900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?

900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?のタイトル画像

発達が気になる子どもを育てながら、自分らしく働くことは両立できるのでしょうか?

みんなのアンケート「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」では、働いているという回答は66%。家族で協力し合いフルタイムで働く人のほか、子どものサポートのためにパート勤務に変えたという声もありました。

では、どんな働き方なら無理なく働けるのでしょうか?2018年4月17日に行われた「Empowered Woman JAPAN」講演会では、時間や場所に縛られない「テレワーク」という働き方が提案されました。

405c42a57c55f9dde82592669c6029c7e9b3928d8baf977d8b8f50be52cbb402 s
8789 View

「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」66%が”働いている”、約20%が”働きたい”という結果に

900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?の画像
Upload By 発達ナビ編集部
「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」というテーマで2018年4月19日(木)~27日(金)に、みんなのアンケートを行い、900名以上のユーザーから回答がありました。

現在働いている人は66%、働いていないが働きたいと思っている人が19%、働いていない人が15%という結果でした。

「働いていない」「働いていないが、働きたい」人の理由は?

15%と一番割合が低かった「働いていない」場合。この理由としては、子どものサポートのために時間が取れないというものが多くあげられました。

”娘が中学校に入る前まで働いていました。(中略)仕事を辞めてからは娘優先で生活できる様になって、気持ちが落ち着きました。娘に障害がなかったら仕事は続けていたと思います。”

”今後のことを考えると働きたいなぁ…と思いますが、息子のSTとOTで月2回、これから通院も予定してるので、息子関係でどのくらい時間が取られるのかまだ見えません。”


「働いていないが、働きたいと思っている」人は約2割いました。子どもの支援や療育に通うために仕事を断念したけれど、理解してくれる職場があれば働きたい、探している、という声も多く寄せられました。

”働いてたし、働く気でいましたが子どもの状態が良くなくて保育園追い出されそうで、様子見のため何も動けないです。子どもに手が掛かるのはしかたないけど、自分のやりたい事を諦めることもしたくありません。自分の人生は自分のものですしね。”

その他、次のようなコメントもありました。
■子どものリハビリに専念するため働くことをあきらめた。子どもの障害を理解してくれる職場があれば働きたい
■子どもに発達凸凹があり、復職出来ないまま時間がたってしまったが、働ける場所があるなら働きたい
■子どもが不登校。放課後等デイサービスの利用も拒否するため働けないでいる

「働いている」人は66%。フルタイムやパート、家庭の事情などで仕事の形態は異なる

家族の助けを借りてフルタイム勤務

フルタイム勤務の場合は、家族や園、支援機関などの協力が欠かせないようです。働くことで、気持ちの切り替えができているというママも多いようです。

■実家の母に泊まってもらい、夜勤有の病院勤務をしているが、母も自分も体力的にきつい
■保育園で加配をつけてもらったり療育を利用。夫と分担してこなしている。いろんな人の手を借りて育てたほうが煮詰まらない

パート勤務で子育てと両立

フルタイムは難しいが、パートで働いているという人も多くいました。

■子どもに発達障害があることが分かり、常勤は無理なのでパート勤務に変更。金銭的には苦しいけれど、家庭の安定をとった
■半日パート勤務。もっと働きたいが、自分に余裕がないと家庭が崩壊しそうなので

悩みながら仕事をしている人も

自分のためにも働きたい、家計のために働かなくてはいけない、でも子どものサポートが十分とは言えなくなってしまうことで悩んでいるという声も寄せられました。

”長女のさみだれ登校が続く中、縛られてしまうのは逆に良くないかとパートに出ました。(中略)長女については対応できていたのですが、LD傾向にある次女と三女の宿題が滞るようになってきて生活リズムも崩れるようになり、8ヶ月勤めたもののこの春に辞めました。(中略)家計の事を思うと本当はフルで働きたい。でも今はついてあげてサポートしてやらないと…。すごくジレンマがあります。”

次のようなコメントも寄せられています。
■仕事をしていることで精神の安定を得られている。でも子どものために勤務に支障が出てしまうと周りの声や視線が気になる
■シングルマザーなので働かなくてはいけない。でも引きこもりの娘を1人きりにしなくてはいけなかったり、息子が自分のいないところで暴れてしまい困っている

どんな働き方なら、発達凸凹の子どもを育てながら、無理せず働ける?

子どもを育てる中で、働き方を変えて、自分にも子どもにも無理ないよう調節しているという声も寄せられました。その中でも多くあげられたのが在宅ワークをはじめとする「テレワーク」です。時間や場所に縛られずに働くことで、自分らしく働く、子どもの療育などとの調整もしやすい、という利点があるようです。

”自宅でグラフィックデザインの仕事をしています。ネットで受注、納品まで完結するので何かあってもすぐに対応出来るのが魅力的です。今少しずつプログラミングの勉強していて、徐々に移行していけたらなと考えています。”

”子どもが保育園のうちは、外でシフト勤務。職場の同僚や上司から理解が得られたので、とても働きやすかった。(中略)子どもが就学後は、在宅ワーク。収入は減ったけれど、同僚や上司に謝る必要もなく、子どもと過ごす時間が格段に増え、睡眠時間も確保できるし、育児・療育を中心にすえて生活できるのがいい。”

”パートですが、テレワークをしています。数年前までは働きに出ていましたが、会社の都合で勤めていた支社がなくなりテレワークを認められました。通勤や出かける準備に時間をとられないし、何より子どもを見守れるので、今の私にとってはベストな働き方です。”

テレワークとは?「Empowered Woman JAPAN」でも提案された、フレキシブルな働き方

900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?の画像
テレワークプログラムについて説明する日本マイクロソフトの宮崎翔太氏
Upload By 発達ナビ編集部
アンケートへの回答にもあった「テレワーク」という働き方。これは、どのような働きかたなのでしょうか?

2018年4月17日(火)、霞が関の霞山会館で「Empowered Woman JAPAN」が開催され、「いつでもどこでも誰でも、働き、学べる世の中へ」をコンセプトに、女性の多様な働き方についてディスカッションが行われました。その中で、テレワークについて大きく取り上げられました。

テレワークとは、ICTの発達により可能になった働き方で、次の3つの特徴があります。
1. いつでも(いつでも時間にとらわれずに柔軟に働ける)
2. どこでも(会社に出社しなくても働ける)
3. だれとでも(家族の近くで働ける、仲間とコワーキングスペースなどでも働ける)


日本では現在、終身雇用が当たり前ではなくなりつつあり、転職する人も多くいます。また、少子高齢化、特に地方の高齢化が進んでいます。このような社会情勢の中、従来通りの働き方だけでない多様な選択肢があることで、さまざまな人が、ライフステージや状況に合わせて自分らしく働くことができる必要性が問われるようになってきました。

このイベントでも、テレワークによる働き方や生き方の幅が広がる可能性について話し合われたり、実際にテレワークを行っている人による体験談が語られました。

テレワーク化が進めば、子育て中、高齢者、障害のある人、病気療養中の人、近隣に働ける場所がない人など、さまざまな人が働くことができると言います。また、人材不足に悩む地方の企業が、遠く離れた場所に住む人材と出会い、働いてもらうことも可能になります。

テレワークで働く女性の声も。テレワークプログラムについてのディスカッション

日本では、約350万人の女性が、場所や時間などのさまざまな理由で働きたいけど、働けない状態でいるといわれています。一方、人材獲得に課題を感じている企業が全国で増え続けているそうです。日本マイクロソフトでは、このような状況をテレワークによって解決できないかと、テレワークプログラムを実施しています。このプログラムに参加し、地方企業に就職して在宅でテレワークを行っている入谷真紀さんによる発表もありました。

入谷さんは千葉県流山市在住で、通勤時間も考えると都内での勤務は難しい、でも自宅の近くでは自分のスキルを生かして働ける場所はない状況でした。何より一番大切にしたいのは、子どもの夢をサポートすること。そのためには、自分が働くことをあきらめなくてはいけないと思っていたそうです。

入谷さんは、プログラムに参加してテレワークのスキルを学び、オンラインでの面接を経て徳島県の企業に就職。テレワークでの業務なので、引っ越しも通勤も不要です。

「テレワークなら自分も働きたい気持ちをあきらめなくてもいいのかもしれないと思い、プログラムに応募し、現在の仕事に就きました。テレワークで働くことで可能性が広がり、自分の仕事や生き方について考えられるチャンスがもらえた。もっとテレワークで働ける企業が増えるといいなと思う」(入谷さん)

入谷さんの住む千葉県流山市は「子育てしながら働ける街に」と目標を掲げ、このプログラムに参画しています。井崎義治市長は「流山市はベッドタウン。人口増加率は全国1位です。でも、雇用はとても少ないのが現実です。起業やテレワークなどの主体的な動きを積極的に応援したい」と言います。

入谷さんを雇用した株式会社ダンクソフトの代表・星野晃一郎さんからは「企業の経営戦略としても、テレワークは重要です。優秀な人材がいないと企業経営は難しい。人材のネットワークを全国規模で持っていることは重要」と、経営側からもテレワーク活用の必要性について発言がありました。
900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?の画像
「テレワーク プログラム」参加者や企業、流山市長などによるディスカッション
Upload By 発達ナビ編集部

『LIFE SHIFT』著者、リンダ・グラットン氏が語る、人生100年時代の働き方、学び方、生き方

900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?の画像
『LIFE SHIFT』著者の、リンダ・グラッドン氏
Upload By 発達ナビ編集部
イベントでは『LIFE SHIFT』の著者、リンダ・グラットン氏の講演もありました。

寿命が延び、今までのように学校を卒業したら働き、60歳で定年を迎えてリタイア…という生き方が成り立たなくなっていると言うリンダ氏。

それぞれのライフステージや家族の状況に合わせて、学び、働き、育児をしたり再度学んでスキルを身につけ、また働くというフレキシブルさ(マルチステージ化)や、次のステージで活躍できる意思やスキル(変身資産)が重要になるー。

「AI技術が進歩する中で、長時間ロボットのように働くというやり方は合わなくなっています。知識集約型の経済では、長時間労働は生産性が落ちます」

製造業の発展の中では、長時間労働が必要とされる時代もあった。でも、これからの人間に求められているのは、考える力だろうと、リンダ氏は語ります。

「人口が減少する日本で、人口の半分を占める女性が働けないのは理にかなっていません。また、男性もフレキシブルに働け、家族と一緒に過ごす時間を持てることが必要です」

人間はロボットではない。今までの働き方を見直すことで、人間らしい暮らしを取り戻そう、もっと家族で過ごそうという力強い講演でした。
LIFE SHIFT
リンダ グラットン
東洋経済新報社

柔軟な働き方なら、子どもに寄り添いながら自分らしく働ける

900人が回答「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」いつでもどこでも働ける「テレワーク」とは…?の画像
来場者や参加者が「自分らしい生き方」について宣言
Upload By 発達ナビ編集部
最後に登壇した、野田聖子大臣(総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣)は「私自身、子どもを出産したときは、テレワークで働いていた。障害のある人も含め、ライフステージに合わせて柔軟に働ける世の中にしたい。経団連などに対しても、女性の採用やテレワークの活用の推進をお願いしている」と意欲を示しました。

また、7月24日はテレワークデイに設定されており、2017年度は6万人、900団体が参加したそうです。野田聖子大臣は「2018年度は、テレワークウィークとして、複数日に渡ってテレワークに取り組めるようにしたい。来年度はテレワークマンスとしたい」とも語りました。

発達の凸凹がある子どもの子育ては、学校への訪問や療育・医療機関へ通う、子どもが学校に行けない時に寄り添う必要が出てくるなど、物理的に時間が必要となることも多いものです。

その育児を、母親が一手に引き受けると、自分らしく働くということは難しくなりがちです。母親が時間や場所に縛られずに働ける環境はもちろん、父親もフレキシブルに働ければ、ともに子育てに関わることができます。


また、人生100年時代と言われる中で、いったん子育てで仕事を離れた人や、高齢者などが再度働ける環境も必要でしょう。

「電車や車で自宅から離れた職場に通勤し、決められた時間帯に働く」以外の働き方への取り組みは、少しずつですが始まっています。発達が気になる子どもを育てる保護者や、自身に障害がある人はもちろん、どんな人も自分らしく働ける世の中へと、選択肢はこれからもっと増えていくのではないでしょうか。
障害児の父親が抱えているストレス。家族を支えるために利用したい「父親の会」とは?のタイトル画像
関連記事
障害児の父親が抱えているストレス。家族を支えるために利用したい「父親の会」とは?
発達障害とは?発達障害の分類・症状・特徴・診断方法はどのようなもの?のタイトル画像
関連記事
発達障害とは?発達障害の分類・症状・特徴・診断方法はどのようなもの?
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
Column title

あわせて読みたい関連記事

Area search

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。