新生児けいれんとは?ひきつけとの違い、後遺症やてんかんとの関係についてくわしく紹介します【医師監修】

ライター:発達障害のキホン
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新生児けいれんとは生後1ヶ月未満の赤ちゃんに起こるけいれん症状のことをいいます。原因となる疾患はさまざまで、原因疾患によって治療法も異なります。新生児けいれんを起こすと、のちにてんかんを発症しやすいといわれています。けいれんが発症したときの対応や後遺症について解説します。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
目次

新生児けいれんとは?

新生児けいれんとは、生後28日未満の乳児に起こるけいれん症状のことを指します。出生体重2500グラム以上の成熟児での発症率は1000人のうち2~2.8%、2500グラム未満の低出生体重児では9.37~13.5%となっており、低出生体重児に多く発症します。

新生児けいれんと熱性けいれん(ひきつけ)の違いは?

熱性けいれん(ひきつけ)のように全身でのけいれんをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、新生児けいれんの場合、熱性けいれん(ひきつけ)のような典型的なけいれん発作がでることはまれです。まばたきの繰り返し、もぐもぐ口を動かす、自転車をこぐような動きなど、一目でけいれんとは分かりにくい発作が起こります。

新生児けいれんの原因は低血糖などの代謝異常に伴う場合、低酸素性虚血性脳症や頭蓋内出血、脳梗塞、感染症などが原因でけいれんが発症するため、早期治療が必要です。また新生児けいれんの発症をきっかけに、のちにてんかんが発症する可能性もあります。

新生児けいれんに関わらず、けいれんが長く続くと後遺症が残ることもあるといわれています。適切なけいれん時の対応や、必要ならば救急車を呼ぶなど、判断できるように知っておくことは大切です。

新生児けいれんの発作で最も多いのは「微細発作」

新生児けいれんには、頻度の高い順に微細発作、強直性けいれん、間代性けいれん、ミオクローヌスけいれんの4つのけいれんの種類があります。最も多いとされている微細発作は、発作症状が分かりにくく、見つかりにくいといわれています。

<微細発作>
・眼球運動の異常ーー水平眼球偏位(眼球が水平に動くがまばたきがない状態、側方を凝視するなど)
・口や頬(ほほ)、舌の異常運動ーー舌を出す、しかめっ面を繰り返す、ウインクのような動き
・四肢の異常行動ーー自転車こぎ、水泳のいぬかきのような動きなど
・自律神経症状ーー血圧上昇、チアノーゼ(体内の酸素濃度が低下し、唇などが青紫色になること)、脈が極端に速い(または極端に遅い)、多呼吸など
・呼吸運動の異常ーー無呼吸発作、発作性過呼吸

<強直性けいれん>
・突然意識を失い白目をむく
・身体が急に強張り手足をピーンと突っぱる
・口を固く食いしばり呼吸を止める
・チアノーゼを起こすこともある

<間代性けいれん>
・膝を折り曲げる格好をしながらバタバタと手足をばたつかせる
・あごがガクガク震える
・一定のリズムでけいれんが起きる

<ミオクローヌスけいれん>
・全身または手足の一部分の筋肉が一瞬ピクッと収縮する
・光によって誘発されるため、寝起きや寝入りに起こりやすい
・症状を自覚することは少ない
次ページ「新生児けいれんの原因」

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