合された結果として発生しています。
筋緊張を制御するのは固有感覚
この筋肉の張り具合である筋緊張や、関節の曲げ伸ばしといった自分自身の体を感じ取る感覚を、固有感覚(固有受容覚)といいます。
固有感覚は、私たちの身体の外から受け取ることができる刺激である「感覚」のなかのひとつです。ちなみに感覚には「五感」と呼ばれる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚に加え、「固有感覚」と「前庭覚(平衡感覚)」というぜんぶで7つの感覚があります。
固有感覚と前庭覚はほとんど自覚せずに使っている場合が多い感覚で、固有感覚は前述の通り、自分自身の体を感じ取り体の動きをコントロールするときに使う感覚、前庭覚は体のバランスをとるときに使う感覚です。
固有感覚は、私たちの身体の外から受け取ることができる刺激である「感覚」のなかのひとつです。ちなみに感覚には「五感」と呼ばれる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚に加え、「固有感覚」と「前庭覚(平衡感覚)」というぜんぶで7つの感覚があります。
固有感覚と前庭覚はほとんど自覚せずに使っている場合が多い感覚で、固有感覚は前述の通り、自分自身の体を感じ取り体の動きをコントロールするときに使う感覚、前庭覚は体のバランスをとるときに使う感覚です。
固有感覚の受容器は、筋肉の筋や腱の中にあります。
この固有感覚は、子どもが生活やあそびの中で経験を重ねることで、少しずつ獲得していくものです。
たとえば、定型発達の赤ちゃんは生まれてからおおよそ1年で一人歩きができるようになります。またその頃には、努力しなくても立った姿勢や座った姿勢を保ちながら、興味のあるものの方向へ頭部や体を向けたり、両手を使ってものを掴んだりすることができるようになります。
これは、固有感覚をはじめとしたさまざまな感覚情報を、脳や脊椎といった中枢神経系が受け取り統合して、無意識のうちに筋肉に指令を出せるようになるからです。
こうして筋緊張が保たれることで、姿勢を維持する、体を動かす、といったことを、ほとんど意識することなくできるようになるのです。
この固有感覚は、子どもが生活やあそびの中で経験を重ねることで、少しずつ獲得していくものです。
たとえば、定型発達の赤ちゃんは生まれてからおおよそ1年で一人歩きができるようになります。またその頃には、努力しなくても立った姿勢や座った姿勢を保ちながら、興味のあるものの方向へ頭部や体を向けたり、両手を使ってものを掴んだりすることができるようになります。
これは、固有感覚をはじめとしたさまざまな感覚情報を、脳や脊椎といった中枢神経系が受け取り統合して、無意識のうちに筋肉に指令を出せるようになるからです。
こうして筋緊張が保たれることで、姿勢を維持する、体を動かす、といったことを、ほとんど意識することなくできるようになるのです。
姿勢保持と筋緊張の関係
姿勢が保てない子どもには筋緊張に課題があることも
就学期に達した子どもに、授業中に姿勢が崩れ机に頭を横たえたり、だらりと体を投げだすようにうつぶせたりして、まっすぐに姿勢を保って座ることができない子がいます。
また、椅子の背もたれに寄りかかり、下半身を前になげだすように座ってしまう子もおり、その態度が横柄で反抗的な態度だと受け取られてしまうこともしばしばです。しかし、それらの態度は精神的な要因ではなく、筋緊張などに由来する身体的な要因である可能性があります。
加えて、姿勢を保つ力が弱いと、体のバランスを保つため無意識のうちに他の筋肉に力が入りすぎてしまい、リラックスをすることがむずかしく疲れやすかったり、じっとしていることが辛く、多動となったりすることもあります。
こういった姿勢や態度が悪いように見える原因を、本人の性格のせいにされたり、家庭のしつけの問題として誤解されてしまうことも少なくありません。
ですが、その背景には、筋緊張を適切に維持したり変化させたりすることに課題があり、結果、姿勢や身体の動きにつまづきが起こっているという場合があります。
また、椅子の背もたれに寄りかかり、下半身を前になげだすように座ってしまう子もおり、その態度が横柄で反抗的な態度だと受け取られてしまうこともしばしばです。しかし、それらの態度は精神的な要因ではなく、筋緊張などに由来する身体的な要因である可能性があります。
加えて、姿勢を保つ力が弱いと、体のバランスを保つため無意識のうちに他の筋肉に力が入りすぎてしまい、リラックスをすることがむずかしく疲れやすかったり、じっとしていることが辛く、多動となったりすることもあります。
こういった姿勢や態度が悪いように見える原因を、本人の性格のせいにされたり、家庭のしつけの問題として誤解されてしまうことも少なくありません。
ですが、その背景には、筋緊張を適切に維持したり変化させたりすることに課題があり、結果、姿勢や身体の動きにつまづきが起こっているという場合があります。
固有感覚のつまづきが筋緊張のつまづきにつながる
自分自身の体を感じ取る感覚である固有感覚が鈍感だと、筋肉や関節の動きを正しく感じることができず、筋緊張を調整することが難しくなり、安定した姿勢を保つことが困難になります。
筋や腱で受け取った自分自身の体に関する固有感覚の情報を、脳や脊椎といった中枢神経系が受け取り、今度は中枢神経系から筋肉への指示出しをするという、一連の流れがスムーズにいかないのです。
また発達障害のある子どもで姿勢を保つことに困難がある子の中には、自分の姿勢や体の動きを自覚しにくいため、そもそも正しい姿勢のあり方自体を分かっていない可能性もあります。
筋や腱で受け取った自分自身の体に関する固有感覚の情報を、脳や脊椎といった中枢神経系が受け取り、今度は中枢神経系から筋肉への指示出しをするという、一連の流れがスムーズにいかないのです。
また発達障害のある子どもで姿勢を保つことに困難がある子の中には、自分の姿勢や体の動きを自覚しにくいため、そもそも正しい姿勢のあり方自体を分かっていない可能性もあります。
手先の不器用さも筋緊張と固有感覚が関係しているかも?
手先の不器用さは、プリント類をきれいに半分に折ることができない、ボタンを留めたり靴ひもを結ぶことが苦手といった生活面でのつまづきや、鉛筆をしっかり持ったりコントロールしたりすることができず字がきれいに書けないといった学習面でのつまづきをもたらします。
これも原因のひとつに、固有感覚の鈍感さがあげられます。体の末端である手先の筋肉は、脳からの指令がより届きにくくなるので、微細運動が苦手となるのです。
また、発達障害のある子どもの困りごととして「手先の不器用さ」がみられることがあります。
これも原因のひとつに、固有感覚の鈍感さがあげられます。体の末端である手先の筋肉は、脳からの指令がより届きにくくなるので、微細運動が苦手となるのです。
また、発達障害のある子どもの困りごととして「手先の不器用さ」がみられることがあります。