うまくいかない会話に出口が見えた!「言葉のナイフ」とまで言われた私を変えた「行動指針」

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大人になってからADHDと診断された私は、学生時代は「変人」と言われ続け、自分だけが人と違うという気持ちに悩み続けました。どうしたら良いのか分からなくなっていたある日、同級生に言われた言葉が、私の人生を大きく変えることになりました。

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林真紀
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好きなことに集中できた幸せな高校生時代

女の子の発達障害は、男の子に比べて特性が目立ちにくく、気づかれづらいと言われています。大人になってからADHDと診断された私も、幼少期や学生時代に発達障害と疑う人はいませんでした。

私の幼少期は、ただひたすら「お喋りが止まらない」という特性ばかりが強く出ていました。その他の特性がそれほど強く出ていなかったために、おしゃべりが止まらない点については「自分勝手」と評され続け、自分の自己肯定感は低くなるばかりでした。
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それでも、中学生、高校生のころは、私にとって平和な日々と言えるものでした。それは先生に恵まれたのも大きな要因だったと思います。

嫌いな科目(数学)は、授業を聞こうとしても聞こうとしても、別のことを考えてしまうようになり、常に赤点でした。それでも、中学高校は好きな科目を極めることを許される環境だったことが幸いします。「好きな科目で一番を取れていたら、別の科目もそれに準じて成績が上がってくるものだから」と、認めてくださる先生がいたのが、今思えば本当にラッキーでした。

おかげで、得意を伸ばすことができ、好きな科目(英語や国語)は大学生レベルの本でも時間を忘れて読んでしまうようなことができたのです。

周囲からはちょっとおっちょこちょいで、授業中もうるさい子だと思われていたようですが、好きなことに集中することを許され、周囲にもそれを尊重されるという、とても幸せな毎日だったと思います。

しかし、穏やかで楽しい日常は、大学に進学すると同時に消え去ったのです。

「変人」というレッテルに苦しむ

大学に進学した私を待っていたのは、「行動の指針」も「スケジュール」も全く自由になってしまった世界でした。

高校生までは、登校時間・下校時間から学校の時間割まで、全て決められていました。ところが大学には全くそれがないのです。

さらに、高校生の頃は、「同じクラス」「席順」という一定の決まりごとのなかで気が合う友達を見つけることができました。ところが、大学ではどこで友達を作ればいいのか、どこに気の合う友達がいるのか、授業はどうやって組み立てたら良いのか、終わったらどこに行けば良いのか皆目見当がつかないのです。

地図もないなか、大海原でぽっかりと浮いているような心もとなさを感じたのを今でも覚えています。

そんな風に心細さに悩む私を、たまに食事に誘ってくれるようなグループもちらほら現れました。友達の作り方も分からなかった私は、誘われれば大喜びでついて行きました。

ところが、私が食事に参加すると、必ずグループの雰囲気が気まずくなるのです。そして、そのうち「あいつ(私)が行くなら行かない」というメンバーが出てきました。何が起きたのか分からず、一人悩んだ私は、一緒に食事にいったグループの友達に「私何か悪いことやった?」と聞いてみました。すると、こう言われたのです。

「思ったことストレートに言い過ぎちゃうから、みんな嫌がってるみたい」
「あと、一人で喋り過ぎちゃうっていうか…」
「まっすぐでいい子だなっていうのはみんな分かってるんだけど」

言われた瞬間、私は頭がクラクラしました。全部、小学生の頃に通信簿に書かれていたことでした。私、何も変わってない…、そう思って逃げ出したくなりました。

そのうち、周囲の人たちが私にこんなあだ名をつけていたことが分かったのです。

「マシンガントーク」「毒舌」「言葉のナイフ」

そのうちに、大学に行くためのバスに乗ろうとすると、呼吸ができなくなってバスに乗れなくなる症状に苦しみました。「どうしたら自分を変えられるのか…」「自分なんて消してしまいたい」、私にとって大学までの道のりは、とんでもなく遠く思えました。

さらに、ある人から言われた言葉が私に重くのしかかりました。

「変な自分を受け入れてくれるほど、大学の友達なんて甘くないよ?少し普通になる努力しなくちゃ

普通になる努力、どんなに探しても答えが見えない命題を、私は突然突きつけられたのでした。

悩む私に与えられた「答え」

こうして始まった大学生活は、「友達を作る」なんて優雅なものではありませんでした。自分自身の特性に怯え、自分自身を責め、何から変えていけば良いのか全く分からない毎日。人間関係は相変わらずいつまでたってもうまくいかず、大学でカウンセリングを受けるようになりました。

そこで、「あなたはあなたで良いんだよ」と繰り返し言われましたが、「通りいっぺんのことを言わないで欲しい。私が求めているのはそんなことじゃない。私は今の私ではいけない。」と思い、カウンセリングも途中でやめてしまいます。

しかし、大学3年のある日、今も忘れられない大変革が起こることになったのです。

大学の帰り道に一緒になった同級生と喋りながら一緒に帰っていたときのことです。その人が、私にこう言ったのです。

「あのさ。いつも思うんだけどさ。おまえ、人の話を最後まで聞けよ。そしたらそれについて自分の思ったことを話してくれよ。俺はおまえはとても面白いやつだと思う。だから、俺の話についておまえがどう思っているのか俺は聞きたいわけよ

この言葉は衝撃的でした。衝撃的だったと同時に、今までどうやっても他人とうまくいかなかった自分に、1つの大きな答えを与えてくれたのです。

「変人」とか「毒舌」と言われて、「普通になれ」と言われても、私には取るべき行動は分かりませんでした。けれども、「人の話を最後まで聞け。それに対して自分の考えを言ってみろ。」という具体的な行動指針で、私の悩みは一気に解決したのです。さらに、その人は「おまえはとても面白いやつだから」と肯定してくれました。これをきっかけに、私の人間関係は少しずつではありますが、好転していきました。

その「答え」は子育ての中でも…

今、発達障害のある息子を育てながら、私はあのとき自分に起きたことを思い出すのです。息子に「普通になれ」と伝えても、本人はきっと意味が分からない。そもそも「普通」になる必要なんてない。

けれども、周りの人が息子の良い部分をもっと知るためには、適切な行動というのがあるということ。そしてその適切な行動について、私たち親は具体的に伝えていくのが大切だということ。

そして、息子に具体的な行動について伝えるとき、私が常に心掛けていること、それは「私はあなたをもっと知りたいし、もっと話したい」と伝えることです。根本に相手への尊重があってこそ、具体的な行動指針が活きてくるのだと思います。

子どもに適切な行動を促すのは、「普通にしてあげたいから」ではなく、「あなたをもっと知りたい、あなたともっと話をしたい」から。自分の辛かった経験は、その大切さを今でも自分に教えてくれています。
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