7歳になっても続くおもらし。負のスパイラルに終止符を打ったのはある日のトイレの惨状だった

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7歳の息子はいまだにトイレトレーニングの真っ最中。相次ぐおもらしに怒りを抑えられない日々…。そんなつらい毎日の中で、負のスパイラルを断ち切ってくれたのは、ある「事件」が発端でした。

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息子について初めて疑問をもったのはトイレの中でした

秋が深まり、少しずつ寒さが体にこたえるようになってきましたね。

毎年、夏の終わりになると「今年はどうだろう?」と私をドキドキさせるのは、自閉症スペクトラム&ADHD、そして発達性協調運動障害の診断がおりている息子のおトイレ事情だったりします。体が冷えてトイレの回数は増えるはずなのに、寒くて動くのが面倒でトイレに行かなくなる秋冬は、お漏らしの季節といっても過言ではありません。

息子が生まれた当時、私は娘のトイレトレーニングに悪戦苦闘していました。

一方、春に生まれた息子のトイレトレーニングの時期を逆算すると、比較的やりやすい季節に訪れることが予想され、そういう意味では「よい季節に生まれてくれたなあ。」と淡い期待を抱いていました。

あれから7年。
小学1年生になった息子は、いまだに日中でも夜中でもお漏らしをしてしまうことが多く、残念ながらトイレトレーニングの卒業には至っていません。

初めて息子について「あれ、おかしいな?」と思ったのは、実はトイレの中でした。

「おしっこが漏れそう!」とじたばたしていた息子をトイレに連れて行っても、トイレに座った途端に「出ない」となることが多かったのです。そして、いざおしっこを出すという段になると、「う~ん!」と思い切り力を入れなければ排尿することができない様子。

うんちでもないのに、どうしてそんなにいきまないと出せないの?

不思議に思って観察していると、「せっかくトイレに来たのだからおしっこをぜんぶ出してしまおう」と無理をしているのではなく、いつでもどこでも、毎回力を入れなければ出すことができない状態だったのです。

これはおかしいと思い泌尿器科に連れて行って検査をしてもらいましたが、膀胱や尿道などの器官には問題はなく、「尿を押し出す筋力不足」もしくは「筋力は足りているがうまく機能していない」のどちらかであるという結論でした。

発達性協調運動障害の診断がおりたのは、それから数年後のことですが、自分自身の体をうまく操ることができない息子は、自分で意識して動かす筋肉だけでなく、無意識に動かしているはずの筋肉についても、コントロールが難しいということなのかも知れないなと考えています。

長く苦しいトイレトレーニングの日々

上手くおしっこを出せないという体の不便さに加えて、尿意を察知する機能も弱いことがわかってきました。膀胱はパンパンなのに尿意が湧かず、漏れても気づかない。逆に、膀胱はからっぽなのに尿意を感じてパニックに陥る。

本人もどうすればよいのかわからず大変だったと思いますが、私も疲れ果てていました。

「この子の体は上手く機能していない部分があるのだから仕方がない」と頭では重々わかっています。でも、

・ おまたを押さえてぐるぐる回りながら「漏れる!漏れる!」と半泣きになっている息子を抱えて慌ててトイレに走っても出ない
・ 家を出る前にトイレに連れて行ったのに、玄関を出た瞬間に漏らす
・ 夢中になって遊んでいる息子を見ると、服も床も濡れている
・ 30分毎にトイレに連れて行っているのに、合間に漏らす
・ トイレでズボンとパンツをおろした瞬間、泣いた腹圧で漏らす

こんな調子で毎日毎日、何度も何度もあちこちでお漏らしが発生し、私の心はいつも怒りにあふれていました。

頭では「この子のせいではない」とわかっていてもどうすることもできず、その怒りは息子へと向かっていたのです。

荒々しい態度で這いつくばって床を掃除し、洗濯かごに雑巾を投げつけ、「ごめんね、ママ、ごめんね」と必死に謝る息子を黙殺し、罵声を浴びせたこともありました。

ひどい母親だったと思います。

小学生になった息子に聞いてみてもその頃のことはあまり覚えていませんが、「ママ、あの時すごく怒っちゃってね、つらい思いをさせたと思うの。本当にごめんね」と、辛く苦しい日々のことを思い返すたびに息子に謝っています。

負のスパイラルを断ち切ってくれた「ウンチ事件」

苦しい日々が何年も続いたある日のこと。

用を足そうとトイレのドアを開けてみたら、床にウンチが転がっていました。そのブツを見た瞬間、私の中の何かが崩壊し、気がつくと笑いが止まらなくなっていました。

息子と一緒に何年もがんばってトイレトレーニングをしてきたけれど、こんなところにウンチが転がってる。

どうしてこんなことに目くじらをたててやってきたんだろう。
きっと息子は「またママに怒られる」と思って、怖くてなにも言い出せなかったんだな・・・

すごく困ったはずなのに。「どうしよう、ママ!」そう言って、助けを求めたかったはずなのに。

子どもが困ったときに、手を差し伸べられる存在になりたかったんじゃないの?いったい、今まで何をしてきたんだろう。

漏らしたら、着替えればいいだけじゃない。
床を汚したら、拭けばいいだけじゃない。

ウンチが転がったら...どうしたらいいんだろ。
ママも初めてだから、わかんないよ。

トラブルのない世界なんてないんだから、「どうしてトラブルを起こすの!」と叱るより、「これ、どうしたらいいかな?」って一緒に考えて一緒に動けばいいんじゃない。

このウンチ事件以降、私の中でお漏らしに対する怒りはスッと消えてなくなりました。「漏らしちゃった」と泣きながら申告する息子に、「おっ、トラブル発生だね。そうだよね、自分が一番悔しいよね。泣くだけ泣いたら、解決方法を一緒に考えよう?」と声を掛けられるようになりました。

「あのね、ズボンが濡れて気持ちが悪いよ」と泣く息子に上から指示を出すのではなく、同じ目線に立ってお話をします。

「そうだよね。そのままだと冷えちゃうし、どうしたらいいんだろうね?」と悩む姿勢を見せると、しばらく考えた後に、世紀の大発見をしたように嬉しそうな顔で「そうだ!全部脱いで着替えればいいんだよ!」と返してくれるようになりました。

「汚れたところはきれいにお掃除すればいいだけだよね!」と、一緒に床を拭くようにしていると、いつの間にか自分で拭ける範囲のところは拭いてから、「できるだけキレイにしたけど、まだ汚れてるかもしれないから見てくれる?」と私を呼びに来るようになりました。

おかげで、私も安定した気持ちでお漏らしを迎えられるように。

負のスパイラルを断ち切って前に進めるようになったウンチ事件に、今はとても感謝しています。

そしてやってきた、8回目の冬。

そして今年も、トイレトレーニング中には鬼門の季節がやってきました。

急に寒くなり、息子は例にもれず、久しぶりに2日続けておねしょをしてしまいました。

「あのね、おかしいの、パンツは濡れてないからおしっこじゃないんだけどね。でも、ズボンが汗でびっしょりになっちゃってさ」とおどおどしながら必死に言い訳をします。

何年か前、初めて息子がこうやって言い訳をしたときに「これはこれで知恵がついてきたということかも知れない」と思い、「そうかも知れないね。気持ちが悪いからとにかく着替えようね」といったんは受け止める形で返事をしました。

以来、息子はおねしょをしてしまったときは、一語一句たがわずこの言葉を口にするようになったのです。

一つひとつの状況を把握し、その都度考えることが難しい特性を持つ息子にとっては「こう言えば怒られずに済む」というマニュアルがインプットされたに過ぎないのでしょう。また、そのマニュアルが成長にともなって自然に更新されることはないのです。

そこで、正しいマニュアルをインプットし直す作業を行うことにしたのです。

「あのね、怒らないからちゃんと言ってごらん?汗をかいたらパンツだって濡れちゃわない?」
「いや、でも、あのね・・・、怒らないの?」

「もう怒らないよ。失敗は誰にでもあるから、正直に話して解決策を一緒に考えるほうがよくないかな?」
「うん、でも・・・、あの、ちょっとだけお漏らししちゃったかも」と恐る恐る息子が口を開きます。

「そっか!本当のことが聞けて良かった!お布団もお洗濯すればいいだけだしね!でも、どうすればお漏らしを減らせるのかな?」と一緒に対策を考え、眠る前には尿意がなくてもとにかくトイレに行ってひねり出してみるという対策を共有することができました。

トイレ問題はまだまだ続く

まだまだ続くトイレの失敗。

外出先での失敗を考え、お出かけをするときは着替えを持ち歩くのは必須ですし、トイレのない住宅街などでふいに漏れそうになってしまった時に備えて、車などで使う緊急用の携帯トイレも持ち歩いています。男の子ですので、お行儀は悪いですが空のペットボトルで難をしのいだこともありました。

今まさにトイレトレーニングでお悩みの方も大勢いらっしゃると思います。いつまで続くの!?どうしてちゃんと出来ないの!?と沸々と怒りを抱えていらっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。

私も「失敗したときに対処する方法を学べればいいか」と思えるようになるまでには何年もかかりましたので、今お悩み真っ最中の方に安易に「考え方を変えれば楽になりますよ」とは言えません。

おしっこだけでなく、大便や下痢を漏らされたときのとてつもない疲労感、どう処理すればよいのかわからないいらだちが怒りに変わることも当然のことだと思います。

お母さんも苦しい、お子さんも苦しい。誰かに任せることもできず、本当に苦しいんです。

それぞれのご家庭で負のスパイラルから抜け出すためのきっかけがどこにあるかは誰にもわかりませんが、やはり解決の根底には「ママだけではなく、子どもだけでもなく、親子で一緒に決めていく」というスタンスが必要ではないかと思うのです。

「また漏らした!」とイライラしている時ではなく、親子ともにリラックスした状態のときに「失敗したときはどうすればいいかな」と一度と話し合ってみませんか?

失敗しない方法を考えるのも大切ですが、失敗してしまった後の対処法を決めておいたほうが、楽に接することができるかもしれませんよ。
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