下痢・便秘が続く過敏性腸症候群(IBS)とは?主な症状、原因、治療法まとめ

ライター:発達障害のキホン

過敏性腸症候群は、検査では異常が無いのに、下痢や便秘、腹痛といったお腹の不調が続く病気です。強いストレスを感じると症状が悪化し、重症になると生活の質が著しく低下します。そこで過敏性腸症候群の具体的な症状や診断基準、治療法などをご紹介します。

目次

お腹の不調がつらい「過敏性腸症候群(IBS)」の具体的な症状とは?

お腹が痛い、下痢や便秘が長引いている、お腹にガスが溜まっているような気がする。腸の疾患がないのにお腹に痛みがあったり、調子が悪く、それに関連した下痢や便秘などの異常が数ヶ月以上続くなどの症状に悩まされているなら、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS)かもしれません。

過敏性腸症候群の症状は多岐にわたります。代表的なお腹の痛み、腹部不快感、下痢・便秘が続く症状のほかにも、腹部膨満感(腸内に水分やガスが溜まりお腹が張って苦しい状態)、おならがよく出る、食欲不振、頭重感、お腹がゴロゴロ鳴るといったさまざまな身体症状が現れます。

夜寝ている時に症状が出ることはほとんどなく、排便すると一時的に症状から解放されるのも特徴です。過敏性腸症候群には身体症状だけでなく、精神症状が伴うケースもあります。特に重症になると、トイレに自由に行けない環境に不安を感じたり、見た目では理解されない苦しみを抱え込んだりします。

過敏性腸症候群は命にかかわる病気ではありませんが、日常生活に支障をきたし、生活の質が著しく下がる病気です。

学生であれば、授業中やテスト中に何度も教室を抜け出すのがつらい人もいます。働いている人であれば、通勤には各駅停車を使って、いつでもトイレに駆け込めるように対策している人もいるほどです。こういった不安や苦痛を隣り合わせのため、勉強に集中できなくなったり、働く気が起きなくなったりすることもあるようです。さらには外出を控えるようになり、不登校になったり、仕事を辞めることまで考える人もいます。
参考:過敏性腸症候群(IBS)患者さんとご家族のためのガイド「Q1 過敏性腸症候群(IBS)ってどんな病気ですか?」|日本消化器病学会ガイドライン
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html

実は10人に1人が過敏性腸症候群。4つのタイプや性別・年齢との関係は?

過敏性腸症候群は、便の形状や排便頻度によって4つのタイプに分かれています。

・便秘型: 週に3回以下の排便で便が固くなる。お腹にガスが溜まりやすい。
・下痢型: 1日に3回以上の排便で便が水っぽくなる下痢型。急に襲ってくる便意があるため、トイレに自由に行けない環境に不安を感じやすい。
・混合型: 便秘型と下痢型の症状を繰り返す
・分類不能型: 以上3つのタイプには当てはまらないタイプ

患者数と男女比率はどのくらい?

過敏性腸症候群は10人に1人がかかっている病気で、決してめずらしい病気ではありません。男性より少し女性に多く、加齢とともに患者数は減少すると考えられています。
一般人口の11.2%(95%CI,9.8%-12.8%)が IBS を発症しており,男性に比べて女性が発症しやすいことが示された(男性:女性=1:1.67)。
出典:http://pscenter.doshisha.ac.jp/journal/PDF/Vol5/pp83-.pdf
1981年から,1991年から,2001年からの各10年間にわたるIBSの有病率は変化していない. しかし,30歳未満,30歳代,40歳代,50歳代,60歳以上の有病率は各々11.0,11.0,9.6,7.8,7.3%であり,全体として,50歳以上ではそれより若年者に比して有病率が低い傾向が認められた.
出典:https://www.jsge.or.jp/guideline/guideline/ibs.html

過敏性腸症候群を発症する原因は?ストレスとの密接な関係が指摘

過敏性腸症候群の発症の原因は解明されていません。ただし、腸の検査や血液検査をして、腸に明らかな異常(潰瘍や腫瘍など)がある病気ではないため、ストレスが原因ではないかと考えられることも多くあります。実際に、過敏性腸症候群はストレスと密接な関係があり、強いストレスを感じたときには症状が強く表れ、ストレスが軽減されたときには、症状が軽くなる傾向があります。

これは脳と腸が自律神経でつながっていて、脳が不安やストレスを感じ取ると、その影響を受けて腸の動きが乱れ、痛みを感じやすい状態になるためです。特に過敏性腸症候群の患者はこの状態が強く現れる傾向があり、腸の動きの早さによって下痢や便秘などの症状につながります。

精神的なストレスを感じていなくても、過労や睡眠不足、乱れた食生活が続いている場合は腸に負担がかかっているため、過敏性腸症候群を発症しやすくなります。

また細菌やウイルス性の胃腸炎から回復した後は、過敏性腸症候群にかかりやすいと言われています。そのほか、腸内細菌のバランスが崩れて発症することもあります。善玉菌が減って悪玉菌が増えることによって腸が過敏になるためです。
参考:過敏性腸症候群(IBS)の病態・診断・ 治療|日本内科学会雑誌 第102巻 第 1 号・平成25年 1 月10日
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/1/102_70/_pdf
次ページ「過敏性腸症候群の症状にあてはまったら…」


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