発達障害のある子やダウン症のある子などの発達が気になる子どもは、他の子どもに比べて迷子になりやすいといわれています。ではなぜ迷子になりやすいのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられます。

・空間認知機能が低い
空間認知機能が低いと、自分のいる場所を客観的に認識することが難しいと考えられています。自分がどこにいるのか把握できないために戻れなくなったり、目的の場所に到着できなくなってしまったりするようです。

・行動の切り替えが難しい
行動の切り替えが難しい子どもの場合、みんなと一緒に行動しているときにも、自分の興味があることをやめられないため、みんなからはぐれてしまうことがあります。

・衝動性がある
衝動性や多動性の特性が強い子どもは迷子になりやすい傾向があります。興味のあるものを見つけるとすぐに向かってしまい、保護者や周りの人が見失ってしまいます。

・迷子になったことに本人が気づきにくい
周囲に意識が向きにくい特性がある場合、自分が保護者とはぐれてしまったことに気づかないこともあります。

・迷子になったときに助けを求めにくい
迷子になってしまっても、周囲に助けを求められない場合もあります。自分の気持ちを表現することが苦手な特性があったり、予期せぬ変化にうまく対応できなかったりすると、迷子であることを伝えられない子どももいます。

大きな駅など人が多いところでは、一瞬目を離しただけでも子どもが人混みに紛れてしまい見失いがちです。またテーマパークや遊園地などは大人も楽しむ場所ですので、保護者もなにかに夢中になってしまうこともありますよね。

そのため大人も楽しめる場所へのお出かけでは、子どもが迷子になってしまうリスクが高くなってしまうことが考えられます。

迷子対策グッズというと、迷子ひもや迷子札を思いつく方が多いかもしれません。

しかし、迷子ひもはひもを通じて子どもとつながっていられるため、確実な迷子防止になる反面、周囲の人からの目線が気になってしまう…という場合もあるかもしれません。また、迷子札の場合は記入した個人情報が悪用されるリスクも考えられます。

最近は、そのような心配が要らないGPSなどの技術を活用した最新のサービスが数多く出ています。この記事ではさまざまなタイプのテクノロジーサービスに特化したおすすめの迷子対策サービスを紹介していきます。

今回は、一人歩きができるような年代の子どもをもつ保護者におすすめのサービスを紹介していきます。

特に発達障害のある子どもや保護者におすすめのサービスが、シンプルに位置情報サービスに特化したサービスです。

GPSに特化したサービスの中にも、身の回り品の紛失防止用やペット用、認知症の患者さんを想定したサービスなどさまざまなタイプがありますが、やはり子どもの見守り用に開発されたサービスがおすすめです。

特におすすめするのが、Bsize社のみまもり「GPS BoT」です。
「GPS BoT」は専用のアプリでスマホやタブレットからいつでも子どもの居場所と移動履歴が確認できるサービスです。

一般的なGPSの電波だけではなく、GPS機器の周りにあるWi-Fiアクセスポイントの電波や携帯基地局の電波も利用するため、位置情報の精度が非常に高くなっていることが特徴です。

子どもが動いていれば、機器が移動を確認し最短1～2分間隔で位置を追跡します。学校や塾、家に着いて移動がなくなると、機器は自動的にスリープモードに入ることで電池の消耗を防ぎます。

シンプルな機能ではありますが、システムにはAIが搭載されているため、利用するごとに機器が行動パターンを学んでいきます。普段の行動とは違った行動をした場合には、自動的にアプリでお知らせしてくれるそうです。

また保護者はどのようなルートで移動したのか、履歴もアプリからいつでも確認ができるため、ひとりでの活動が増える小学生以上の子どもにとても良いサービスといえます。

子どもが持つ端末にボタンがついていないので、子どもが誤作動する心配がない点もおすすめできます。

そして、機能だけでなく、価格設定もとてもシンプル。端末料金4,800円(税別)、月額料金480円(税別)（2018年3月現在）です。位置情報の精度の高さや、移動履歴が見られるなど高機能なサービスにもかかわらず、リーズナブルなところもおすすめできるポイントです。

次に紹介するのは、セキュリティ会社が提供するサービスです。このタイプの特徴は、セキュリティ会社の強みを活かした駆けつけサービスがあることです。

これらのサービスも、GPSを活用して子どもの現在地が探査できます。また、子どもが持つ機器のボタンによって本人からの応答操作ができたり、通話機能がある場合もあります。それらの機能を活かして、反応がないなどの異常が見られた場合は、セキュリティ会社による駆けつけサービスが発動する、といったサービスが一般的のようです。

仕事の融通が利かず、すぐに迎えに行くことができない保護者にとっては、駆けつけサービスがあるのは安心ですね。駆けつけサービスが発動した場合には追加料金が発生することがありますので、各セキュリティ会社にご確認ください。

子どもが応答ボタンのシステムや通話機能を上手に使うことができない場合は、駆けつけサービスを誤って発動させてしまう可能性もあるので注意したいですね。

最後にご紹介するのは、公共交通機関で使用する電子マネーの乗車カードと連動し、駅改札を通ったことを通知してくれるサービスです。GPSサービスではありませんが、公共交通機関で移動する子どもをもつ保護者には見守りの役目を果たしてくれます。

かかる費用は月額料金のみである、比較的低価格な通知サービスである場合が多いと言えます。

GPS搭載の機器等などを新たに購入する必要なく子どものポイント通過を把握できるのは便利ですね。細かい経路までは分からなくとも、改札通過ポイントだけチェックしたい！という保護者にとってはちょうど良いサービスかもしれません。

どんなに予防しても迷子になってしまうこともあるかもしれません。
迷子になってしまったときに、少しでも慌てなくてすむように事前に準備することも考えてみましょう。

まずは迷子になったときに、子どもが周囲の人に助けを求められるように練習しましょう。以下の3つの点を話し合いながら練習するとよいでしょう。

・「どんな人に」
お店の人、おまわりさん、駅員さんなど、助けを求める人を具体的に決めておきます。

・「何に困っているのか」
今いる場所がわからないのか、待ち合わせの場所がわからないのか、はぐれてしまったのかなどを考えます。

・「どうしてほしいのか」
迷子になったとき、保護者に電話をしてほしいのか、迎えに来てほしいのかなどを考えます。

迷ったときにはどうするか、親子でルールを決めるとお互いに安心感が高まります。例えば、はぐれてしまったら自宅の最寄り駅にある本屋さんやコンビニで待っているなど、分かりやすい場所を待ち合わせに決めるとよいかもしれません。

GPS機器を使う場合も、迷子になった時に持っていなかったり機能しなかったら意味がありません。必ず持ち歩く鞄に入れておく、子どもがいたずらに取り出してなくさないようにするなど、子どもの特性に合わせて管理しましょう。また電池切れなどがないようにすることも重要です。

今回は子どもの迷子対策として、GPSなどの技術を活用したサービスをメインにご紹介しました。

なんども迷子になってしまう場合には、迷子になる前後になにか迷子になる理由があるかもしれません。迷子になったときに、その前後の状況をよく思い返して共通のパターンがないかどうかを考えてみましょう。

あらかじめ、GPS機器を子どもに持たせたり、迷子になった時にどうするか子どもと話しておくなど、不慮の事態に備えておくことも大切です。

子どもが迷子になってしまったとき、見つかるまでの間、心配で生きた心地がしなくなる方も多いのではないでしょうか。子どもの安全と保護者の安心のためにも、記事を参考にしていただき、迷子になる回数が少しでも減り、また迷子になってしまったときに少しでも不安が少なくなることを願っています。