つい後回しにしてしまう自分にうんざり。親子で改善した「1日のエネルギー」の使い方とは

ライター:GreenDays
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わが家の9歳の娘、7歳の息子はともに自閉症スペクトラムがあり、自ら学校に行かない選択をして「ホームスクール」をしています。

一緒に自宅で過ごす私は、いろいろな理由をつけて、つい家事を後回しにしてしまうことをやめたいと常々思っていました。そんなある日、SNSで「1日のエネルギーの使い方」という考え方にヒントをもらいます。勉強や食事をこなすだけでも激しく消費してしまう子どもたちのためにもなるかも、と毎日を笑顔で過ごすための時間の使い方を一緒に考えてみました。

ついつい後回しにしてしまうこと、ありませんか?

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やらなければいけないことはわかっているのに、ついつい他のことに手を取られて後回しになってしまうこと、ありませんか?

私にとっては「お風呂掃除」がその最たる例でした。やり始めれば15分で終わることなのに「服が濡れるから後にしよう、子どもに呼ばれたから先にそっちを片付けよう…」などと理由をつけ、結局入浴直前になってから、ようやくお風呂を洗う…。

そんな自分をそのまま受け入れることができるのなら、それはそれでいいと思います。しかし、私は「どうして15分で済むことがきちんとできないのか?」と自分を責めてしまうのです。

そうして翌日からはさっさとやってしまおうと思うのですが、結局、後回しになってしまって後悔を繰り返してはうんざり。

なんとかしないといけないなと思っていた時、SNSで「エネルギーがたくさんある午前中にやるべき事をやってしまえばよい」という情報を目にしました。

「1日のエネルギー量」という視点を持っていなかった私には、それはとても新鮮なアイデアだったのです。

エネルギーの使い方と充電方法を考える

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発達障害の特性からイライラがたまり殻に閉じこもりがちな子ども達にとっても、これは有益な情報です。2人は普通の生活を送るだけで激しく消耗してしまいます。どんな風に自分のエネルギーを配分をしたらいいのかや、自分なりの充電の仕方を把握できたら、もっと過ごしやすくなるはず!

そこで、早速子どもたちにこの新しい考え方を伝えることにしました。

「今日、すごくいい情報を知ったの!あのね、1日のうちでエネルギーが満タンになっているのっていつだと思う?」(母)

「元気がいっぱいあるってこと?」(息子)「やっぱり朝かな?」(娘)

「そうだよね!寝た後だから体も元気になってるし、心もリセットされてエネルギーが満ち溢れてる感じがするよね。そのエネルギーがあるうちに、ちょっと頑張らないといけないことをやってしまうと、そんなにしんどくないんだって!」

「じゃあ、今『なりたい自分になるために努力する時間』を午前中にしてるのはいいことなんだね?」
「どうしてママは意地悪言うの?」声をかけを嫌がる子ども。わが家で決めたルールとはのタイトル画像

「どうしてママは意地悪言うの?」声をかけを嫌がる子ども。わが家で決めたルールとは

以前、こちらのコラムに書いたとおり、わが家では午前中を『なりたい自分になるために努力する時間』という位置づけにして、ピアノの練習をしたり勉強をしたりしているのです。

「うんうん!そうなのよ!それでね、ママはいつもお風呂掃除を後回しにしちゃう自分が嫌だなぁと思っていたの。これからはエネルギーが満タンになってる午前中に終わらせることに決めたよ。頑張るから応援してね」

「じゃあ、その間に私たちは目標に向かってしっかり頑張るよ~!」

自分一人だけではなく、家族がそれぞれ努力していることを感じられると、頑張ろう!という気持ちが大きくなるから不思議です。

「でもね、そうやって頑張っていくと、どうなると思う?」

「う~ん、エネルギーが減ってしんどくなっていく。だって夕方はいつも疲れてイライラするもん」

「いいところに気づいたね。エネルギーって勝手に湧いて出てくるものじゃないから、きちんと充電しておかないと動けなくなっちゃうんだよ。車はガソリンが切れたら走れないし、ゲームは電池がなくなったら遊べないし、人間はエネルギーがなくなったら笑えなくなったり、攻撃的になったりしちゃうよね。どうすればいいと思う?」

私の問いかけに娘と息子は相談しながら一生懸命考えます。

「ちゃんと充電すればいいんでしょ?」
「でも人はどうやって充電すればいいの?コンセントついてないよ」
「そうじゃなくて、ママに抱っこしてもらったら元気がでるでしょ?そういうこと」
「ああ、そういうことね!じゃあ、ママにいっぱい抱っこしてもらう」
「私もいっぱい抱っこしてもらう~!!」

相談した結果、2人の答えは出たようですが、これにはちょっとした問題点があります。

「必要な時はいつでも抱っこしてあげるよ。でもよく考えてみて。それだとママがいない時とかしんどい時に充電できないことになっちゃうよ?」

「ええっ!」 「じゃあどうすればいいの?」

「あのね。まずエネルギーを満タンにするには、“心と体”2つの充電が必要なの。この2つは、基本的には自分自身で充電する必要があるの。誰かに充電させてもらうっていうことは、その人のエネルギーを分けてもらうってことでしょ?ステキなことだけど、いつもそれだと今度は分けてあげる人がしんどくなっちゃうからね」

「そっかぁ、そうなのか」「でも自分でできるかな?」

理解はしてくれましたが、少し不安そうな2人。そこで、こんな提案をしてみました。

「例えば、お姉ちゃんは本を読むのがすごく好きだよね?本を読んでると疲れる?」

「ううん!全然!むしろワクワクして、いつまでも読んでられる!」

「ほら、今すごく目がキラキラして楽しそうでしょ?そう思えるものとやっているときに、心は自然に満たされて、それが次に何かをするためのエネルギーになっていくんだよ」

「それだったら簡単!僕はフィギュアで遊んだりユーチューブを見たりすればいいんだ!」

こうして、わが家では、午前は『なりたい自分になるために努力する時間』、午後は習い事などに取り組み、夕食以降は『心の充電をするために自分で自分を喜ばせてあげる時間』、『次の日の自分のために夜更かしせずにしっかり寝て体を元気にしてげる時間』にあてるという過ごし方を取り入れることになったのです。

明日の笑顔を少しでも増やせるように

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午前中は「さあ、頑張るよ!」とお互いに発破をかける分、夜は「さあ、自分で自分を喜ばせてあげようね~!」と、なんだか楽しい言葉が家の中に響くようになりました。

これまで、私や娘に依存して過ごしがちだった息子が 「あれをやってみよう」「これで遊ぶことにする」と自分で決めて一人で過ごせる時間が増えてきました。これはとても大きな変化です。おかげで私も月に1本程度ですが、ここ10年ほど遠ざかっていた映画鑑賞ができるようになってきました。

午前中にお風呂掃除を終えられる確率もかなり上がってきました。今までは「家事が残っているのに楽しいことをするのは後ろめたい」という考えに縛られていました。ですが、「きちんと自分を喜ばせて充電してあげなければ明日を元気に過ごせない」と考えを改めることで、堂々と充電作業に向かえるようになりました。

「自分で自分を満足させる」というのはとても大切なことなのに、日々の忙しさに翻弄されてすっかり忘れてしまっていました。

発達障害のある子どもとしっかり向き合って育てていくためには、膨大なエネルギーが必要です。心も体も疲弊している人も多いのではないでしょうか。

なかなか難しいかもしれませんが、1日のエネルギーの使い方や充電の仕方を考えてみてください。1日5分だけでも自分自身を満足させてあげることができれば、明日はいつもより1分多く笑顔でいられる時間が増えるかもしれません。私も自分にそう言い聞かせて、今の暮らしの中で自分を喜ばせる方法を模索していきたいと思います。
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