新生児けいれんが起こったときの対応は

子どもに突然けいれんが起こったら、しかも生まれたばかりの新生児期に起こった場合、驚いてしまう保護者の方も多いのではないかと思います。しかし、正しい知識を持っていれば冷静に対処することができます。

子どもが新生児けいれんを起こしたときには、以下のような対処法を実践してください。

<けいれん時の対応法>
・首の周りなどを締めつけないように衣服を緩めてください
・抱きかかえず、平らなところに寝かせてください
・嘔吐や口の中に固形物がある場合は、顔を左に向けて吐いた物が気道に詰まらないようにしてください
・口や鼻の周りの吐物を拭き取ってください
・診察時にそなえて、けいれんの様子(左右差)や持続時間、体温などを確認しておいてください。余裕があれば動画などを撮影し記録してください(診察時、てんかんとの鑑別に役立ちます)

<してはいけないこと>
・大声で名前を呼んだり、身体を揺すったりしない(刺激となり、けいれんが長引く場合があります)
・「舌をかまないように」と口の中に物を入れたりしない(けいれんで舌をかむことはほとんどありません)

救急車を呼ぶ必要があるのはどんなとき?病院に行くタイミングは?

けいれんの持続時間によって、その後に後遺症が残る可能性の割合が変わってきます。新生児けいれんの場合は原因疾患が早急に治療を必要とするため、救急車を呼ぶか、病院での診察が必要なケースがほとんどです。

そうはいっても、けいれんを起こす疾患はほかにもたくさんあります。救急車を呼んだり、病院に連れていったりする基準として下記を参考にしてみてください。
けいれんがおきて対応に迷ったら#8000に電話する
けいれんがおきて対応に迷ったら#8000に電話する
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【救急車を呼ぶ】
・5分以上けいれんが続く
・けいれんが終わったが、その後も意識障害が続く(睡眠とは別)

【病院へ行く】
・初めてけいれんを起こしたとき
・全身けいれんではなく、体の一部または左右非対称なけいれんがある

【保護者がパニックで判断しにくい場合】
・小児救急電話相談(#8000)に電話相談をする

小児救急電話相談は厚生労働省がすすめる相談事業です。#8000番に電話すると、お住まいの都道府県の相談窓口につながります。そこで小児科医師・看護師から、お子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や、受診する病院などのアドバイスを受けることができます。新生児けいれん以外にも使用することができます。

#8000番に電話をして状況を伝えることで、医師や看護師の適切な指示を受けることができ、子どもの保護者も、その場の対処や救急車・通院の判断を行いやすくなります。
参考:小児救急電話相談事業(#8000)について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

新生児けいれんの後遺症、治療法について

新生児けいれんの治療は正式なガイドラインが設けられているわけではありません。原因疾患によって治療方法が異なってくるため、それぞれの疾患に必要とされる医療が行われることになります。原因疾患の治療は、薬物治療を主として行われています。

新生児けいれんの後遺症は?

新生児けいれんを発症した場合、合併症として知的障害や運動障害を発症することがあります。

新生児けいれんは原因疾患の種類やけいれんの持続時間などによって、後遺症の発症率や程度が異なります。
医療の進歩によって新生児けいれんの死亡率は改善されてきています。以前は約40%あった死亡率ですが20%と減少してきています。

ここでは、あくまでこれまでの研究による統計的な数値をもとに紹介しました。新生児けいれんを発症した子どもの中にも、定型的な発達を歩む子どももいます。

まとめ

新生児に起こるけいれんは、良性で2週間~半年ほどで完治するものもあれば、原因によっては後遺症を残すほど重度化するものもあります。また、のちにてんかんを引き起こしやすいのも特徴的です。

実際にけいれんが起こった際は、保護者がパニックになってしまうこともあるかもしれません。できることならば事前に情報収集などを行っておくことと、緊急性が高く、その場に頼れる人がいないときは#8000に電話し、落ち着いて最善の判断を行えるとよいでしょう。
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